少年は大志を抱いていた。
 12月29日~31日まで神戸ユニバー記念競技場・補助競技場で開催されていた全国ジュニア大会(中学)、第2ブロックに参加していた北海道中学校代表のメンバー、小城大和(こじょう・やまと)は、31日におこなわれた同ブロックの7-8位決定戦で千葉県スクール代表と戦った。

 17-36で敗れてしまったこの試合で、小城は後半に2トライを挙げた。特に後半15分に奪ったものは、持ち味であるスピードで決めた。
 スクラムからだった。左へボールを持ち出したSHは、横に膨らんで走った後、ランニングコースをタテにとる。防御ラインを突破すると、インゴールまでいっきに駆けた。

 166センチ、62キロ。札幌にある北嶺中学の3年生だ。進学校である同中学校には医師になる夢を実現するため、受験を経て入学した(北嶺高校と中高一貫校)。
「昔から医者になりたいと思っていました。人のために尽くせる仕事に就きたいな、と」
 筑波大学の医学部(医学群)に進学したい。北嶺高校ラグビー部には3年生の最後まで部活を続ける伝統はないから、小城も高校ラグビーは2年生までになると思っている。しかし、「(それは)医学部に進学するためでもあるので」と、先を見る。
 大学ラグビーで思い切りプレーし、日本代表への思いもある。
 自チームではSOでプレーしていることもあり、憧れはオールブラックスのボーデン・バレット。自分と同じように、スピード豊かな司令塔だからだ。

 北嶺中・高ラグビー部の監督で、北海道中学校代表の団長を務めた下㹦(しもはざ)次郎先生は、小城のことを「まじめ。しっかりしている」と話す。高い志を持つ教え子をあたたかく見守る。
 同校はラグビーと柔道を校技としており、体育の授業で全員が楕円球に触れ、年に一度はクラス対抗戦(校技大会)もおこなわれる。ラグビー部は中高あわせて約60人の部員がおり、中学生と高校生が同じ時間、同じ場所で練習するのが特徴。小城も高校生のプレーを常に身近に感じることで、一歩先の感覚を自分のものにしてきた。

 小3のときから中学に入学するまで柔道を続けていた小城は、ラグビー部に入った中1の夏のことを「僕にとって、本当に『熱い夏』になりました」と振り返る。
「本気で熱くなれるスポーツを探していて、出会ったのがあのときでした」
 好きだから熱中できるし、日常の積み重ねも楽しい、長く続けたい。
 続けるからには上を目指したいから、将来設計も明確になる。
 大志を抱くことは人生を豊かにする。
 15歳の少年が、それを証明していくことを楽しみに待ちたい。