19日、ロジャー・フェデラー(スイス)が全仏オープンの欠場を発表した。その結果、2000年全豪オープンより続いた、グ…
19日、ロジャー・フェデラー(スイス)が全仏オープンの欠場を発表した。その結果、2000年全豪オープンより続いた、グランドスラム大会連続出場記録は「65」で終止符が打たれることになった。
これまで、グランドスラム大会で17度優勝したフェデラーだが、今年は膝の手術を受け、4月のモンテカルロ・オープンで復帰。しかし、ここ数週間は、今度は背中の故障に対処しなければならなくなり、出場予定の大会を見合わせるなど、調整を強いられていた。
「残念だが、今年の全仏オープンではプレーしないという決断を下したことを、お伝えしなければならない」と34歳のフェデラーは、自分のウェブサイト(フェイスブック)上で発表した。
「全体的なフィットネスのレベルに関しては、段階を追ってよくなりつつあったが、僕はまだ100%の状態ではない。しっかりと体の準備ができる前に、この大会でプレーすれば、不必要なリスクをおかすことになるかもしれない、と感じている」
今週をすでにパリで過ごしていたフェデラーは、レッドクレーの上で練習し、背中の状態を試すことに時間を費やしていた。先週、彼はイタリアン・オープンに出場し、3回戦でドミニク・ティームに敗れている。その前の週には、背中の痛みを理由に、マドリッド・オープンからの棄権を余儀なくされていた。
これ以前にフェデラーが出場しなかったグランドスラム大会は、予選2回戦で敗退した1999年全米オープン以来となる。
「パリにいる僕のファンに対し、申し訳なく思う。でも僕は、2017年にロラン・ギャロスに戻ってくることを、心から楽しみにしている」とフェデラーは言う。昨年の全仏オープンの彼は準々決勝で、最終的に優勝者となったスタン・ワウリンカ(スイス)に敗れていた。
キャリアの通算タイトル数「88」を誇る、世界3位のフェデラーは、2009年に彼にとって唯一の全仏オープンのタイトルを獲得し、キャリアのグランドスラム・コレクション(全豪、全仏、ウィンブルドン、全米)を完成させた。
左膝の軟骨損傷のため、2月に関節鏡手術を受けたあと、2ヵ月あまりの活動停止期間を経て復帰したフェデラーは、モンテカルロ・オープンで準々決勝に進出。そこでジョーウィルフリード・ツォンガ(フランス)に敗れたものの、調子がよさそうに見えていた。しかし、今回の心配の種はむしろ背中のほうだったのだ。
「簡単な決断ではなかったが、間違いなくシーズンの残りでプレーできるようにするため、また僕の残されたキャリアを延ばすことを助けるためにも、この決断を下した」とフェデラーは言う。
「僕は変わらず意欲を感じており、これまでになく、わくわくしている。僕のプランは、来たるグラスコート・シーズンのため、ATPツアーの大会に戻る前に、最高のフィットネス・レベルに戻ることだ」
全仏オープンをスキップすることで、フェデラーは休養をとり、回復を図り、彼が最多タイ記録である7度の優勝を遂げたグラスコートのメジャー大会、ウィンブルドンと、夏季オリンピックに向けて準備するための時間を、より多く手にすることができる。
フェデラーの欠場により、9度にわたって全仏オープンを制したラファエル・ナダル(スペイン)が、第5シードから第4シードに繰り上がることになった。これはつまり、ナダルが、首位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)と準々決勝で対戦するような事態を避けられるということを意味する。
ドロー抽選は金曜日に行われ、本戦の試合は日曜日にスタートする予定だ。
フェデラーのグランドスラム大会連続出場の記録が終わってしまったため、現在進行中の連続出場記録は、フェリシアーノ・ロペス(スペイン)の持つ「56」となった。(C)AP(テニスマガジン)