「マイアミ・オープン」は目を引く島嶼景観をあきらめ、郊外に移転する一方で、マイアミドルフィンズのスタジアム内の13,800席を有するスタジアムのコートと、最大で5,042席を持つ29面の常設コートが同大会の新たな会場となる。新たなテニス会場…

「マイアミ・オープン」は目を引く島嶼景観をあきらめ、郊外に移転する一方で、マイアミドルフィンズのスタジアム内の13,800席を有するスタジアムのコートと、最大で5,042席を持つ29面の常設コートが同大会の新たな会場となる。

新たなテニス会場を整備するための工事はすぐに始まる予定で、費用は5,000万ドルに上ると見られている。収容人数も25,062席から32,474席に拡大する見通しで、うち5,660席は練習コートだ。照明設備の充実により、夜間の試合数も増やせるだろう。

大会を主催するIMGは、プレーヤー、ファン、駐車場のために新たなスペースを設け、インフラとアメニティも充実させるとしている。同大会は、2019年から、長らく拠点にしてきたキービスケインから、18マイル北に移転する許可をマイアミ・デイド郡当局の委員会から、得たという。

スタジアムのコートでは、常設と臨時の席を設けられ、使用しないフットボール用の座席はスクリーンによって隠される形になる。

また、新会場では駐車スペースと特別席が2倍になり、トーナメント会場では最大のスクリーンを設置した「テニスオアシス」も作る計画だ。

マイアミドルフィンズのオーナーであるスティーブン・ロスは、「マイアミ・オープン」を南フロリダに留めておきたいことから、スタジアムのグラウンドを、テニス会場への整備のために投資する準備があると、春ごろに表明。その後、ドルフィンズとIMG、そしてマイアミ・デイド郡当局の委員会は、合意に達していた。

ロスは「グローバルなイベントである『マイアミ・オープン』を、自身のコミュニティで開催できることに、とても興奮しています」と声明で発表。IMGの共同経営者である、マーク・シャピロは「『マイアミ・オープン』はマイアミのものです」と話している。

現在の同大会を開催しているキービスケインの会場については、改修工事が2015年の控訴審の判決によって、差し止められたため、同大会のマイアミでの開催も危ぶまれていた。中には、「マイアミ・オープン」が南フロリダを離れたり、南米や中国で開催されるのではないかとの憶測も流れていた。

セレナ・ウイリアムズ(アメリカ)は「『マイアミ・オープン』は、記憶にある限り、ずっとマイアミの文化の一部でした。しかるべき場所であるマイアミに留まることになって嬉しくてたまりません」と話している(※ビーナス・ウイリアムズ(アメリカ)とセレナは、マイアミドルフィンズのパートナー、有限責任組合員でもある)。

「マイアミ・オープン」の、キービスケインの会場では最後となる第32回大会は、3月19日に始まる予定だ。(C)AP(テニスデイリー編集部)

※写真は「マイアミ・オープン」のロゴと、背景にサーブを打とうとする奈良くるみ(2015年のもの)

(Photo by Mike Ehrmann/Getty Images)

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