レスター・シティの岡崎慎司が、またしてもベンチスタートを命じられた。 前節のサウサンプトン戦で2ゴールを奪った岡崎…
レスター・シティの岡崎慎司が、またしてもベンチスタートを命じられた。
前節のサウサンプトン戦で2ゴールを奪った岡崎は、4-1の大勝に大きく貢献した。英公共放送『BBC』の人気サッカー番組『マッチ・オブ・ザ・デイ』でも岡崎の特集が組まれ、英紙『デイリー・メール』ではMOM(マン・オブ・ザ・マッチ)に選ばれた。

前節で2ゴールを決めた岡崎慎司はまさかのスタメン落ちとなった
それにもかかわらず、クロード・ピュエル監督は12月16日に行なわれたクリスタル・パレス戦で背番号20をスタメンから外した。試合前に配られるメンバーシートを確認したときは、正直、目を疑ってしまった。
試合が始まると、不安は的中した。レスターの”エンジン”がかからないのだ。
攻守両面でインテンシティが低く、のっぺりとした、メリハリのないパスワークを展開する。すると、今季リーグ戦で無得点の相手FWクリスティアン・ベンテケに初ゴールを献上。レスターが躍動感のないプレーを続けて前半を0-2で折り返すと、本拠地キング・パワー・スタジアムにはレスターサポーターのブーイングが鳴り響いた。
あまりの不甲斐なさから、後半の頭から岡崎を投入するのではないか――。
そんな考えが頭をよぎったが、ピュエル監督は前半と同じメンバーをピッチに送り出した。だが、岡崎の代わりにトップ下として先発したMFデマライ・グレイも、まったくと言っていいほど存在感を示せない。前節で先発を外れた影響か、アピール心が空回りして、悪癖である独りよがりのプレーばかりが目についた。
すると、61分にMFのウィルフレッド・ヌディディが2枚目の警告で退場。ひとり少なくなったレスターは、さらに劣勢に陥る。こうした状況下で、岡崎に出番の声がかかった。77分にセントラルMFのビセンテ・イボーラとの交代で出場。4バックから3-2-1-3に替えたシステムのなかで、岡崎は「1」のトップ下としてプレーした。
投入時に「(指示として)監督からは何も言われなかった」という背番号20は精力的に走り回ったが、数的不利の影響は大きく、試合展開を変えられない。逆にレスターは、陣形が前がかりになったところをカウンターで突かれ、さらに1ゴールを許して0-3の完敗を喫した。試合開始前の時点で18位の降格圏に沈んでいたクリスタル・パレスに敗れると、前半終了時よりも大きなブーイングがスタジアムに響きわたった。
試合後の監督会見では、当然のように指揮官の采配――特に人選について質問が及んだ。
「前節のサウサンプトン戦から3選手(外れたのは岡崎、DFクリスティアン・フックス、MFアンディ・キング)を入れ替えました。今回、先発で起用しなかった選手には、前節で2ゴールを奪ったシンジ・オカザキも含まれています。監督の考えを聞かせてください」
会見が始まると、英国人記者から厳しい口調で質問が飛んだ。実際、筆者も取材エリアに向かう途中で英紙『デイリー・テレグラフ』のジョン・パーシー記者から、「なぜスタメンから外されたのか、今日はシンジ本人に聞かないといけないな」と声をかけられた。英国人ジャーナリストにも、岡崎のスタメン落ちは大きな疑問符のつく采配、いや、不可解な采配に映っていた。
上記の質問に対し、指揮官は次のように答えた。
「私の考えでは、2日ごとに高いインテンシティでプレーするのは不可能だ。たとえば、シンジは前の試合でハードワークをしたので、今日の試合で起用するのは不可能だった。そして今日、デマライ(・グレイ)は試合開始からずっといいプレーをしていた。チームのために懸命に働いた。デマライにも満足しているし、前節でのシンジの働きにも満足している。3日ごとにプレーすることはできない」
ピュエル監督の回答を聞き、また首を傾げた。果たして、本当にそうなのか。
さっそく、選手の出場記録を調べてみた。ピュエル監督の就任以降、岡崎は9試合中3試合に先発。3試合に1回のペースで先発起用されている。
一方、不動のメンバーはFWジェイミー・バーディー、MFリヤド・マフレズ、MFヌディディ、守備陣のDFウェズ・モーガン、DFハリー・マグワイア、DFダニー・シンプソン、GKキャスパー・シュマイケルの7人。彼らは過密日程に入っても、全試合で先発起用されている。
前節のサウサンプトン戦で休養を与えられたMFイボーラも9試合中8試合に先発。米国滞在中の夫人の出産に立ち会うため英国を離れていたDFクリスティアン・フックスはその間2試合を欠場したが、それでも5試合で先発中だ。就任当初はベンチスタートの多かったMFマーク・オルブライトンもポジションを奪い返し、直近7試合中6試合でスターティングメンバーに名を連ねている。
そして、岡崎とポジションが重なるグレイは9試合中7試合に先発。消耗度の激しいセントラルMFを固定している采配を見ても、必ずしもローテーションだけが理由ではないだろう。
岡崎が先発して勝利に貢献したトッテナム・ホットスパー戦(2-1)とサウサンプトン戦(4-1)は、レスターの今季ベストパフォーマンスとの呼び声が高い。主役級の活躍と貢献を見せながら、それに見合った扱いを岡崎は受けていない。
それでも岡崎は、監督の起用法を謙虚に、そして前向きに受け止めていた。クリスタル・パレス戦後、次のように語った。
「(ゴールは)こぼれ球を押し込んだものが多いんで、FWとして点を獲っているというよりは、がんばった結果として点が獲れているって思われているのかもしれない。やっぱり自分がコンスタントに点を獲ることによって(評価が変わる)。自分がもともとストライカーだったことすら、もしかしたら監督は知らないのかもしれない。そういうところを出していきたい。
自分の場合はバーディーとの距離を近くして、もっと違う何かを出せるかと。それがサウサンプトン戦でよかったんで。そういうプレーを今後も心掛けたいですね。バーディーだけだと攻撃が読まれてきてるんで。
バーディーが裏のスペースに抜けた後、自分が素早くペナルティエリア内に入って点を獲る形があの試合でできたので。やっと自分も『このタイミングか!』というのがわかってきた。以前はクロスに追いつけなかったので、迷いなくやれてる証拠かなと。自分もバーディーのよさをわかってきているので、もっと連係を高めたい。それが、この連戦でできるかどうかというところです」
レスターは19日にマンチェスター・シティとのリーグカップ、23日にマンチェスター・ユナイテッドとの国内リーグ戦が控えている。リーグカップはBチーム編成で臨む公算が大きく、2トップには出番の少ないFWケレチ・イヘアナチョやFWレオナルド・ウジョアといった他のFWを起用するかもしれない。
はたしてどんなメンバーでこの連戦に挑むのか。ピュエル監督の采配に注目したい。
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