ヨーロッパの強豪6か国が競う「シックスネーションズ」が2月3日に開幕し、地元カーディフでオープニングゲームを迎えたウェールズ代表がスコットランド代表から4トライを挙げて34-7と快勝、パリ郊外のサンドニではアイルランド代表がSOジョナサン…

 ヨーロッパの強豪6か国が競う「シックスネーションズ」が2月3日に開幕し、地元カーディフでオープニングゲームを迎えたウェールズ代表がスコットランド代表から4トライを挙げて34-7と快勝、パリ郊外のサンドニではアイルランド代表がSOジョナサン・セクストンの劇的なドロップゴールでフランス代表に15-13で逆転勝ちした。

 日本のファンにとっては、来年のワールドカップで日本代表と同組に入るスコットランド代表とアイルランド代表の戦いぶりも気になる今大会。両チームともアウェイでの開幕節となったが、明暗が分かれた。

 スコットランドは序盤から相手に主導権を握られた。
 ウェールズは前半5分、SHガレス・デーヴィスが自陣10メートルライン付近でインターセプトして独走し、先制した。11分にはスコットランドのミスにより敵陣深くでスクラムからの攻撃チャンスとなり、FWが近場を突いたあと、スペースができた右へボールを回してFBリー・ハーフペニーがトライ。ハーフペニーはゴールキックも好調で、14-0として折り返した。
 さらにウェールズは後半最初の10分間にPGを2本決め、加点する。
 スコットランドは、負傷から復活して1年ぶりに代表チームに戻ってきた大黒柱のSHグレイグ・レイドローを後半途中から投入したが、流れは変わらず、ウェールズは60分(後半20分)にもハーフペニーが連続攻撃をフィニッシュしてリードを広げた。72分にはシックスネーションズ初出場の新星WTBステファン・エヴァンズがチーム4トライ目を挙げ、ボーナスポイントも獲得。
 スコットランドは終盤に1トライを奪い返したが、この日、プリンシパリティ・スタジアムで笑ったのはホームチームだった。

 スタッド・ドゥ・フランスでは、ジャック・ブリュネル新ヘッドコーチのもとでチーム再建を目指すフランス代表が初陣を勝利で飾りたかったが、3年ぶりのタイトル奪還を狙う世界ランキング3位のアイルランド代表が土壇場で逆転勝利を収めた。
 拮抗した試合はPGでスコアが動き、70分を経過した時点で、アイルランドが12-6とリードしていた。
 しかし71分、フランスがクイックスローインで自陣から攻め、WTBテディー・トマが右外から内に切り込んでゴールまで持ち込み、両チームを通じて初トライを挙げた。そして、SOアントニー・ベルがコンバージョンキックを決め、逆転する。流れを変えたフランスは76分、この日劣勢だったスクラムでPGチャンスを得るも、ここで加点できなかったのは結果的に痛かった。
 望みをつないだアイルランドは残り時間で40フェイズを重ね、フランスもがまんして守っていたが、欧州屈指のSOであるグリーンジャージーの10番、ジョナサン・セクストンがハーフウェイ付近中央から約45メートルのドロップゴールを決め、劇的な逆転ゲームとなった。

 2月4日にはローマで、イタリア代表×イングランド代表戦がおこなわれる。