右手首故障から約5ヶ月ぶりに復帰し、2日前の復帰第2戦で初勝利を挙げた錦織圭(日本/日清食品)。勝ち進んだ「ATPチャレンジャーダラス」2回戦では、世界ランク162位のマティアス・バッキンガー(ドイツ)と対戦。ショットが安定せずミスが何度か…

右手首故障から約5ヶ月ぶりに復帰し、2日前の復帰第2戦で初勝利を挙げた錦織圭(日本/日清食品)。勝ち進んだ「ATPチャレンジャーダラス」2回戦では、世界ランク162位のマティアス・バッキンガー(ドイツ)と対戦。ショットが安定せずミスが何度か出て、第1セットを4-6で失った錦織だったが、第2セットを6-4で取り返してイーブンに。ファイナルセットでは粘り強さも発揮して6-4で奪い、苦戦の末にセットカウント2-1で勝利。復帰後初の連勝を飾り、ベスト8進出を決めた。

錦織は、前週の復帰戦「男子テニスATPチャレンジャー ニューポートビーチ」で、フルセット(3-6、6-3、4-6)の末に1回戦敗退。続いて今週の「ATPチャレンジャーダラス」にエントリーし、迎えた2日前の復帰第2戦では、前週敗れたデニス・ノビコフ(アメリカ)と再戦。サーブと鋭いリターンからリズムを掴み、見事なストレート勝ち(6-3、6-3)でリベンジを果たした。

2回戦の対戦相手は、世界ランク最高85位をマークしたこともあるバッキンガー。堅実なストローク力をベースに戦う選手で、先日の「全豪オープン」でも予選から出場し、本戦入りを果たした実力者だ。

第1セットは、バッキンガーのサーブからスタート。第1ゲーム1ポイント目で、いきなりリターンエースを奪う錦織。しかし、その後はラリーでのミスが重なる。第2ゲームは錦織がサービスエースを見せて、好調ぶりを発揮。早くも第3ゲームでブレークを記録したが、なかなかショットが思ったコースに決まらず、相手にブレークバックを許すなど、乗り切れない展開が続いた。最後は、バッキンガーが厳しいコースでのラリーをものにするなど、錦織は4-6で第1セットを失う。

第2セットも、バッキンガーは粘りのテニスを持続し、第1ゲームをラブゲームでキープするなど持ち味を発揮。一方の錦織も、ポイントを失いながら、自身のサービスゲームを確実にキープしていく。それでも、時折ミスが出る錦織は第4ゲーム、40-0から相手の体勢を崩してのネットプレーがわずかにアウト。キープには成功するがすっきりしない内容に、錦織は一度壁の方を向いて帽子を脱ぎ、気持ちを落ち着けるような仕草も見せた。

その後、ネットに出てのドロップショット後に小さくガッツポーズを見せるなど、手ごたえのあったショットを確認するように試合を進めていく錦織。流れが変わったのは第9ゲーム、ダウンザラインやドロップショットでポイントを重ねてブレークすると、続く第10ゲームもキープ。第2セットを6-4で取り返し、セットカウントを1-1とした。

ファイナルセットも、バッキンガーは手堅いテニスを、錦織は粘りの強さを披露。その中でも錦織は、相手を左右にゆさぶりポイントに繋げていく。そして、迎えた第7ゲーム。錦織は相手コートライン際に打ち込んだショットで、このセット初のブレークを記録。勢いに乗り、続く第8ゲームをラブゲームでキープしてみせた。

直後の第9ゲームはバッキンガーがキープしたが、このまま流れを掴んだ錦織が、第10ゲームをキープ。ファイナルセットを6-4でモノにして、錦織が復帰後初の連勝を飾り、8強進出を決めた。

ショットが安定せずに苦戦した錦織だが、終盤は球威も増し、第3セット第3ゲームではエア・ケイも見せるなど、随所に良さを発揮。復帰後初の大会制覇への道も見えてきた。

錦織は次戦、ベスト8で世界ランク295位Dominik Koepfer(ドイツ)と対戦する。(テニスデイリー編集部)※写真は「シティ・オープン」の際の錦織圭
(Photo by Tasos Katopodis/Getty Images)