ノバク・ジョコビッチ(セルビア)は10日、オーストラリアで行われたエキシビジョンマッチの「クーヨン・クラシック」で半年ぶりに実戦に復帰し、その試合でドミニク・ティーム(オーストリア)を6-1、6-4で下した。ジョコビッチにとってこれ以上の幸…

ノバク・ジョコビッチ(セルビア)は10日、オーストラリアで行われたエキシビジョンマッチの「クーヨン・クラシック」で半年ぶりに実戦に復帰し、その試合でドミニク・ティーム(オーストリア)を6-1、6-4で下した。ジョコビッチにとってこれ以上の幸せはなかっただろうし、これ以上見事な復帰もなかっただろうジョコビッチが完全に戦える状態で復帰したことは、早い段階で明らかだった。素早く止まり、機敏に方向を転換し、体を一杯に伸ばして放ったボレーはティームの横をすり抜けてウィナーにした様子も見られたからだ。そしてジョコビッチは振り返ると、満面の笑みを見せた。怪我でキャリア最長の休養を余儀なくされた後でようやく復帰し、コートでプレーできることを明らかに楽しんでいた。故障に見舞われていた肘を保護するために右腕にコンプレッションスリーブを着用したジョコビッチは、来週始まる「全豪オープン」の重要な前哨戦である「クーヨン・クラシック」で、世界ランク5位のティームを圧倒した。試合終了後も終始笑顔のジョコビッチは、今年最初のグランドスラムでプレーする準備を整えられているか、確信を持てていなかったものの、ティームに勝ったことは大きな自信になったと語った。「コートに出て試合をするこの瞬間を、この半年間もちろん待ち続けてきた。それに、今日の相手は世界ランク5位の強敵だったから、自分がどの程度プレーできるか見極めるのに理想的なテストだった」」とジョコビッチは話した。昨年の「ウィンブルドン」準々決勝で敗退して以来、肘の怪我で実戦を離れていたジョコビッチは、当初はアブダビのエキシビション大会である「ムバダラ・ワールド・テニス・チャンピオンシップ」に出場し、続いてカタールの大会でプレーして今シーズンをスタートさせる予定だったが、肘の痛みが長引いたことから両大会を欠場していた。それでもキャリアを通して12度優勝してきたグランドスラムの内、6つのタイトルを獲得した「全豪オープン」には間に合うことを期待してメルボルンへ飛んだ。水曜日には痛みを感じることなくプレーしたものの、まだ「1日ずつ」様子を見ていくと語っている。「過剰な自信を持ちたくない」とジョコビッチはなした上で、「今日の結果は、もちろんものすごくハッピーだけど、100パーセントの状態だとは、まだ言いたくない。大会が始まって、本当に100パーセントと感じた時に初めて言いたい。ひとまず (「全豪オープン」に) 出場するし、これからの5日間すべてが順調に運ぶことを神に祈ろう」長期間試合から遠ざかっていたジョコビッチだが、腕が錆び付いた徴候はほとんど見せず、グラウンドストロークはコーナーを深く突き、体の動きも極めて良好で、精度の高いボレーを放った。また、肘への負担を減らすためのよりコンパクトなサーブのモーションを初披露し、第1セットではティームに対して同一ゲームで3本のエースを奪った。最も大きく変わったのは、コート上でよりリラックスした態度を見せたことだろう。2016年末から2017年半ばにかけて、4大大会で苦戦して世界ランク1位の座から滑り落ちたスランプの期間に見せた態度とは大きく異なっていた。新たな自信を身につけたジョコビッチは、今後はメルボルンパークへ向かい、昨年の「全豪オープン」で半年の怪我による休養からの復帰直後にタイトルを獲得したロジャー・フェデラー(スイス)の驚きの復活劇の再現を目指す。「幸い、僕はここにいる」とジョコビッチは言った。「戻って来られて本当に嬉しいし、最高の思い出があるこの国とこの街でスタートを切れるのは素敵なことだ」(C)AP(テニスデイリー編集部)

※写真は「クーヨン・クラシック」で実戦への復帰を果たしたノバク・ジョコビッチ

(Photo by Daniel Pockett/Getty Images)