文:中川正博(ラリーズ編集部)写真:aflo<12月14日〜17日 ITTFワールドツアーグランドファイナル (アスタナ)>グランドファイナル・女子シングルスの日本選手の主な結果今年のグランドファイナルの女子シングルスには、石川佳純(ITT…

文:中川正博(ラリーズ編集部)
写真:aflo
<12月14日〜17日 ITTFワールドツアーグランドファイナル (アスタナ)>

グランドファイナル・女子シングルスの日本選手の主な結果

今年のグランドファイナルの女子シングルスには、石川佳純(ITTF世界ランク5位、12月現在)、平野美宇(同6位)、伊藤美誠(同9位)、早田ひな(同14位)、佐藤瞳(同14位)、森さくら(同32位)の6名が代表として選ばれた。

結果としては、石川佳純と伊藤美誠がベスト8。他選手は残念ながら初戦敗退となった。

やはり厚かった中国の壁

今大会の女子シングルスはベスト4以上を中国選手が独占し、日本選手も同士討ち以外は全て中国選手に敗れるという結果になった。

1回戦で平野美宇が今年負け越している顧玉婷(同17位、中国)と対戦しフルゲームで敗れると、早田ひなも朱雨玲(同1位、中国)に惜しくもフルゲームで敗れた。二人とも中国選手に全く劣ることのないプレーを見せ、今後の可能性に期待が膨らむ結果となった。

特に早田ひなの成長は著しく、T2APACでの活躍に加え、ドイツオープン、スウェーデンオープンでのダブルス優勝や、スペインオープンでのシングルス優勝など、着実に力をつけており、今回も世界ランク1位の朱雨玲にあと一歩のところまで迫った。

そして石川佳純と伊藤美誠が準々決勝に進んだが、ここでも二人ともが中国選手と当たった。

石川佳純は、平野美宇を下して勝ち上がってきた顧玉婷とのサウスポー対決となった。1ゲームを先取したものの、顧玉婷の安定感に苦しみ2-4負けとなった。互いにリスクを背負いながらの前陣での攻守を見せたが、やはり顧玉婷のボールの方が回転があり、顧玉婷のボールが一本多く返るシーンが多くみられた。

伊藤美誠は、ものすごい勢いで世界ランクを伸ばしている陳幸同(同10位、中国)との対戦となった。陳幸同はスウェーデンオープンで朱雨玲や丁寧といった中国の実力者を倒して優勝しており、最近勢いに乗っている選手の一人だ。

立ち上がりは両者一歩も譲らず、1ゲームずつを奪い合った。伊藤美誠のバック面の変化も効いていたが、さすがは陳幸同、3ゲーム目からはしっかりした対応を見せ、そのまま3ゲームを連取。結果として伊藤美誠は1-4で敗れ、ベスト8敗退となった。

今大会は佐藤瞳も王曼昱(同8位、中国)に敗れており、伊藤美誠との同士討ちで敗れた森さくらを除く全選手が中国選手に敗れるという結果になった。確実に中国選手の背中は近くなってきているが、やはりまだその壁は厚いということがわかった大会となった。東京五輪までに逆に背中を追われる立場になれるよう、代表選手にはさらなる成長を期待したい。

優勝は来月からの世界ランク1位が確定した陳夢

陳夢(同2位、中国)は、準々決勝で石川佳純が敗れた顧玉婷を準決勝で下して決勝まで勝ち上がった。一方、決勝を争った朱雨玲も、準々決勝で伊藤美誠が敗れた陳幸同を準決勝で下して勝ち上がった。まさに現代中国のトップ争いが決勝戦で実現した。

この二人は今年のドイツオープンの決勝でも対戦し、4-3で陳夢が勝っているため、今回も接戦となることが予想された。

しかしながら蓋を開けてみれば、終始陳夢が圧倒する展開となり、4ゲーム目こそデュースになったものの、結果的に4-0で陳夢が優勝を果たした。スピード・コース・回転、全てにおいて、陳夢が朱雨玲を上回っているように感じられる試合内容であった。

この勝利により、来月からの世界ランク1位が確定した陳夢。ダブルスと合わせて2冠を果たした中国のニューヒロインから今後も目が離せない。

2017年グランドファイナル:女子シングルス結果

女子シングルス優勝:陳夢(中国)、準優勝:朱雨玲(中国)、ベスト4:顧玉婷(中国)、陳幸同(中国)

2017年グランドファイナル:女子シングルスの主な結果

女子シングルス

1回戦
平野美宇 3(-5,-6,10,-8,9,12,-9)4顧玉婷(中国)
石川佳純 4(3,9,-9,-10,6,4)2 ハンイン(ドイツ)
伊藤美誠 4(8,8,7,-8,-5,5)2 森さくら
早田ひな 3(9,4,-8,-8,-5,9,-7)4 朱雨玲(中国)
佐藤瞳 1(-6,-6,-7,8,-10)4王曼昱(中国)

準々決勝
石川佳純 2(6,-9,-8,-6,6,-4)4 顧玉婷(中国)
伊藤美誠 1(-8,8,-6,-8,-6)4 陳幸同(中国)

準決勝
陳夢(中国) 4(10,4,5,9)0 顧玉婷(中国)
朱雨玲(中国) 4(-9,6,4,14,7)1 陳幸同(中国)

決勝
陳夢(中国) 4(4,3,6,10)0 朱雨玲(中国)

試合結果の見方

表記ルール: 選手名A ゲーム数(各ゲームのポイント)ゲーム数 選手名B

各ゲームのポイントの表記例: 選手Aが選手Bと対戦し、1ゲーム目11対6、2ゲーム目11対5、3ゲーム目12対10で選手Aが勝ち、選手Bが負けた場合、「選手A 3(6,5,10)0 選手B」 または 「選手B 0(-6,-5,-10)3 選手A」 と表記。