全日本卓球選手権大会4日目となった18日、スーパーシードの水谷隼が男子シングルス、男子ダブルスに登場し、余裕のプレーを見せた。今年の全日本の主役といえばやはり、自身の持つ一般男子シングルス最多優勝記録(9回)を更新中の水谷隼であろう。今回は…
全日本卓球選手権大会4日目となった18日、スーパーシードの水谷隼が男子シングルス、男子ダブルスに登場し、余裕のプレーを見せた。
今年の全日本の主役といえばやはり、自身の持つ一般男子シングルス最多優勝記録(9回)を更新中の水谷隼であろう。
今回は、そんな水谷隼のこれまでの全日本卓球選手権の結果を振り返ってみる。
平成15年度全日本卓球選手権・水谷隼14歳
水谷隼が最初に活躍した全日本が平成15年度の大会であった。
当時、水谷隼は14歳で、史上最年少となる男子シングルスベスト16入りを果たした。
当時の実力者であった田崎俊雄や渡辺将人に勝利したが、新井周にはまだ及ばなかった。
そして、同ジュニアの部でも強豪高校生たちを次々となぎ倒し優勝。
ドイツに渡り、マリオ・アミズィッチの指導を受け始めたばかりの天才がその才能の片鱗を見せた大会であった。
平成16年度全日本卓球選手権・水谷隼15歳
15歳で迎えた全日本選手権は一般、ジュニアともに前年からワンランクダウンの、ベスト32と準優勝という結果であった。
ジュニアでは先輩の高木和卓に決勝戦で敗れ、一般では木方慎之介の粘りのプレーを打ち抜けなかったことが印象的だった。
平成17年度全日本卓球選手権・水谷隼16歳
高校生になった水谷隼の初めての全日本となった本大会。結果はジュニア優勝、一般ベスト8と躍進した。
自身初となる全日本の準々決勝の舞台では、ベテランの松下浩二と対戦し、ストレートで敗れた。しかしながら、その前の試合で岸川聖也に勝利するなど金星をあげている。
平成18年度全日本卓球選手権・水谷隼17歳
水谷隼が卓球界のレジェンドとなるきっかけになった大会。17歳の水谷隼が、一般男子シングルスで最年少優勝記録を更新して優勝した。
決勝戦の相手は2連覇中の吉田海偉だったが、巧みなサーブで翻弄し、4-1と寄せ付けなかった。
同ダブルス(岸川聖也ペア)、ジュニア男子も優勝しており、3冠を達成。この大会から「水谷の快進撃」が始まる。
平成19年度全日本卓球選手権・水谷隼18歳
この年から一般の部のみへのエントリーとなった水谷隼だが、結果としてはシングルス、ダブルス(岸川聖也ペア)で2冠を達成することとなった。
シングルスの決勝は前年と同カードの吉田海偉。互いに対策を十分に練っており、フルゲームの大接戦となったが、この大会の決勝戦のために新サーブを開発した水谷隼が試合を制した。
これで水谷隼2年連続2度目の優勝となった。
平成20年度全日本卓球選手権・水谷隼19歳
明治大学へと進学し、大学生となった水谷隼の最初の全日本。単複共に3連覇を成し遂げる快挙の年となった。
水谷を筆頭に若手の活躍が目立ち始めたことが印象的な年であり、シングルス決勝戦は松平健太との対戦カードとなった。
青森山田の同門対決ということもあり、手の内を知り尽くした二人の決勝戦は、壮絶なラリーの連続となった。最後は攻めきった水谷隼が勝利した。
平成21年度全日本卓球選手権・水谷隼20歳
二十歳を迎え4連覇を目指した水谷隼の全日本。結果は単複共に4年連続となる2冠を達成するという偉業となった。
シングルスの決勝戦は3度目となった吉田海偉とのカード。前々年の決勝ではフルゲームの大接戦だったが、この大会では終始サーブから有利な展開を作り出し、4-0で圧倒した。
この時の準決勝で張一博に苦しみながら勝利したことが印象的な大会だった。
まとめ
前編では、全日本卓球選手権における水谷隼の20歳までの輝かしい戦績を振り返った。
後編では、21歳以降の水谷隼の戦績を見ていく。
文:中川正博(ラリーズ編集部)