誰でも手軽で効果的に鍛えることができるとして、一般的にも知られるようになった体幹トレーニング。有名アスリートの取り組む様子がメディアで紹介されたことで一気に人気が高まり、多くの人が体幹トレーニングを導入するようになりました。しかしその一方で、雑誌やテレビで紹介されたものを見よう見真似で行うことによる、間違った体幹トレーニングを実施している人が多いのも現状です。

 今一度ここで体幹トレーニングを見直し、効果を高めるためのポイントを再確認してみましょう。

体幹とは

 そもそも、体幹とはどの部位なのでしょうか。体幹を鍛えるトレーニングには色々なメソッドが存在し、それぞれ若干の違いがあるでしょう。しかし基本的には、首から上と腕・脚を除いた部分のことを体幹といいます。

 中には体幹のことを、お腹まわりの筋肉だと思っていた人もいるかもしれません。しかし実際には胸や背中などの大きな筋肉、肩関節・股関節周りの小さな筋肉まで、多くの筋肉が体幹に含まれています。それを同時に鍛えることができるのが、体幹トレーニングなのです。

体幹トレーニングで意識するポイント

 まずは体幹トレーニングを行ううえで、特に注意する必要があるポイントを4つご説明します。

1.腹筋を意識する

 体幹トレーニングは、特に腹筋群や背骨の周りにある姿勢を保つための小さな筋肉に対して効果が高いメソッドです。そのため、動作中に腹筋を意識するのとしないのでは、強度や効果に大きな違いが現れます。

 正しい腹筋の意識の仕方は、腹筋が硬くなるような力の入れ方です。お腹を凹ませるような動作を行いながら姿勢を保つ方法も数多く紹介されていますが、それはあくまでも腹筋の一部である腹横筋を鍛えるためのもの。体幹トレーニングは体幹部全体を刺激させたいので、全体に力が入るようにグッと力を入れることがポイントとなります。

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2.姿勢(アライメント)を整える

 アライメントとはカラダの配列のこと。ポーズをとった時にアライメントが崩れていると、刺激が逃げてしまいます。また、自分ではしっかり姿勢を取っていると思っていても、動作の辛さから無意識的に楽な姿勢になってしまうでしょう。鏡で姿勢をチェックしたり、誰かに姿勢を確認してもらったりしながら行うことがポイントです。

次ページ:姿勢を維持しながら腕や脚を動かす体幹トレーニングも

3.動作は正確に

 姿勢を維持しながら腕や脚を動かす体幹トレーニングもあります。動作中の姿勢を維持することはもちろん重要ですが、動作を正確に行うかどうかによって体幹にかかる負荷も異なります。

4.末端部分の違いで刺激が変わる

 重要であるにもかかわらず、見落とされやすいポイントが末端部の意識。例えば頭の向きや指先・つま先・足首の角度などがそれにあたります。末端部を意識することによって、全身に力が入り、効果的に体幹部を刺激することが可能です。

プランクを参考に正しい体幹トレーニングを確認してみよう

 ここでは、もっともポピュラーな体幹トレーニングであるプランクを参考に、正しい方法を解説していきます。まずは、プランクのやり方を簡単におさらいしましょう。

1.前腕部と肘を床につけ、うつ伏せになります。前腕部は平行にして手は軽く握り、足は腰幅程度に開き、床につけましょう。

2.膝をまっすぐ伸ばしたまま腰を浮かせます。前腕部とつま先だけでカラダを支えます。3.その姿勢のままキープします。

次ページ:注意すべきNGポイントとは?

<注意すべきNGポイント>

・お尻が上がっている姿勢(アライメントの崩れ)

 ありがちな間違いの一つが、お尻が高く上がった姿勢です。お尻が高く上がりアライメントが崩れることによって、体幹部、特に腹筋への刺激が少なくなり姿勢を保ちやすくなってしまいます。そのため、疲れてくると無意識的に徐々にお尻が高く上がっていくでしょう。プランクの場合、頭・肩・腰・膝・カカトのアライメントが常に一直線になるように姿勢をキープしましょう。

・頭がまっすぐではなく下がっていたり、正面を向いていたりする(末端部の意識ができていない)

 頭の向きも重要。姿勢をキープ中に頭が下がることで、背中が丸まりお尻が上がりやすくなります。逆に正面を向いた状態は腰が反りやすく、腰が反ることでお腹の刺激が少なくなるのです。頭は常に床の方向を見て、動かさないようにしましょう。

・膝や肘の曲がり、骨盤の捻転など(動作の乱れ)

 プランクの強度を高めようと、片腕や片脚を持ち上げるなどの動作を行う場合があります。その際に膝が曲がってしまったり、骨盤が捻転してカラダが傾いてしまったりすることが多いでしょう。そのような動作は、動作を楽に行うために自然と現れる現象です。すると負荷が軽くなってしまいますので、しっかり膝を伸ばす、骨盤を捻転さないように脚を持ち上げるなどの正確な動作を心がけましょう。

まとめ

 体幹トレーニングは道具やスペースを必要とせず、どこでも手軽に行えるというのも大きなメリットです。一方、正しく行わなければ効果的に体幹部を刺激することができません。体幹トレーニングにはいろいろな姿勢がありますが、どの姿勢でも今回紹介した4つのポイントをしっかりチェックするようにしましょう。

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[著者プロフィール]
和田拓巳(わだ・たくみ)
プロスポーツトレーナー歴16年。プロアスリートやアーティスト、オリンピック候補選手などのトレーニング指導やコンディショニング管理を担当。治療院での治療サポートの経験もあり、ケガの知識も豊富でリハビリ指導も行っている。​スポーツ系専門学校での講師や健康・スポーツ・トレーニングに関する講演会・講習会の講師経験も多数。そのほか、テレビや雑誌でも出演・トレーニング監修を行う。日本トレーニング指導者協会JATI-ATI。
【HP】https://wada0129.wixsite.com/takumiwada

<Text:和田 拓巳/Photo:Getty Images>