ブンデスリーガ第19節、ヘルタ・ベルリン対ドルトムント戦で、香川真司が今季リーグ戦4点目を挙げた。だが、結果は1-…
ブンデスリーガ第19節、ヘルタ・ベルリン対ドルトムント戦で、香川真司が今季リーグ戦4点目を挙げた。だが、結果は1-1で、ドルトムントは今年に入って2戦連続の引き分けとなった。
去年の最終戦だったドイツ杯バイエルン戦に敗れたことを含めて、これで公式戦3戦続けて、勝ちがない。ペーター・シュテーガーが新監督に就任し、どうにか立て直されたかに見えたチームは、再び壁にぶつかっているのか。それとも、長いシーズンのちょっとしたつまずきに過ぎないのか。

ヘルタ戦でヘディングのゴールを決めた香川真司
試合後、息を切らせたままの香川はこう言う。
「ちょっと質が……最後のところが上がってないですね」
最後の質が上がらない、すなわちゴール前の精度が欠けているということには大きな理由がある。前半戦で13得点を挙げている絶対的エース、オーバメヤンの不在だ。
もともとオーバメヤンとクラブとの間にあった不協和音は大きくなる一方で、ここへきてアーセナルへの移籍が確実視されている。シュポルトビルト紙などは、移籍は週内にも成立するのではないかと報じているが、現時点でまだ発表はない。
こうなるとクラブ幹部だけでなく、選手の間からもよからぬ話が出てくる。キッカー誌によると、ヘルタ戦後、オーバメヤンの代役で1トップを務めたアンドレ・シュールレはオーバメヤンについて、「とてもいい選手だよ」としながら、「あいつは何を考えているかわからない」と話したという。批判めいた発言と捉えられてしまうのに十分なシチュエーションが整っているのだ。
ただし現実問題として、オーバメヤンがひとりいないだけで、ドルトムントの攻撃は大幅に迫力を欠くことになる。この日の試合でも、低い位置で自陣を埋めるように守るヘルタを攻めあぐねた。じっくり崩すことも、わずかな隙を突くこともできないでいた。
香川がもどかしそうにこう話す。
「最後のところのパスの精度だったり……そこでイージーなミスでリズムを失っている感じはあるので、もっと忍耐強くボールをつなげていかないと。今は個の力という意味では、ケガ人もいますし、ちょっと抜けてるところがあるので」
今季はウスマン・デンベレがバルセロナに移籍し、マルコ・ロイスが負傷で不在。そこにきてオーバメヤンの移籍騒動だ。個で持っていくことのできた看板の3トップがそろって消えることになる。
「辛抱強くやるしかないです。そのためには失点を防ぎながらやらないと。アウェーの地で大量得点を重ねるのは厳しいですし、粘り強くやらないとなかなか勝てないと思いますね」
この試合では、ドルトムントが攻め切れないことにより、次第にヘルタが守備のリズムをつかんでいった。攻めてはセットプレーを奪い、ジワジワとドルトムントを苦しめた。後半開始直後のヘルタの先制点は、なんのことはないクロスを中央で合わされてしまった。
ドルトムントに光明があるとすれば、左FWで出場した新鋭ジェイドン・サンチョの仕掛けが何回か機能したことだろう。
後半26分の香川の得点シーンもそうだった。左サイドからゴール前に仕掛け、いったんはディフェンダーに引っかかったものの、再び仕掛け直してクロス。右ポスト前にうまくポジションを取っていた香川は難なく頭で合わせて、同点とした。
「うまくボールが来ただけで。ボールがよかったから」と、香川も後輩のクロスを称えた。ちなみにサンチョは昨年インドでのU-17ワールドカップにもイングランド代表として出場した2000年生まれの17歳。まだプレーに物足りなさはあるものの、そんな若手が台頭してきているのは強豪クラブならではの強みだろう。
「オバ(オーバメヤン)が試合に出ていないので、それを埋めるのはまた時間はかかります。でも、そのためにはやり続けるしかないし、結果で頑張っていくしかない。そうしたら若い選手を含めて自信もつくし、勢いも出てくると思う。ここ2、3試合が踏ん張りどころで、次、勝てるように調整したいです」
ドルトムントで香川に求められるのは、自分自身の結果だけではなく、ベテランらしいチームへの影響力なのかもしれない。求められる分だけ成長できる。そんな今季の後半戦になるだろうか。