ヨーロッパリーグ(EL)グループリーグ最終節。直接対決での突破をかけてベオグラード(セルビア)に乗り込んだケルンだ…
ヨーロッパリーグ(EL)グループリーグ最終節。直接対決での突破をかけてベオグラード(セルビア)に乗り込んだケルンだったが、同じ勝ち点で並んでいたレッドスターに1-0で敗れ、敗退が決まった。大迫勇也はフル出場したものの、ゴールは不発に終わった。

ヨーロッパリーグ、レッドスター戦にフル出場した大迫勇也(ケルン)
大迫にとっては怒涛のような1週間だった。12月2日のブンデスリーガ第14節。ケルンはシャルケに2-2で引き分け、勝ち点1を得た。それまでの13戦で得た勝ち点わずか2のケルンにとって、現在3位のシャルケとアウェーで対等に戦ったことは大きな収穫だ。しかも13戦で4得点しか挙げていないチームが2得点。光明が見えたと言ってもいい一戦だった。
しかしこの試合をもって、ペーター・シュテーガー監督が解任された。試合後、円陣を作った選手たちに自ら話をしたのだろう。輪が解けたときには涙する選手もちらほらと見られた。その後、シュテーガーはスタンドに挨拶を行ない、アウェーのスタジアムでチームに別れを告げた。もともとシャルケ戦翌日の日曜日にクラブと監督が話し合いを持つことは決まっており、解任は「いわば既定路線だった」と、シュテーガーは明かしている。
シュテーガーは2013年夏、当時2部で2シーズン目を迎えていたケルンの監督を引き受け、1年でチームを昇格させる。昨季は5位まで順位を伸ばし、25年ぶりのヨーロッパ戦(EL)出場にまで導いた。まさに古豪復活の立役者であり、ファンからの人気も高かった。逆にそれが思い切った”手術”を遅らせる一因となったのも確かだろう。
シュテーガーの後任監督は現時点では発表されておらず、当面はU-19で監督をしていたシュテファン・ルーデンベックが暫定的に指揮を執ることになった。だが、週が明けると新たなニュースが駆け巡った。4日に2部ウニオン・ベルリンの監督を電撃解任されたばかりのイェンス・ケラーが新監督に就任するのではないか、というのだ。
内田篤人の所属するウニオンは3日、アウェーでボーフムに敗れた。ここ3試合は1分2敗と不振だが、順位は4位でまだ十分に昇格を狙える位置につけている。地元メディアによれば「オフィスに呼ばれ、20秒で解任が告げられた」とケラーは驚きと憤りを隠さない。4日の練習前、監督解任が選手たちに知らされるとロッカールームは紛糾。選手は解任に納得せず、練習開始が1時間も遅れるという事態にまで発展した。
ただ、あまりにも2つの解任劇のタイミングがよかったことから、すでにケラーのケルン行きが決まっているのではないかという憶測が持ち上がったというわけだ。これについてケラー本人は「まだ考えられないし、噂には関与しない」と、現時点では話している。
ケルンが不調を極めている原因は、そもそもクラブが有効な補強をできずにシーズンインしてしまったことが大きい。昨季終盤、ケルンが上位を走っていたころ、大迫は「欧州(EL)にいくようなことになったら、このクラブは壊れてしまう」と話していたのだが、それが現実になってしまったのだ。
アントニー・モデストというチームを引っ張るエースがいなくなり、戦力の底上げができないままでは、ELが入ってくる過密スケジュールに耐えきれなかった。「やっぱり週2試合は大変。うちには選手がいないので……」と、大迫の言う通りだ。
ルーデンベック暫定監督の初陣となったレッドスター戦に敗れたことで、来年はハードスケジュールが緩和されることになった。だがリーグ戦とは裏腹に、ここまで奮闘してきたELで負った傷はまだ癒えていない。ケルンはEL第5節でアーセナルを1-0で破っているのだが、この試合で復帰したばかりのFWジョン・コルドバがまた負傷。同じく試合中にCBドミニク・マロフも負傷し、2人の早期復帰は絶望的だ。
他にもDFドミニク・ハインツ、MFヨナス・ヘクター、マルコ・ヘーガー、マルセル・リッセ、FWシモン・ツォラーが負傷中と、監督が代わっても苦しい台所事情が変わるわけではない。
今後、誰がケルンを率いることになるかは不明だが、大迫が先発出場を続けるのは間違いない。ここまでリーグ戦14試合で12試合に先発している大迫は、フィールドプレーヤーでは最も出場時間が長く、攻撃陣では唯一の安定した存在だ。
ただ、今後ケガから復帰してくるFW陣の中でどのようなチョイスが行なわれるかは監督次第。大迫の器用さは今のケルンで突出しているだけに、場合によっては再び中盤で起用されることもありそうだ。FWというポジションにこだわるなら、早いうちに得点力を見せる必要があるだろう。
数字的には「ケルンの降格ほぼ決まり」と言われている。もちろん、ウィンターブレイク中に実のある補強を行なうなどして、リーグ後半戦は過去のデータを覆すような戦いを見せてほしいものだが、不安をぬぐいきれないのは、ここまでクラブが犯してきた数々の判断ミスとドタバタ劇があるからだ。