写真左(前列・後列)からトヨタの大籔ディレクターと姫野主将、パナソニックの相馬HCと布巻主将、サントリーの沢木監督と流主将、ヤマハの清宮監督と堀江主将(撮影:松本かおり)

 それぞれの指導者、キャプテンが個性を出した。
 ジャブ。思い切ったストレート。まじめさ。
 言葉の前哨戦だった。
 トップリーグ総合順位決定トーナメント(1位~4位)を兼ねる2017-2018年シーズンの第55回日本選手権。日本最高峰リーグの王者を決める戦いに出場するサントリー、パナソニック、トヨタ自動車、ヤマハ発動機の監督、キャプテンが顔を揃えた記者会見が、12月25日に都内のホテルで開かれた。

 1月6日に大阪・ヤンマースタジアムでおこなわれる準決勝は、第1試合がトヨタ自動車(レッドカンファレンス2位)×パナソニック(ホワイトカンファレンス1位)、第2試合がサントリー(レッドカンファレンス1位)×ヤマハ発動機(ホワイトカンファレンス2位)。記者会見では、それぞれがリーグ戦での対戦を踏まえ、セミファイナルへの思いを口にした。

 リーグ戦では、43-16のスコアでパナソニックが勝利した準決勝第1試合のカード。再戦に向けて、トヨタ自動車の姫野和樹主将は「チャレンジャーなので泥臭く戦いたい。必ずチャンスはあると思う」と前向きな気持ちを言葉に込めた。
 所用で欠席のジェイク・ホワイト監督の代理で出席したチームディレクターの大籔正光氏は、「(リーグ戦では日本選手権に出場する)すべてのチームに負けているが、どこと戦っても成長した姿を見せたい」と話した。新任の世界的指導者を得て、試合を重ねるごとに結束を高めたチームは、シーズン最後まで進化し続けるつもりだ。

 そのトヨタを迎え撃つパナソニックは、平常心で決戦に臨むことを強調した。
「メリークリスマス。ロビー(ディーンズ監督)はクリスマス休暇できょうは休みです」(本当は所用で欠席)とジョークで話を切り出した相馬朋和ヘットコーチは、「リーグ戦の13試合同様、目の前の相手に全力で向かうだけ」と言った。
 自身のコンディションも高まりつつあるFL布巻峻介主将も淡々と言った。
「目の前の相手に向かって行くだけ。それを楽しめるようにチャレンジしていく」
 同主将は成長株にベン・ガンターの名を挙げ、20歳のNO8が同選手権で活躍すると予想した。

 準決勝第2試合は、リーグ戦時はラストプレーの逆転劇で決着がついた顔合わせだ。そのゲームで27-24と競り勝ったサントリーの沢木敬介監督は、「リーグ戦では内容的に負けていた試合。サントリーのスタイル、サントリーのラグビーをやって文句ない内容で勝ちたい」と言った。
 それに対し、「強烈な言葉をいただいた」と笑顔まじりで返したヤマハ発動機の清宮克幸監督は、「ここ数年のヤマハは、いろんなことができるチームになった。それが裏目に出て今シーズンは4敗しました」と話してから、戦いへのプランを話した。
「怪我人が多くてベストメンバーは組めませんが、だからこそ、しぼり切った戦術でヤマハらしいラグビーをやりたい。熱い一日にしたいですね」
 沢木監督と清宮監督はサントリーでの現役時代、ともにプレーしたことがある。沢木監督が現役を引退したとき、指導者へと誘ったのは、当時の同チームで指揮を執っていた清宮監督だ。そんな縁のあるふたりの掛け合いには、独特の距離感があった。いい戦いになりそうだ。

 サントリーのSH流大主将は、「リーグ戦は(勝ちはしたものの)負け試合でした。準決勝ではやってきたことを出したい。快勝することはないと思うので、接戦をものにしてファイナルへ進出したい」とヤマハ戦への覚悟を口にした。対するNO8堀江恭佑主将は、「前回(リーグ戦時)の敗戦から何を学び、どこが成長したか見せたい」。
 互いに土台のしっかりしたチーム。実力差はほとんどないだろう。それだけに、最後に勝負を分けるのは気持ちか。魂のぶつかり合いが楽しみだ。