イエリッチの代理人が激白、チーム再建の過程に「イエリッチを含むべきではない」 新オーナーに就任したデレク・ジーター氏らの…

イエリッチの代理人が激白、チーム再建の過程に「イエリッチを含むべきではない」

 新オーナーに就任したデレク・ジーター氏らの元でチーム再建を進めるマーリンズが揺れ続けている。選手の総年俸削減のための主力大量放出が物議を醸す中、チームに対する不信感を募らせていると伝えられていたクリスチャン・イエリッチ外野手の代理人が口を開き、球団との関係は修復不可能だと説明したことを米メディアが報じている。チーム再建のはずが、もはや“崩壊危機”ともいえる状態になりつつあるマーリンズの行方に注目が集まっている。 

 ESPNは「クリスチャン・イエリッチとマイアミ・マーリンズの関係は、修復不可能なほど壊れてしまっている。そして、それはこの外野手とチームにとっての利益を最優先するためのものである、と彼の代理人は伝えた」とレポート。代理人のジョー・ロンゴ氏に取材した内容を伝えている。 

 ジーター氏らが新オーナーに就任したマーリンズは“改革”を進めている。昨季リーグMVPのジャンカルロ・スタントン外野手、4番のマルセル・オズナ外野手、リードオフマンのディー・ゴードン内野手らを次々とトレードで放出。高額選手を放出して総年俸を削減し、代わりに獲得した若手でチームを再建する手法はメジャーでは珍しくないが、あまりにも急激な変化にはチーム内にも動揺が広がった。さらに、経営黒字化が実現した場合にジーター氏に毎年数億円のボーナスが支払われることも明らかになり、さらなる批判も噴出している。 

 今後チームの「顔」になると見られていたJ・T・リアルミュート捕手がトレードを志願していることが明らかになると、イエリッチも首脳陣との面談を希望していると米メディアが報道。さらに、スタントンとのトレードでヤンキースから加入したスターリン・カストロ内野手まで、早くもトレードを望んでいることがわかった。 

チームの再建に理解も「イエリッチを含むべきではない」

 ロンゴ氏は記事の中で「彼ら(マーリンズ)にはプランがある。それを尊重している」と一定の理解を示しつつ、メジャー有数の外野手になりつつあるイエリッチは、チーム再建の過程に巻き込まれるべきではないとの見方を示している。 

「それにイエリッチを含むべきではないんだ。彼は今キャリアの最盛期を迎えていて、年間100敗を喫するチームの一端になる彼を見たくはないよ。選手とチームの関係は修復不可能なほど壊れてしまっている。まずい状況だよ。彼は前オーナー体制の一部だったんだ。新オーナー体制は新しい何かをこのプランに入れて、前進する必要があるんだ。そして彼は、勝つチャンスがある場所でキャリアを進めていく必要がある。彼にとっての(大事な)問題は、今勝つことなんだよ」 

 できれば、マイアミから離れたくないというのがイエリッチ本人の希望だという。ただ、オズナやゴードン、スタントンと特別な友情で結ばれていたこともあり、すでにチームから心は離れつつあるようだ。 

 ロンゴ氏は「彼はマイアミが大好きなんだ。ファンが大好きなんだ。彼は南フロリダでは良い経験しかしてこなかったし、彼らが行きついてしまったところに関しては残念に思っているよ。彼をチームの再建に含もうと試みるのはお互いにとってしっくりくることではないと思う。うまく行くとは思えないね」とも指摘。記事では、ブレーブス、ブルージェイズ、ドジャース、エンゼルス、パドレス、ダイヤモンドバックス、フィリーズなどがイエリッチに関して調査しているとも伝えている。 

イエリッチは放出希望? 「彼は新しいビジネスプランに賛成してはいない」 

 ヤンキースから移籍してくるカストロもカブス時代に再建中のチームでプレーした経験があり、再び大幅な負け越しが見込まれる状況でグラウンドに立ちたくないと考えているという。これが移籍を望む大きな理由だと米メディアは伝えているが、イエリッチも同じ思いのようだ。 

「マーリンズは目先の勝利を得るために作られたチームだったんだ。そしてその一端を担うのが、イエリッチの望むことだ。彼が契約を結んだ時は、勝つことに対して熱を帯びていた。長期的なビジョンを掲げてね。今はまったく変わってしまったよ。そして、彼は新しいビジネスプランに賛成してはいないんだよ」 

「トレードされていった選手たちとはグラウンド外でも良き友だった。彼は、これがビジネスだということを理解しているよ。しかし、トレードされていった選手たちの質を考えると、彼らの去り際を目にすることがとてもショックで悲しかったんだ」 

 ロンゴ氏は取材に対して、こう言葉を並べたという。イエリッチの移籍が決まるようなことがあれば、リアルミュート、カストロらも続く可能性は十分にある。逆に、この2人のトレードが先に決まれば、イエリッチ放出の流れも加速することになるだろう。ジーター氏による改革の結果がどうなるかは数年後にしかわからないが、イエリッチやリアルミュートらを中心に再建を進めるというプランは確実に狂い始めている。(Full-Count編集部)