打率&防御率リーグワーストで借金51のヤクルト、14年ドラ1竹下は1軍登板1試合で戦力外に 不振に喘ぎ続けた1年だった。…
打率&防御率リーグワーストで借金51のヤクルト、14年ドラ1竹下は1軍登板1試合で戦力外に
不振に喘ぎ続けた1年だった。45勝96敗2分の借金51、勝率.319でセ・リーグ最下位に終わったヤクルト。5位の中日とも「15.5」ものゲーム差が開いた。2015年にはリーグを制覇しながら、昨季の5位、そして今季と転落が続いている。
10連敗、14連敗と2度の大型連敗も喫した今季のチーム打率.234、チーム防御率4.21はともにリーグワースト。主砲の山田哲人も開幕から大不振に陥り、さらには主力選手に相次いで負傷者が出て戦力が整わなかったことも大きな低迷の要因になった。この苦しい状況を脱却するのは、並大抵のことではないだろう。
巻き返しを図りたい2018年に向けて、大幅な戦力整理に踏み切った。今オフは育成選手を含め、実に11選手に戦力外を通告した。その中には、ドラフト1位だった竹下真吾投手をはじめ、2014年のドラフトで指名した4選手(支配下3人、育成1人)も含まれていた。ドラフトでは1位の九州学院・村上宗隆捕手をはじめ8選手を指名し、無償トレードでソフトバンクから山田大樹投手を、西武を戦力外となった田代将太朗外野手をそれぞれ獲得。このテコ入れが実るだろうか。
ここでは、このオフに引退や戦力外となった選手たちのこれまでの成績を振り返ってみたい。
○竹下真吾(戦力外)
プロ3年目。通算1試合登板、0勝0敗0ホールド0セーブ、防御率13.50。八幡高、九州共立大、ヤマハと渡り、2014年のドラフト1位でヤクルトに入団。即戦力として期待されたが、故障などもあり、1年目の1軍登板はなし。2年目の昨季にプロ初登板を果たしたが、2回2/3を投げて2本塁打6四球で4失点と炎上。その後1軍登板はなく、今季も1軍登板無し。わずかプロ3年で戦力外を通告された。
○土肥寛昌(戦力外、引退)
プロ3年目。通算8試合登板、0勝0敗0ホールド0セーブ、防御率6.10。埼玉栄高から東洋大、Honda鈴鹿を経て2014年のドラフト6位でヤクルトへ。2年目の昨季に1軍デビューを果たしたものの、4試合で防御率8.44。今季も4試合登板だけに終わり、目立った成績はないまま、オフに戦力外通告を受けた。
○日隈ジュリアス(戦力外、育成再契約)
プロ2年目。1軍出場なし。高知中央高から2015年ドラフト4位で入団。1年目は左肘痛のためイースタンリーグ1試合のみの登板に終わり、8月末に左肘関節のクリーニング手術を受けた。今季も左肘を故障し、5月に左肘の靱帯再建手術、いわゆるトミー・ジョン手術を受けた。全治1年との診断で、1軍登板はもちろん、イースタンリーグでの登板もなし。戦力外となり、育成選手として再契約を結んだ。
5年目星野はホークス在籍の弟・大地と兄弟揃って戦力外に
○徳山武陽(戦力外)
プロ6年目。通算54試合登板、3勝4敗3ホールド0セーブ、防御率4.55。三田学園高から立命館大を経て、2011年育成ドラフト1位でヤクルトへ。2年目の2013年5月に支配下契約を勝ち取った。2014年にプロ初勝利をあげると、チームがリーグ優勝を果たした2015年は39試合に登板した。だが、2016年に国指定の難病「黄色靭帯骨化症」を発症。オフに入って手術を受け、今季もファームで34試合に投げたが、オフに戦力外となった。正式には発表されていないが、現役を引退し、球団スタッフになる予定だという。
○中島彰吾(戦力外)
プロ3年目。通算5試合登板、0勝0敗0ホールド0セーブ、防御率10.57。大牟田高から福岡大を経て、2014年の育成ドラフト1位でヤクルトに入団。2年目の5月に、イースタンリーグでの好投が評価されて支配下契約に。7月に1軍デビューを飾り3試合に登板したが、今季はわずか2試合登板に終わり、戦力外を通告された。
○田川賢吾(自由契約公示)
プロ5年目。1軍出場無し。高知中央高から2012年のドラフト3位でヤクルトに入団。2014年に椎間板ヘルニアの手術を受け2軍戦も登板無しに終わると、2016年オフに育成選手として再契約を結んでいた。今季はイースタンリーグで28試合に投げて5勝6敗0セーブ、防御率4.43の成績で、オフに自由契約公示された。
