ニュージーランドからやって来た最年少の選手は、笑顔だった。「いやぁ、やっぱり皆、レベルが高い。自分は最年少なので学ぶ部分が多いんですけど、強みはアピールしていきたい」 2018年度の20歳以下(U20)日本代表を選ぶ「TIDキャンプ(U2…

 ニュージーランドからやって来た最年少の選手は、笑顔だった。

「いやぁ、やっぱり皆、レベルが高い。自分は最年少なので学ぶ部分が多いんですけど、強みはアピールしていきたい」

 2018年度の20歳以下(U20)日本代表を選ぶ「TIDキャンプ(U20)」が1月15日からの4日間、千葉・リソル生命の森であり、スコッド50名のうち40名が参加。5月30日からのワールドラグビーU20チャンピオンシップ(フランス)に向け、戦術の共有やメンバーの絞り込みがなされていくだろう。

 ここで「ゴールはチャンピオンシップに出ること」と意気込む1人が、日下太平だ。関東学院六浦中を卒業後にニュージーランドはクライストチャーチボーイズ高へ留学。今年および来年度に20歳となる選手より1歳年下だが、カンタベリー大の1年生としてこのキャンプへ参加していた。

 持ち味はフィジカリティだ。向こうへいる間に約20キロも増えたという身長181センチ、体重88キロの体躯は、攻撃練習中の力強い突破につながる。帝京大1年の松本健留(身長176センチ、体重83キロ)、明大1年の森勇登(身長174センチ、体重82キロ)とのインサイドCTB争いにあっても、この推進力が長所となるか。本人の述懐。

「ニュージーランドへ行って、まずフィジカルの部分で周りとの差を感じました。これでは戦えないな、と思って、身体をでかくしました」

 留学して得た宝物は、楽しむ心だという。グラウンドに立てば人が変わったようになる仲間たちの戦いざまに触れ、格闘技兼球技とも言われるラグビーの神髄を見た。

「向こうの人は、楽しみ方をわかっている。遊びでバチーンと当たって、やられた方もキャハって。自分はまだそうできていないんですけど、採り入れていきたいです」

 代表チームは世界ランク1位というラグビー王国で、強い身体と心を育てている日下。U20チャンピオンシップでは、同国の20歳以下代表とも激突する。その場にいたい。(文:向 風見也)