ラグビー激戦区・大阪の代表である前年度準優勝チームの東海大仰星は、元日におこなわれた第97回全国高校ラグビー大会の3回戦で東北王者の秋田工業と対戦し、27-27で引き分けたが、トライ数により準々決勝進出となった。 前半2分、秋田工のパスが…

 ラグビー激戦区・大阪の代表である前年度準優勝チームの東海大仰星は、元日におこなわれた第97回全国高校ラグビー大会の3回戦で東北王者の秋田工業と対戦し、27-27で引き分けたが、トライ数により準々決勝進出となった。

 前半2分、秋田工のパスが乱れて攻めに転じた東海大仰星は、左にすばやく展開してWTB坂田龍之介が振り切り先制した。
 秋田工は21分にキャプテンのCTB児玉樹が2本目のPGを決めて逆転したが、東海大仰星はリスタートのキックオフボールを確保すると右外のWTB河瀬諒介が大きくゲインしてゴールに迫り、テンポのいい連続攻撃からSO三村真優がゴールラインを割って再び先行した。28分には自陣深くからボールを動かし、WTB河瀬が鋭いステップとスピードで80メートルランのトライを奪い、17-6で折り返した。
 優勝最多15回、67回目の出場となった古豪・秋田工は、後半4分、敵陣10メートルライン付近でのモールから持ち出したSH柴田凌光がダミーで防御網を切り裂き、ゴールへ駆け抜けトライ。4点差に詰めた。その後、東海大仰星のCTB和田悠一郎がゴールに持ち込み点差を広げられた秋田工だったが、13分、伝統の強力モールで押し込み、相手の反則によりペナルティトライを獲得、その差は2点に縮まり、東海大仰星にはイエローカードが出た。
 数的有利の秋田工は21分、またもドライビングモールで前進してSH柴田が逆転のグラウンディング、22-27となり、4年ぶりのベスト8へ応援席も沸いた。
 しかし、東海大仰星はCTB和田のビッグゲインで勢いを取り戻し、27分、敵陣深くで相手の反則によりチャンスを得ると速攻、右にボールを動かしFL前田知暉が同点トライを決めた。
 秋田工はインジャリータイムに敵陣深くで、相手のロストボールによりチャンスとなり、WTB下山輝が左を襲ってゴールラインを割ったが、必死に絡んだ仰星WTB河瀬がグラウンディングを許さずノートライ。相手に反則があって秋田工はゴール前でアタック再開となったものの、仰星が懸命のディフェンスで守り切り、同点のままノーサイド。トライ数(仰星:5、秋田工:3)により、東海大仰星が準々決勝進出となった。

 同じくBシード校同士の対戦となった佐賀工業(佐賀)×國學院久我山(東京第2)の3回戦は、29-15で勝った久我山が3大会ぶりのベスト8入りを決めた。國學院久我山は全国高校ラグビー大会で通算90勝目(歴代4位)。
 序盤をリードしたのは佐賀工だった。SO仲西海人のPGで先制すると、10分には自陣でのターンオーバーからFB松本純弥が大きくゲインし、WTB坂井星太とのパス交換から背番号15がゴールに持ち込み加点した。
 しかしリスタート直後、今度は國學院久我山のFWがプレッシャーをかけてボールを奪い返し、ワイド攻撃でSO中楠一期がトライ。20分にはキックチャージからCTB阿部直孝がインゴールに押さえ、逆転した。25分にはラインアウトからモールで押し込み、19-10で前半を終えた。
 國學院久我山は後半6分にWTB槇瑛人が左サイドでタックラーを振り切ってゴールに運び、リードを拡大。
 その後、佐賀工のCTB小柳琢登にインターセプトからの独走を許し5点を返された國學院久我山だったが、9点差のまま迎えた終盤、ゴール前のスクラムからショートサイドを攻めて最後はNO8大石康太がインゴールに押さえ、佐賀工を退けた。