<全日本卓球選手権2018・大会6日目・女子シングルス準々決勝・東京体育館>「白目を剥いた」第6ゲームが勝負を分けた前年度優勝の平野美宇(JOCエリートアカデミー/大原学園)が松澤茉里奈(十六銀行)にゲームカウント4−3で勝利し、準決勝進出…
<全日本卓球選手権2018・大会6日目・女子シングルス準々決勝・東京体育館>
「白目を剥いた」第6ゲームが勝負を分けた
前年度優勝の平野美宇(JOCエリートアカデミー/大原学園)が松澤茉里奈(十六銀行)にゲームカウント4−3で勝利し、準決勝進出を決めた。松澤は平成24年度の全日本選手権で3位に入賞している実力者。平野と松澤は全日本で4年連続で対戦しており、いずれも平野が勝利している。
勝負を分けたのは第6ゲーム。平野は、強気で攻める松澤にゲームカウント2−3とリードされ、フォアとミドルを徹底して攻められる苦しい展開に。ここで平野は最後はサイドスピンを入れたレシーブで松澤のミスを誘いこのゲームを11−9で奪取。ゲームカウント3−3に追いついた。最終第7ゲームは前半の大量リードを守りきり、最後は回転量の多いフォアドライブで勝負を決めた。
平野は、試合後の会見でも「第6ゲームで気持ちを入れ替え、白目を剥きながら必死にプレーした。観客の人たちがドン引きするぐらいの表情だったと思う」と振り返った。
平野が見せた2つの強さとは
今大会の平野は苦しみながらも勝利を重ね、更なる成長を見せている。そこには2つの強さが垣間見える。
平野の強さ(1):崩れないメンタル
平野は女子シングルス6回戦でも芝田沙季(ミキハウス)とゲームカウント4−3の接戦を制した。平野は芝田との試合後、明るい表情で「昨年と違って自分の卓球を相手が知らないことはない。研究されている前提で準備を進めてきた」「接戦になって当たり前」とコメント。追われる立場であることを自覚し、苦戦することを前提にしているため競った場面でもメンタルが崩れない。その強さは「(リードされた時に)焦ってドンドン早くならないように気をつけている」という本人のコメントにも現れている。
平野の強さ(2):フォアハンド
平野の一番の武器はクロスに放たれる強烈なバックハンドドライブ。そのため、対戦相手は平野のフォアにボールを集めることが多くなる。平野はフォアを狙われることを想定し「一番強化したのはフォアハンド」「(フォア強化の)成果が全日本で出ている」と語る。準々決勝の松澤戦でも試合の後半から強化したフォアハンドで得点を重ねる場面が見られた。
文・写真:ラリーズ編集部