キックオフ早々、自陣からカウンターアタックを仕掛ける。かすかにステップを踏むだけで防御網をこじ開け、中央突破。味方の先制点をおぜん立てした。以後、自らも3度インゴールを割った。

 12月10日、ホームの三重交通Gスポーツの杜鈴鹿。レメキ ロマノ ラヴァは、トップリーグ昇格をかけたトップチャレンジリーグ・セカンドステージAグループ初戦にホンダのWTBとして先発する。身長177センチ、体重93キロのボディを存分に弾ませ、九州電力に92-5と大勝した。

 何度も相手キックを捕球して好ランを繰り出した結果、流ちょうな日本語で「楽しかった」と「楽しみ」を繰り返す。

「きょうはほぼ俺のところに蹴ってくれたから、『お、いいの?』という感じで、めっちゃ楽しかったよ。久しぶりに自分のチームでプレーするのは、すごく楽しかった。ホンダにはワールドクラスの選手(10月に世界選抜入りのRG・スナイマンら)もいるから、すごく楽しみ」

 ニュージーランド出身の28歳。2014年に日本国籍を取得し、16年夏にはリオデジャネイロ五輪の男子7人制代表として4位入賞を果たした。

 今年10月下旬は、昨秋の故障から約1年間離脱した15人制の日本代表へ復帰。11月にはテストマッチ3戦に出場した。18日、フランスのトゥールーズでのトンガ代表戦では2トライを奪い、39-6で勝った。

 続く25日は、ナンテールのUアリーナでフランス代表と23-23というスコアにて引き分けた。鋭い出足の防御で、欧州6強の一角のミスを引き出した。後半キックオフ直後に自陣から攻めてトライを取るなど、チーム戦術の浸透度合いをにじませた。

 九州電力戦後、フランス代表戦について聞かれたレメキは、「…俺らの方が、強かったと思うよ」と言葉を選ぶ。「疲れも、フィジカルも、トンガ代表戦の方が上だった」とし、「自信」を持つことの重要性を強調した。

「もうちょっとで、絶対、勝てたよね。ディフェンスでもアタックでも、ドミネートしていたのはほぼ日本代表。ティア1(歴史的強豪国)にあそこまでやれるんだから、これからのテストシリーズも楽しみにしているよ」

 ちなみに旅先では食事になじめなかったそうで、「ほぼ、寿司を食べてたよ。ホテルの近くにお店があったから」。いまは鈴鹿の所属先で献身。来年2月からは、この国のサンウルブズの一員として国際リーグのスーパーラグビーへ挑む。
 
 発足3季目となる来年度のサンウルブズは、日本代表も率いるジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチを招へい。来季からオーストラリアカンファレンス入りし、全カンファレンス15チーム中5位以内を目指す。この目標達成に向けても、レメキは「自信」を持つべきとの構えだ。

「スーパーラグビーは経験したことないけど、一番、おもしろいコンペティションだろうから楽しみにしている。オーストラリアカンファレンスで2位以内とかも、絶対、行けると思う。皆、(いいプレーが)できるんだから、何よりも自信(が必要)。それでミスをなくせば、もっとジャパンのアタッキングラグビーができる」

 試合後のファンサービスの時間は、文句なしの人気者だった。手持ちのサイン入り選手カードを記者にも「いっぱいあるよ、いる?」と手渡し、ロッカールームへ入った。(文:向 風見也)