“世界の福本”と加藤秀司の同期コンビが打撃で活躍 オリックス・バファローズは、1936年のプロ野球創設時に阪急軍としてス…

“世界の福本”と加藤秀司の同期コンビが打撃で活躍

 オリックス・バファローズは、1936年のプロ野球創設時に阪急軍としてスタートした老舗。パ・リーグでは最古の球団だ。阪急ブレーブスとして一時代を築き、1988年11月に親会社がオリックスに変更。2005年に近鉄バファローズと合併して現在に至る。今年で創設82年を迎える。歴史を飾った歴代の名選手を、投打の通算成績で見ていこう。※は現役

○通算安打数5傑
1.福本豊 2543安打(1969-88年)
2.加藤秀司 1642安打(1969-82年)
3.松永浩美 1541安打(1979-92年)
4.谷佳知 1413安打(1997-2006年、2014-15年)
5.長池徳二 1390安打(1966-79年)

 世界の盗塁王・福本豊が唯一2000本を超す安打。阪急がオリックスに変わるタイミングで引退している。2位は福本の同期の加藤、3位はスイッチヒッターの松永、イチローは1278安打で6位だ。現役ではT-岡田の929安打が最多。

○通算本塁打数5傑
1.長池徳二 338本(1966-79年)
2.加藤秀司 285本(1969-82年)
3.藤井康雄 282本(1987-2002年)
4.ブーマー 251本(1983-91年)
5.石嶺和彦 241本(1981-93年)

 阪急全盛期の4番打者・長池が1位、それに加藤が続いた。藤井はオリックスになってからの中軸打者で満塁本塁打が多かった。ブーマーは3冠王も獲った巨漢の強打者。本塁打も現役ではT-岡田の156本が最多となった。

○通算打点5傑
1.加藤秀司 1027打点(1969-82年)
2.長池徳二 969打点(1966-79年)
3.福本豊 884打点(1969-88年)
4.藤井康雄 861打点(1987-2002年)
5.ブーマー 804打点(1983-91年)

 本塁打、安打と顔ぶれが重なる。加藤秀司は打点王3回、MVP1回を獲得し、好機に非常に強かった。現役では打点もT-岡田の538打点が最多だ。

○通算盗塁数5傑
1.福本豊 1065盗塁(1969-88年)
2.バルボン 297盗塁(1955-64年)
3.古川清蔵 293盗塁(1948-59年)
4.川合幸三 284盗塁(1947-59年)
5.簑田浩二 249盗塁(1976-87年)

 世界の盗塁王・福本豊が堂々の1位。2位に入ったキューバ出身のバルボンは、今でも京セラドームに顔を出す。古川は戦時中に2回本塁打王となり、戦後の1948年から阪急入りした。古川は95歳で健在だ。現役では安達了一の73盗塁が最多だ。

投手では“ヨネカジコンビ”と山田が上位

 投手成績を見てみよう。

○通算勝利数5傑
1.米田哲也 338勝(1956-75年)
2.山田久志 284勝(1969-88年)
3.梶本隆夫 254勝(1954-73年)
4.足立光宏 187勝(1959-79年) 
5.星野伸之 168勝(1984-99年)

「ガソリンタンク」と呼ばれたスタミナ抜群の米田哲也が1位で、2位はアンダースローの山田だ。3位は米田と「ヨネカジコンビ」を組んだ左腕の梶本。4位に入った足立もアンダースローで1967年にMVPを受賞した。星野は遅い球が武器だった左腕。現役では金子千尋の116勝が最多となっている。

○通算奪三振数5傑
1.米田哲也 3294個(1956-75年)
2.梶本隆夫 2945個(1954-73年)
3.山田久志 2058個(1969-88年)
4.星野伸之 1903個(1984-99年)
5.佐藤義則 1755個(1977-98年)

 奪三振は「ヨネカジコンビ」が1、2位を占めた。佐藤義則は阪急からオリックスの初期にかけて、先発と救援で息の長い活躍をし、今も投手コーチとして活躍中。現役では金子千尋の1494個が最多だ。

○通算セーブ数5傑
1.平野佳寿 156(2006-17年)
2.加藤大輔 87(2003-10年)
3.岸田護 63(2006年-)※
3.大久保勝信 63(2001-10年)
5.佐藤義則 48(1977-98年)

 セーブ記録は1975年に導入以降の投手が対象。今季からダイヤモンドバックスに移籍した平野が歴代1位。2位に入った加藤大輔は松坂世代で、2008年にセーブ王にもなっている。現役では岸田が1位だ。

西本幸雄、上田利治、仰木彬ら名将が殿堂入り

 最後にオリックスに選手、指導者として在籍し、殿堂入りした野球人を紹介したい。

○野球殿堂入り
1965年 宮武三郎 選手
1968年 小林一三 経営者
1969年 三宅大輔 指導者
1974年 藤本定義 指導者
1978年 浜崎真二 選手・指導者
1987年 山下実 選手
1988年 西本幸雄 指導者
1989年 野口二郎 選手・指導者
1995年 村上實 経営者
2000年 米田哲也 選手・指導者
2002年 福本豊 選手・指導者
2003年 上田利治 指導者
2004年 仰木彬 指導者
2006年 門田博光 選手
2006年 山田久志 選手・指導者
2007年 梶本隆夫 選手・指導者
2009年 青田昇 選手・指導者

 阪急グループの創業者で、宝塚運動協会以来プロ野球を支え続けた小林一三の名前がある。さらに、小林の母校である慶應義塾大の名選手だった宮武三郎、山下実、浜崎真二も殿堂入り。浜崎は山本昌に抜かれるまでのプロ野球最年長登板記録(48歳10か月)も持っていた。西本幸雄、上田利治と阪急黄金時代を創出した名将の名前もある。そして、イチローを見出したオリックス監督の仰木彬も殿堂入りした。

 長い歴史があるだけにオールドネームが上位に並ぶ。現役の金子千尋、T-岡田、さらには若い吉田正尚らはどこまで食い込むことができるだろうか。(広尾晃 / Koh Hiroo)