杉田祐一(日本/三菱電機)は、2017年に驚くべき飛躍を見せた選手の一人だと言ってもいいだろう。もっとも象徴的なのは、日本人で3人目となるツアートーナメントでの優勝。男子プロテニス協会であるATPが、今年初めてタイトルを獲得した選手の一人と…

杉田祐一(日本/三菱電機)は、2017年に驚くべき飛躍を見せた選手の一人だと言ってもいいだろう。もっとも象徴的なのは、日本人で3人目となるツアートーナメントでの優勝。男子プロテニス協会であるATPが、今年初めてタイトルを獲得した選手の一人として杉田を紹介しており、改めて杉田の2017年成績を振り返る。

杉田は現在29歳で、世界ランキングは40位につけている。自身の最高順位は36位で、日本人としては 錦織圭(日本/日清食品)に次ぐ位置を獲得している。

同選手のランキングでは年初の1月2日には112位だったところを、10月9日付けの順位で36位を記録するなど、高いパフォーマンスを見せてきた。

■ツアートーナメントのベスト8へ初進出

その中で、杉田はトーナメントでも目を見張る結果を見せてきており、飛躍のきっかけの一つは4月24日から30日にかけて行われた「バルセロナ・オープン」だったことだろう。

杉田は同大会で、予選では一度敗れたもののラッキールーザーとして本戦に出場。すると1回戦で、2004年には同大会で優勝したトミー・ロブレド(スペイン)を6-4、6-3で下してスタート。

勢いづいた杉田は、2回戦でリシャール・ガスケ(フランス)にも4-6、6-3、7-6(3)で勝つと、3回戦で当時ランキング20位のパブロ・カレーニョ ブスタ(スペイン)をも、6-3、6-3と退けて、一気に準々決勝まで駆け上がった。

ベスト8ではドミニク・ティーム(オーストリア)に1-6、2-6と封じ込められ、「バルセロナ・オープン」での快進撃は止まったものの、杉田は自身を世界に広くアピールした。

■ツアートーナメントでの初タイトルとウィンブルドンでの初勝利

おそらく杉田自身にとって2017年のピークは、「アンタルヤ・オープン」だろう。

大会期間中の6月26日時点で世界ランキング66位だった杉田は、トルコで行われたこの大会で1回戦マシュー・エブデン(オーストラリア)(6-1、6-3)、2回戦でダビド・フェレール(スペイン)(6-3、3-6、7-6(2))、準々決勝でダニエル・アルトマイヤー(ドイツ)(6-3、6-0)、準決勝でマルコス・バグダティス(キプロス)の棄権もあり、決勝に進出。

ファイナルの舞台では、アドリアン・マナリノ(フランス)を相手に6-1、7-6(4)でストレート勝利。初のタイトルを手にして、大きな記録を作った。

ATPは公式サイトで、杉田の当時のコメントを紹介している。「アンタルヤで最初のチャンピオンになれてとても嬉しいです。テニス人生で一番感動した瞬間でした。フューチャーズやチャレンジャーの大会では何回も優勝してきましたが、このような大きなトーナメントで優勝したのはこれが初めてです。驚いています。信じられません」

■ATPマスターズ1000でもベスト8へ初進出

他にも杉田は今年、「ウィンブルドン」の本戦での初勝利や、ATPマスターズ1000「ウェスタン&サザン・オープン」での準々決勝への進出など、画期的な結果を残しており、来シーズンでの活躍にも期待がかかる。(テニスデイリー編集部)

※写真は楽天ジャパンオープンでプレーした時の杉田祐一

(Photo by Matt Roberts/Getty Images)