20歳にして日本女子のエースの座を不動のものにした大坂なおみ選手。17年には全米オープンで世界ランキング6位のアンジェリック・ケルバー選手を破り、10月には同5位で、幼い頃から目標にしていたビーナス・ウイリアムズ選手を倒す殊勲もありました。…

20歳にして日本女子のエースの座を不動のものにした大坂なおみ選手。17年には全米オープンで世界ランキング6位のアンジェリック・ケルバー選手を破り、10月には同5位で、幼い頃から目標にしていたビーナス・ウイリアムズ選手を倒す殊勲もありました。大きな飛躍が期待される大坂選手に、18シーズンへの抱負を聞きました。

―-最初に、2017年を振り返って、いかがですか?

やり遂げたことがたくさんありました。経験を積むことができたし、学んだこともたくさんあります。それがあったからこそ、来年が楽しみです。次はもっといい年になる、と思える1年でした。

―-自分が成長したなと実感するのはどういうところですか?

成長ということで言うと、練習でも前よりもっとプロらしく行動するようになったし、試合でも自分自身で決断することができるようになったと思います。

--テニスプレーヤーにとって「成長する」とはどういうことだと考えますか?

どんな状況でも動揺したりせず、自分がどうすべきかを知っているということだと思います。

―-1年間、デイビッド・テイラーコーチと一緒に活動して、何を学びましたか?

彼から学んだのは責任ということです。本当の責任について、自分の行動の責任のとり方についてです。

―-この1年は、自分への期待がプレッシャーになったようにも見えました。この点には、どう対処していこうと思っていますか?

私は完璧主義タイプなので、どの試合にも勝ちたいと思っているのですが、自分の中から出てくるプレッシャーやフラストレーションもあって、うまくいかないこともあります。その都度、イライラとの戦い方、その抑え方を学んでいます。

―-大きなステージほど力が出るのが大坂選手の良さだと思いますが、逆にあまりランキングが高くない選手には......。

大きなコートで最高の選手たち、トップ10プレーヤーとプレーするのは好きで、燃えて普段よりいいプレーができます。でも、誰も見ていないような、例えば13番コートとかでプレーするのは楽しくないし(笑)。だから、常に大きなステージでプレーできるように、地道な努力をしなければといけないと思っています。そして、集中することですね。もちろん、みんな素晴らしい選手なのですが、ランキングが低い選手と対戦すると、強い選手のときほど集中しなくなる傾向があるので、まさにそこが改善すべき点です。

―-17年はフェドカップでも活躍しました。

フェドカップでプレーするのは光栄ですし、楽しいですね。基本的にテニス選手は国を背負ってプレーするのは大好きですし、熱くなりますね。

―-新しいシーズンが始まりますが、最初のグランドスラムである全豪オープンでの目標を聞かせてください。

この1年で学んだことでもあるのですが、結果を意識するよりは、1試合1試合に集中することが大事だと思っています。

―-新しいシーズンに、何か達成したいと思っていることはありますか。

もちろん、どの大会でも勝ちたいですし、目標はトーナメントに勝つことですが、結果は気にするつもりはありません。勝つにふさわしい選手であれば結果はついてくると思うので。テニスはゲームですから、自分にストレスをかけるのではなく、楽しくやりたいですし。1試合1試合、全力で取り組めば楽しくテニスができると思います。選手として、ある程度、自分の強さを証明してきてはいるので、それをこれからも続け、楽しくテニスをやっていきたいと思います。

―-17年はランキング60位台で終えましたが、将来的には?

1年前はトップ20が目標と言っていましたが、実現しませんでしたね(苦笑)。もし数字を言うなら、まずはトップ50を目指します。もうすぐ近くに来ているので。ランキングが上っていくのはもちろん望ましいことですが、そこはメインの目標ではなく、トーナメントでできるだけ勝ち上がっていくことを目指しています。

―-日本語を勉強しているようですが、18年はもう少し大坂選手の日本語を聞く機会が増えそうですか? 

日本語はかなり理解できるようになったと思います。1年前は頑張ってできるだけ話そうと思っていたのですが、こういうインタビューでは、一文一文、考えて話していると時間ももったいないような気がして、今は主に英語で話しています。でも、これからは家ではなるべく日本語を話すようにして、もう少し話すようにしたいですね。

      

 目の前の一戦に集中し、自分のやるべきことをやっていく--大坂選手が常に掲げる目標です。力強いプレーは折り紙付きで、メンタル面、戦術面での成長も明らかです。全豪にも「一戦一戦」という心構えで臨むはず。その先に、グランドスラム自己最高のベスト16、さらにそれ以上の結果が見えてくるでしょう。1月15日(月)から開幕する全豪オープンはWOWOWで連日生中継で放送。