創部39年目で花園初出場を果たした埼玉の昌平高校が、12月28日、第97回全国高校ラグビー大会の1回戦に臨み、滋賀県立八幡工業高校に26-22で競り勝ち新たな歴史をつくった。
 先制したのは7年ぶり出場の八幡工だった。6分、FL岡本流星が敵陣深くでキックチャージし、自らインゴールで押さえた。勢いづいた八幡工にその後も攻め込まれた昌平だが、耐え、逆に16分、ハイパントのボール確保からチャンスとなり、FL加藤舜也が軽快なフットワークでゴールに持ち込み、流れを変えた。
 その後、PGで逆転された昌平だったが、27分、FL加藤のビッグゲインでチャンスとなり、スピーディーな連続攻撃をCTB岡部奨起がパワーも活かしてフィニッシュ。14-8で折り返した。
 6点リードで前半を終えた昌平は、八幡工の粘り強いディフェンスにしばらく苦労していたが、後半8分、ラックでこぼれたボールを拾ったNO8ウェストブルック・ティムがゴールに持ち込み、追加点を挙げた。17分には敵陣22メートルライン内中央のスクラムからの攻撃で、SOに移動していた杉山樹が右に走り込んでディフェンダーをひきつけオフロードでWTB鳥居健悟につなぎ、トライ。
 18点差を追いかける八幡工は19分、スクラムからのチーム戦術が決まってWTB河合風詩がゴールへ駆け抜け、25分にはSO大林優生もトライゲッターとなって(ゴールキックは2本とも成功)4点差に詰めたが、昌平がリードを守り切り、熱闘はノーサイドとなった。
 昌平は30日におこなわれる2回戦で、連覇を狙う昨年度王者の東福岡(福岡)にチャレンジする。

 昨年度、39年ぶりの花園で2勝し、2年連続の出場となった今回も志高く挑んだ松山聖陵(愛媛)は、全国制覇したことがある関東の名門・茗溪学園(茨城)と1回戦でぶつかり、14-27で惜敗した。
 開始早々のPGチャンスはポストに嫌われた松山聖陵だったが、敵陣で攻め続け、前半8分、PR橋本龍河がゴール前のピックアップからライン上に押さえ先制した。
 しかし茗溪学園は27分、高校日本代表候補の2人が魅せる。敵陣22メートルライン付近からSO堀尾健太が絶妙のキックでインゴールに転がしたボールをWTB加藤樹大が押さえ、5点を返した。ハーフタイム前にはバックス展開からセブンズユース日本代表のFB植村陽彦が抜け、逆転した。
 3点リードで折り返した茗溪学園は後半3分、敵陣深くのキックチャージからチャンスとなり、たたみかけてPR牧大貴がトライ。
 茗溪学園の堅守に苦労していた松山聖陵は23分、ピック&ゴーの連続でWTB篠崎蓮斗がインゴールに押さえ、キック成功で3点差に詰めた。が、茗溪学園はリスタート後まもなく敵陣深くに入り、26分、スクラムからの攻撃で走り込んできたCTB大芦征矢が抜け、貴重な追加点を獲得。茗溪学園は30分にPGで突き放し、2回戦でBシードの日本航空石川(石川)に挑戦する権利を得た。

 中国大会準優勝の尾道(広島)は7年ぶり出場の岐阜工業(岐阜)を57-0と圧倒した。
 尾道は開始1分も経たぬ間に、U17日本代表でもあるNO8高武俊輔がハーフウェイから抜けて50メートル走6秒フラットのスピードを披露し、先制した。5分には、岐阜工が裏にキックされたボールの処理を慌て、チェイスしていた尾道のCTB倉岡治輝がトライ。25分にはゴール前でFWが近場を攻めてLO沖佑樹がフィニッシュし、27分には自陣深くから一気にハーフウェイまで攻め上がると、バックス展開でWTB宮田寛太が抜けて走り切った。
 尾道は24-0で迎えた後半の4分と12分、モールを使ってリードを広げ、その後も着実に加点、最後は高校日本代表候補のFB奥平湧がチーム9本目のトライで締めくくった。
 敗れた岐阜工だが、低く突き刺さるタックルを繰り返し、力強いランと激しいコンタクトで果敢に攻め、SO戸野部謙のロングキックなども光った。
 勝った尾道は2回戦で若狭東(福井)と対戦する。