ジャパンラグビートップリーグはレギュラーシーズン終盤に入り、優勝決定トーナメント(兼 日本選手権)出場への4枠争いが激しくなってきた。 今季唯一の全勝チームであるパナソニック(ホワイトカンファレンス)は、12月3日に群馬・太田市運動公園陸…

 ジャパンラグビートップリーグはレギュラーシーズン終盤に入り、優勝決定トーナメント(兼 日本選手権)出場への4枠争いが激しくなってきた。

 今季唯一の全勝チームであるパナソニック(ホワイトカンファレンス)は、12月3日に群馬・太田市運動公園陸上競技場でNECと対戦し、7トライを奪って54-5と圧勝。10連勝で勝点を49に伸ばした。同カンファレンスでは3位のリコーが前日にNTTドコモを下して勝点34としており、残り3節で並ぶ可能性があるため4強(レッド・ホワイト 各カンファレンスの上位2チーム)入りは確定していないが、2季ぶりの王座奪還へ向けて着実に前進している。

 パナソニック、リコーと同じカンファレンスで上位を争うヤマハ発動機は、大阪・ヤンマースタジアム長居で東芝に22-27で競り負け、3敗目を喫した(7勝)。7点差以内の敗戦だったためボーナスポイントを手にしたヤマハだが、総勝点は36で、3位:リコーとは2ポイント差に詰まっている。

 一方、2003年から始まったトップリーグで最多5回の優勝を誇り常に3位以内の成績を保っていたが、昨季、チームワーストの9敗を喫し、9位に沈んで屈辱を味わった東芝は、捲土重来。今季は序盤に4連敗したものの、そこから5連勝(6勝4敗)で勝点を28に伸ばし、優勝決定トーナメント進出へ望みをつないだ(所属するレッドカンファレンスで2位のトヨタ自動車とは5ポイント差)。

 東芝はヤマハに先制されたものの、前半27分に主将のCTBリチャード・カフイがワールドカップ優勝を遂げたオールブラックスBKの走りを見せ、ハーフウェイから鮮やかに抜けてトライを奪い、流れを引き戻した。33分には日本代表主将のNO8リーチ マイケルがゴール前へ切り込み、オフロードでSH藤原恵太につないで勝ち越した。
 43分(後半3分)には、先月チームに加わったばかりの元ニュージーランド代表(2011年ワールドカップ優勝メンバー)のベテランSOスティーブン・ドナルドがループでもらったあと、ヤマハの防御網を破ってWTB豊島翔平のトライを演出し、リードを拡大した。その後、ヤマハに2トライを奪われ5点差に詰められたが、69分にPGで加点し、終盤は懸命のディフェンス。ヤマハにもショットを決められ再び5点差となったが、フルタイムを報せるホーンが鳴ったあと、連続攻撃から抜けようとしたヤマハWTB伊東力をNO8リーチが止め、すぐに起き上がって絡み、相手の反則を引き出して熱闘を制した。

 東芝と同じレッドカンファレンスで首位を走る昨季王者のサントリーは、熊本・えがお健康スタジアムで近鉄に34-5で勝利し、トライボーナスポイントも獲得して勝点43(9勝1敗)としている。
 同カンファレンス最下位の近鉄は3勝7敗(勝点13)となった。

 同2位のトヨタ自動車も熊本で試合をおこない、今季未勝利のコカ・コーラを55-24で下しフルポイント(勝点5)を加え、総勝点33(7勝3敗)となった。
 レッドカンファレンスは3位の神戸製鋼(勝点31)、5位のNTTコミュニケーションズ(勝点25)も含めて上位争いは混沌としてきた。
 一方、ホワイトカンファレンスのコカ・コーラは10連敗(勝点2)で、残留争いがかかる13~16位決定トーナメントへまわる可能性が高まった。

 ホワイトカンファレンスではほかに、キヤノン、豊田自動織機、宗像サニックスも降格を決めるトーナメントへ進む可能性があり、回避しようと必死の戦いをおこなっている。
 3日にはヤンマースタジアム長居でキヤノンと豊田自動織機が直接対決し、31-10でキヤノンが大きな勝点5を獲得している。4勝6敗となったキヤノンはこれで総勝点18。豊田自動織機は1勝9敗で、総勝点7から伸ばすことはできなかった。

 宗像サニックスはホームの福岡・グローバルアリーナでクボタと対戦し、約4,000人の観客を沸かせて大漁旗も揺れたが、27-31で惜敗した。それでも、11点差をつけられた終盤、自陣でのクイックタップからCTBアンドレ・エスターハイゼンのゲインで敵陣深くまで進み、つないで、PR石澤輝がトライを挙げ、7点差以内の敗戦で与えられる貴重なボーナスポイントを獲得している。
 1勝9敗となった宗像サニックスだが、勝点7で豊田自動織機に並んだ。
 クボタは4勝6敗で勝点18となり、NTTドコモを抜いてレッドカンファレンス6位に浮上した。