“投げたがり”の右腕がキャンプ初日に見せた変化 急がず、焦らず。逸りたくなる気持ちを抑えるかのように、中日に入団した松坂…

“投げたがり”の右腕がキャンプ初日に見せた変化

 急がず、焦らず。逸りたくなる気持ちを抑えるかのように、中日に入団した松坂大輔投手は初日を終えた。注目を集めた沖縄キャンプ初日。平日にもかかわらず2000人の観衆が、キャンプ地の北谷公園野球場に駆けつけたが、ブルペンには入らないまま、この日の練習を終えた。

「周りが投げる投げると思っていたので、あえて入らなかったというのはありますけどね」と冗談めかしつつ「一応、丸はつけておいたんですけど、ドラゴンズのキャンプの流れがどうなるのか分からないですし、今日はいいかな、と。明日は入ろうかなと思っています」と明かした。

 ウォーミングアップの後はキャッチボールを行うと、ノックやランニングメニューなどで汗を流した松坂。右も左も分からない新天地でのキャンプ。落ち着かない状況でいきなりブルペンで投げて必要以上に心身に負担をかけるよりも、まず初日は中日キャンプの空気に自身の身体を馴染ませることを選んだ。

 3年間在籍したソフトバンクではキャンプ初日には必ずブルペンに入った。もともとが“投げたがり”で知られる右腕。一度投げ出せば、その球数がどんどん膨らんでいくことも珍しくはなかった。それによって知らず識らずの内に右肩に負担がかかったというのもあるだろう。過去3年間はキャンプ中は状態の良さを感じさせながらも、オープン戦、そして開幕が近づくにつれ、右肩の痛みが出たりして、状態を落としていった。同じ轍を踏まないために、自らの手綱をしっかり絞るかのようだった。

関係者も驚く影響力、2日目はブルペン入りへ「立ち投げ」「30球前後」

 マウンドで投げる姿が見られなかったとはいえ、キャンプ地には“松坂効果”が如実に現れた。この日集まった報道陣は200人超。松坂が動けば、その姿を追うメディアも動いた。キャンプ地内のグッズ売り場では急遽用意された松坂グッズが驚異の売上を見せ、タオルは即日完売。影響力の大きさは、関係者を驚かせた。

 ただ、キャンプは、まだ始まったばかりだ。やはり、松坂の投げる姿、もっと言えば、復活する「平成の怪物」を見たいと思うもの。批判的な声を跳ね返すには投げるしか、そして結果で示すしかない。初日だけのファンの人気を見ても、それを待ち望んでいる人は数多いのだ。

「自分のペースでやっていこうと思っています」と語る松坂。じっくり、ゆっくり段階を踏んでいく。「キャッチャーを座らせることはないんじゃないですかね。立ち投げだと思います。30球前後にしておこうと思っています」。2日に初のブルペン入りを果たし、まずは捕手を立たせたまま、フォームの感触を確かめる予定だ。

 このキャンプのテーマを「オフの間からずっと続けてきた肩の強化もですし、フォームに関してもまだまだ修正しなければいけないところがある。少しの時間も無駄にしないようにフォーム作りを意識してやっていきたいなと思います。下(半身)の動きですね。まだ自分の思うように動かすことが出来ていないので、何とかこの2月中に動きを取り戻す、なんとかしたいなと思っています」と掲げる右腕。オフのトレーニングの成果は見えるのか。そして、ドラゴンズブルーのユニホームを身に纏った平成の怪物は、いかなる姿を見せてくれるだろうか。(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)