日野自動車に、元日本代表の佐々木隆道が帰ってきた。

 国内最高峰トップリーグで優勝経験のあるサントリーから移籍2年目の34歳は、10月下旬から約1か月強の離脱を経て、そのスキルで仲間を引っ張る。

 赤いジャージィの日野自動車は、トップリーグを目指すトップチャレンジリーグに加盟中だ。9~11月のファーストステージで4強入り。佐々木が復帰した12月のセカンドステージでは、1位チームがトップリーグ自動昇格できるAグループへ参戦している。三菱重工相模原、九州電力を順に制してきた。

 12月17日の九州電力戦(神奈川・ニッパツ三ツ沢球技場)では、前半を12-14とリードされた。最後は29-14で勝利も、佐々木は「風が強かったので前半はしんどい試合になるとわかっていた。後半はもっと取れると予測していたのですが、こっちのミスが重なった」と述懐する。

 もっとも、時間を重ねるなかで選手間の息が合ってきたことを踏まえ「連動しているか。仲間を1人にしていないかどうか…。そういうつながりが、後半はよかったと思います」。24日には長崎・かきまどり陸上競技場で、トップリーグ在籍歴のあるホンダと全勝対決をおこなう。

 ホンダは佐々木の出ていないファーストステージの対戦時、22-54で敗れた相手だ。

 さらにトップチャレンジリーグのセカンドステージで2~4位に回っても、トップリーグ下位チームとの入替戦で昇格を狙える。とはいえ佐々木の目標は、自動昇格の一点のみだ。必要なものを問われたシニアプレーヤーは、こう即答する。

「チームがやっていることを、ぶれずにやり切れるか、です。どんな状況でもつながりを意識させるようなリードをしていきたいです」

 復帰後の佐々木は、持ち場のオープンサイドFLとして持ち味を発揮。倒れたランナーの持つボールに腕を絡めるジャッカルというプレーを連発し、相手からラックで球を手放せないノット・リリース・ザ・ボールの反則を誘う。

「怪我をしている間も、ブレイクダウン(ラックなどの接点)のスキル練習はしてきていたので」

 きれいな形でジャッカルを決めても、その場の判定が相手のノット・リリース・ザ・ボールにつながらない場面も散見される。仲間の後輩は「(レフリーには相手の反則を)もっと取って欲しい」と首をかしげるが、当の本人は「そんな日もある」と動じない。

 むしろ望んだ結果が得られない場面からも、ある種の手ごたえを掴めたようだ。

「(相手の反則を)取ったと思ったところで(レフリーから)『ハンズオフ(手を離すように)』の声…。それがちゃんと聞こえているということは、自分のなかで余裕を持てているということ」

 大型外国人を揃えるホンダに対し、「大きな選手が多い分、(ランナーとサポートの間に隙間ができてジャッカルの)チャンスも増える。1対1ではなく、チームでやり切る」。引き続き地上戦で競り、向こうの反則と同時に白星をもぎ取る。(文:向 風見也)