○古野正人(自由契約公示)
プロ6年目。通算60試合登板、8勝11敗2ホールド0セーブ、防御率5.31。報徳学園高、龍谷大、日産自動車、三菱重工神戸と渡り歩き、2011年のドラフト6位でヤクルトに入団。1年目は右肩痛で1軍登板無しに終わり、2年目にデビュー。2014年に17試合に登板し、うち11試合で先発。2015年も27試合に登板した。だが、2016年に試合中に右肩を負傷。リハビリが続き、オフには支配下から育成へと契約を結び直した。今季もイースタンリーグ1試合登板のみに終わり、自由契約公示された。
○星野雄大(戦力外)
プロ5年目。通算1試合出場、0打数0安打0本塁打0打点、打率.000。岡山東商高から日産自動車九州、伯和ビクトリーズ、四国アイランドリーグplusの香川を経て2012年のドラフト5位でヤクルトへ。5年目の今季、6月18日に1軍初出場を果たしたが、出場はこの1試合のみに終わり、戦力外通告を受けた。ソフトバンクを戦力外となった星野大地は弟で、今オフは兄弟揃って戦力外となった。
新田はブルペン捕手から選手不足で現役復帰、助っ人オーレンドルフは1勝も出来ず
○新田玄気(戦力外)
プロ9年目。通算28試合32打数10安打1本塁打9打点、打率.313。高松商高から中央大、パナソニックを経て2008年のドラフト5位でヤクルトに。6年目の2014年に戦力外通告を受け、一度は現役を引退。ブルペン捕手などを務めていたが、相次ぐ故障者により、チームがイースタンリーグに出場できる選手の不足に陥ったため、現役に復帰して育成選手契約を結んだ。イースタンリーグは3試合に出場していた。1軍通算成績は2014年以前のもの。
○今浪隆博(戦力外、引退)
プロ11年目。405試合752打数196安打3本塁打69打点、打率.261。平安高から明治大を経て2006年の大学生・社会人ドラフト7位で日本ハムに入団。2011年に84試合、2013年には91試合に出場。2014年途中にトレードでヤクルトへ移籍。2016年に94試合に出場したが、今季は7試合出場止まり。戦力外通告を受けると、持病の慢性甲状腺炎もあり、現役引退を表明した。
○飯原誉士(戦力外)
プロ12年目。901試合2178打数563安打49本塁打246打点、打率.258。小山高から白鴎大を経て、2005年の大学生・社会人ドラフト5位でヤクルトに。1年目の2006年にいきなり開幕1軍を掴むと、フレッシュオールスターでMVPを獲得。2年目の2007年には主力として136試合に出場し、2008年には135試合で打率.291をマークした。2010年には自己最多の15本塁打を記録。だが、2011年以降、成績は低下。2014年には96試合で.306の数字を残して盛り返したものの、今季は17試合出場に終わり、戦力外通告を受けた。
○榎本葵(戦力外)
プロ7年目。通算77試合76打数9安打0本塁打2打点、打率.118。九州国際大付高から2010年のドラフト4位で楽天に入団。プロ2年目の5月下旬に1軍デビューを果たしたが、1軍定着はならず。2015年オフに育成契約となり、2016年オフに再び戦力外に。12球団合同トライアウトを受けてヤクルトへ入団したが、今季は1軍9試合出場に終わり、戦力外通告を受けた。
○原泉(戦力外)
プロ3年目。1軍出場無し。喜界高校から第一工業大を経て、2014年のドラフト7位でヤクルトへ。1年目はイースタンリーグで101試合に出場して6本塁打を放つ一方で、333打数59安打の打率.177に終わる。昨季は61試合で打率.236だったものの、今季は109試合で11本塁打を放ちながらも、打率.215と粗さが目立ち、1軍出場のないまま戦力外となった。
○ロス・オーレンドルフ(自由契約)
NPB1年目。通算4試合に登板し、0勝1敗0ホールド0セーブ、防御率5.50。ヤンキース、パイレーツ、レンジャーズ、レッズなどを渡り歩き、今季からヤクルトへ入団。パイレーツ時代の2009年に先発で11勝を挙げており、先発として期待されたが、1勝も出来ず。4試合18イニングを投げて13失点。シーズン終了を待たずに自由契約となった。(Full-Count編集部)