日本最高峰のラグビートップリーグで16チーム中12位に終わった豊田自動織機にあって、爪痕を残した新人がFLの小原稜生だ。

 身長181センチ、体重95キロのサイズで、ボール争奪局面(ブレイクダウン)でのしぶといプレーぶりを長所とする。相手に鋭いタックルを突き刺したり、向こうの持つ球へ絡みついたり。

 クボタとの第4節(2017年9月9日/東京・秩父宮ラグビー場/●19-27)でデビュー以降、リーグ戦で合計7試合に出場。1月からの順位決定戦でも全2試合で背番号7をつけた。
 
「僕がボールを取り切ることで、チームに流れを呼び寄せられる。タックルとブレイクダウンは、意識してやっています。チャレンジするのは楽しいです」

 京都成章高、立命館大を経てトップリーグの門を叩いた。大型外国人選手がひしめく舞台にあって、「大学でやっていた去年までよりは全員フィジカルも強いですし、判断のレベルも高い」と実感。得意とするブレイクダウンでの競り合いからも、課題を見つけた1年間だったという。

「ボールに絡んだと思ってから、相手が(自分のところへ)入ってきた時。いままでなら耐えられたところ耐えられなかったり、相手がこちらを倒すスキルが高かったりということがありました」

 倒れた選手の持つ楕円球に腕を差し込んだら、膝を地面に付けない状態でそのまま攻守逆転するのがベター。ところがトップリーグではかようなプレーをしても、強力な選手に力ずくで引きはがされたり、身体の使い方が巧みな選手に腕や足を取られたりしてバランスを崩したことがあるようだ。

 改めて、こう感じたという。

「下半身の強化や姿勢の見直しをする必要があると思いました」

 トップリーグには、サントリーのジョージ・スミスやパナソニックのデービッド・ポーコックなど、小原と同タイプのスタイルでワールドクラスに上り詰めた選手がひしめいている。トヨタ自動車のジェイク・ホワイト新監督は、そのような選手を獲得したチームが試合中のペナルティマネジメントを優位に運べるのではとの私見を明かしたこともある。

 勝負の根幹に関わるブレイクダウンを支配できる選手は、どのクラブにも求められる。年代別の代表入り経験のない小原も、その隊列に名乗りを挙げる。順位向上の鍵を握りそうだ。(文:向 風見也)