ゴールにたどり着いたのだから、混じり気のない笑顔があふれていた。 今回が68回目だった伝統ある全国地区対抗大学大会の決勝が1月6日にパロマ瑞穗ラグビー場でおこなわれ、名古屋学院大学(東海・北陸代表)が初優勝した。札幌大学から7トライを奪い…

 ゴールにたどり着いたのだから、混じり気のない笑顔があふれていた。
 今回が68回目だった伝統ある全国地区対抗大学大会の決勝が1月6日にパロマ瑞穗ラグビー場でおこなわれ、名古屋学院大学(東海・北陸代表)が初優勝した。札幌大学から7トライを奪い、43-30と快勝した。

 2017年度のシーズンを東海学生A2リーグで戦った同大学。全国大学選手権への道はないため、全国地区対抗大学大会での優勝が、狙える中での最上位の勲章とターゲットに定めて活動を続けてきた。
 A2リーグで2位になるも、A1リーグの5位、6位(中部大学、愛知学院大学)、A2リーグの1位(日本福祉大学)と戦う全国地区対抗大会出場決定トーナメントを勝ち抜き、東海北陸代表決定戦でも金沢大学を撃破。全国大会でも新潟大学、環太平洋大学を破って頂上決戦に駒を進め、この日の勝利で初の栄冠に届いた。

 試合は前半10分にFL八尾竜成がトライを挙げて先制するも、個人技のレベルが高い札幌大のNO8佐藤弘樹ゲームキャプテンやFB鯉渕慎太郎に走られるシーンも何度かあり、前半を21-20という僅差で終える展開となった。
 しかし、勝者は後半に入って集中力を見せる。後半5分、8分にトライを重ねて10点差をつけると、1トライを返されても2トライを追加する逞しさ。八百主将は、「途中で揺らいだところがあったが、最後は自分たちがやってきたことを貫くことができたから勝てた」と言った。
 試合終盤になっても、相手より先に動き、機先を制する気持ちを必死に押し出した。早坂一成監督は「相手の個の高いポテンシャルに苦しんだが、チーム力で勝った」と教え子たちを愛でた。

 敗れたが、札幌大も立派に戦った。
 袋井隆史監督は「30人に満たない部員数ですが、本当によく戦ってくれた」と最後まで心が折れなかった部員たちの奮闘を称えた。チームの先頭に立ったNO8佐藤は、「監督にコーチに恩返しできなかったのは悔しいが、怪我でチームを離れた主将の工藤(公史)のためにも、全員で一生懸命戦い抜いた」と、堂々とした態度で仲間たちを誇っていた。