完勝で笑った。接戦を制して涙を浮かべた。
 宗像サニックスとコカ・コーラが久々の勝利に相好を崩した。
 1月6日にパロマ瑞穂ラグビー場でおこなわれたトップリーグ総合順位決定トーナメント13位~16位 第1節。宗像サニックスは近鉄に29-8と快勝し、コカ・コーラはNTTドコモ相手にラストプレーで勝ち越す(19-14)。ともに今季の14位以上を確定させ、自動降格することはなくなった。

 2017-2018シーズンの開幕戦(8月20日)でコカ・コーラに38-22と勝って以来、139日ぶりの勝利を手にした宗像サニックスは、この日、ほぼ完璧なゲーム運びを見せた。
 前半はお互いにPGを1つずつ決めて3-3という展開も、要所で好ディフェンスを見せていた宗像サニックスは徐々にペースをつかんでいった。
 勝者は後半に入って、ジリジリと引き離した。2つのPGで9-6とリードを広げた後の17分、ブレイクダウンでのターンオーバーからFL下山翔平が大きくゲイン。その後、CTBアンドレ・エスターハイゼンがインゴールに運ぶ(コンバージョンも決まり16-3)。22分にPG(SO田代宙士)で加点した後の25分には、自陣で相手がこぼしたボールを拾ったWTBアンドリュー・エブリンハムが約80メートルを走り切る。危なげない勝利だった。

 試合後の藤井雄一郎監督は、インジャリータイムに逆転負けを喫した前節の試合(15-17/vs豊田自動織機)について「悔しい負け方で落ち込んだ」と話したが、そんな状態から「立て直し、1点差でもいいから我慢して勝とうと話していた」と笑顔を見せた。
「全員でいろんなことを経験した2017年を活かして、新年に切り替えました。きょうは新しいサニックスを体現できた」
 近鉄のHO樫本敦主将は「ペナルティとモールパイルアップが何回あったか数え切れない」と攻撃を継続できなかったことを悔やみ、「そこを直さないと(次も)同じ結果になる」と、負けたら自動降格の次節へ気持ちを引き締めた。

 コカ・コーラは2016-2017シーズンの1月7日に豊田自動織機戦(33-12)に勝って以来、364日ぶりのトップリーグでの勝利を劇的な内容で手にした。2017-2018シーズンのレギュラーシーズンは全敗に終わったが、プレーオフに入って初勝利をつかんだ。
「自分たちの試合と思えるときはロースコアのゲームのとき」とNO8山下昂大主将が言う同チーム。この日はNTTドコモに何度も攻め立てられながらも、最終ラインだけは粘って守り続けた。

 開始6分、SH江頭翔太のキックからFLソロモン・キングが先制トライを挙げたコカ・コーラ。前半はNTTドコモに2PGしか許さず、7-6でハーフタイムを迎えた。
 後半に入り、SOリアン・フィルヨーン(ゲームキャプテン)のPG(19分)とFL土屋鷹一郎のトライで一時はNTTドコモに7-14と逆転されるも、23分にはCTB石垣航平のトライ、SOラファエレ ティモシーのコンバージョンで同点に。そして、ラストシーンを迎えた。
 WTB八文字雅和が自陣でのインターセプトから走り、敵陣深くまで攻め込んだ後だった。ラインアウト後のブレイクダウンから30フェーズを小刻みに重ね、30メートル以上前進。敵陣ゴール前でスクラムを得た。
 そこからの攻撃でインゴールへ飛び込んだのが、直前にピッチに入ったSH田辺雅文だった。
「本当は右にハチキューで攻めようと思っていたのですが、スクラムからボールが出てしまったので左に攻めました。自分の前があいたので走った」
 19-14。直後にフルタイムのホイッスルが鳴った。

 目に光るものも見えた山下主将は「(リーグ戦で)1勝もできずネガティブな状況でしたが、やることは変わりませんでした。1点でも上回ればいい。テリトリーをとり、ラックで継続していこう、と。シンプルに戦えた」と80分を振り返った。
 NTTドコモのダヴィー・セロン ヘッドコーチは、レギュラーシーズンに6勝、勝ち点26を挙げている状況(レッドカンファレンス7位/コカ・コーラは全敗、勝ち点3でホワイトカンファレンス8位)を踏まえ、「ドコモはこの立場にいるべきチームではないと言う人もいる」と口にしたが、「本当にそうであるなら、もっといい試合ができたはずだ。コーラはハングリーだった。あちらはラッキーな面もあったが、ドコモにもチャンスはあった。しかし慌てて、それをフィニッシュできなかった」。
 負ければ下部リーグに陥落してしまう次節の近鉄との決戦(1月13日/ヤンマースタジアム長居 11:30~)に向けては、「きょうは縮こまっている感じも受けた。チームはシーズンを通して成長を遂げているのだから、いつもと同じトレーニングと準備をする」と話した。