2017年の最終戦となったドイツ杯3回戦バイエルン・ミュンヘン対ドルトムント。ペーター・シュテーガーの監督就任から…

 2017年の最終戦となったドイツ杯3回戦バイエルン・ミュンヘン対ドルトムント。ペーター・シュテーガーの監督就任から3試合目となるこの試合で、ドルトムントは2-1と初黒星を喫した。よほどショックだったのか、ほとんどの選手がメディアには何も喋らない中で、スペインメディアにマルク・バルトラが、日本メディアには香川真司が対応した。



年内最後のドイツ杯バイエルン戦にフル出場、アシストを決めた香川真司

 ドルトムントにとってはエースのオーバメヤンを負傷で欠く苦しい戦いだった。システムをこれまでの4バックから5バックに変更したが、3分にアルトゥーロ・ビダルのヘディングシュートがバーを叩いたのを皮切りに、一方的にバイエルンに攻め込まれ、2点を奪われた前半途中でメンバーとシステムの変更を行なわざるを得なかったほどだ。

「(前半で)3点目を取られれば終わりだと思っていたので、本当にぎりぎりの戦いでうまく運も味方につけながら粘っていた。チャンスもあったので悔しいですね」

 フル出場した香川真司は試合をこう振り返った。

 一方、シュテーガー監督は「後半の戦いには満足をしている。とはいえ前半のような戦いをしていたら、ブンデスリーガでもドイツ杯でもバイエルンには勝てない」と、冷静に話した。

 5バックでブロックを敷き、カウンターを狙う戦術は、逆にオーバメヤン不在を強く感じさせるものだった。特に序盤は後手に回った感が否めなかったが、最近まで2カ月間、勝利がなかったチームが、今季前半戦のうちにバイエルンとほぼ互角に戦えるまでに戻ってきたと考えることもできそうだ。

 香川自身は、シュテーガー監督就任以降の3試合すべてにフル出場している。そして就任直前のブレーメン戦から合わせて4試合は、全ての得点にからむ活躍ぶりだ。チームと個人の復調の軌道が重なるだけに、気分はよさそうだ。

「監督が代わって非常にいい方向に向いていると思います。監督からの信頼を個人的に感じるから余計に、後半戦はチームが勝つためにもっと重要な役割を担いたい。今は勝つことによる自信、まとまりをみんながすごく感じているので、しっかりとウィンターブレイク明けに後半戦のいいスタートを切れるようにやるだけだと思います」

 なかでも77分、アンドリー・ヤルモレンコの得点をアシストした場面は、香川の調子のよさが垣間見られた。攻め上がったマルセル・シュメルツァーからペナルティエリアの左角付近でマイナスのパスを受けた香川は、右足でクロスを上げるそぶりを見せると、ヨシュア・キミッヒとハビ・マルティネスをフェイントでかわし、左足でファーサイドにクロスを送る。そのボールに合わせたヤルモレンコのヘディングシュートはニアサイドに突き刺さった。

「相手が食いついたんで、ファーが空くのは見えていた」と言う香川。迷いのないフェイントと、そこからの一連の流れは、不調時には見られない、余裕と強気が入り混じるプレーだった。

 自身の復調ぶりと関係があるのかないのか、この日の香川は日本代表についても強く関心があることを隠さなかった。「バイエルンには来年ワールドカップで対戦するコロンビアのハメス・ロドリゲス、ポーランドのロベルト・レバンドフスキがともにプレーしているが……」という問いかけに、自身の1年を総括しながらこう答えている。

「まったくクラブと代表(は別)なんで、また(選手や対戦国に関してはあらためて)考えないといけないです。どっちかと言うと、個人的には2017年はクラブにおいて非常に充実したものを残せたんですけど、代表においては、やはりまだ物足りなさは結果としては感じる。そういう年もありますけど、大事なのはW杯です。

 楽観的な状況ではないので、やはり非常に厳しい戦いですし、チームとしても課題を感じるので、危機感を持たないといけない。代表も(時間が)限られているので、この半年をどう過ごすか(が大事)だとより意識しないといけない。ただやっているようじゃ、たぶん痛い目にあう。チームとして明確なものを見出していけるように、もちろん選手はやりますし、協会も含めてやっていかないと、厳しくなると思いますね」

 香川にとって勝負の2018年は、もうスタートしているようだった。