代走のスペシャリスト鈴木尚広 試合前のストレッチ プロ野球の読売ジャイアンツで活躍、代走での通算盗塁数日本記録を保持し「代走のスペシャリスト」と称された鈴木尚広氏。現役時代は故障が多かったこともあり、ストレッチを重要視していくよう…

代走のスペシャリスト鈴木尚広 試合前のストレッチ


プロ野球の読売ジャイアンツで活躍、代走での通算盗塁数日本記録を保持し「代走のスペシャリスト」と称された鈴木尚広氏。現役時代は故障が多かったこともあり、ストレッチを重要視していくようになった。
その中には、つねに緊張した場面で登場する、自身の心と体をコントロールする目的もあったという。現代社会を生きる我々も、日々ストレスにさらされている。そこで、鈴木流ストレッチ論をあらためてお伝えしたい。

ストレッチで緊張を緩める

私はつねに緊張した場面、1点を取る終盤の重要な場面に出場することがチームでの役割でした。ですから、まわりの雰囲気やファンの声援などで、すごく緊張するんです。
しかし、そこで緊張しすぎてもいけないし、気持ちが緩みっぱなしでもいけない。適度な緊張をしなければいけないんです。だから、緊張状態の心と体を、いかに自分でコントロールしていくかをいつも考えていました。


そこで、試合前はストレッチなどで、体を緩ませることに多くの時間を割いていたんです。試合に入れば当然緊張度は増しますので、練習から緊張するのではなく、緩めた状態をつくりながら、緊張を徐々に高めていく作業をしていました。

ストレッチには1時間くらいかけていましたね。体を緩めるのがストレッチですから、ストレッチをしているときに緊張する人はまずいないと思います。誰かと話をしながらストレッチを行うことで、体はすごく緩んできます。

私はストレッチが動作だけでなく、緊張を緩めるという面でも重要だと思っているんです。緩めすぎてもいけないのですが、試合前から緊張をつくる必要もありません。そういった意味でも、ストレッチに時間を割いていたという感じです。

ストレッチでは呼吸が大事


ストレッチで大事なのは「呼吸」です。ゆっくり息を吐きながら筋肉を伸ばしていきます。
呼吸を止めたままでは、体の緊張状態を緩めることはできません。極論すれば、ストレッチの動作自体よりも、呼吸がもっとも大切だと思います。
呼吸によって、心と体をつなげていくという感覚です。

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〔文/構成:ココカラネクスト編集部 〕

鈴木尚広 (すずき・たかひろ)

1978年4月27日生まれ、福島県相馬市出身。
5歳ころから野球を始め、相馬高校時代に甲子園出場はなかったものの、1996年のドラフトで読売ジャイアンツから4位指名で入団。「代走のスペシャリスト」と呼ばれた。
2016年引退。通算228盗塁は球団史上歴代3位 。
代走での盗塁132は日本記録。現在はテレビ解説者などを務める。

公式サイト https://suzukitakahiro.com/