台湾WLで見る各国の野球事情、今季は日本アマチュアJABA選抜も参戦 現在開催中のアジアウインターリーグには6チームが参…
台湾WLで見る各国の野球事情、今季は日本アマチュアJABA選抜も参戦
現在開催中のアジアウインターリーグには6チームが参加している。昨年はチャイニーズ・タイペイのプロ野球選手選抜であるCPBL、アマチュア代表の中華台北トレーニングチーム、NPBイースタン、ウエスタンの両選抜、韓国プロ野球(KBO)、欧州選抜の6チームだった。だが、今季からは中華台北が抜け、日本のアマチュア野球の統括団体であるJABAが選抜チームを派遣。欧州選抜は米国&欧州の混成チームとなった。
昨年はNPBウエスタンが初優勝し、2位はNPBイースタンと、NPBが独占。だが、実は準決勝でNPBウエスタンを13-10と苦しめたのは、CPBL(リーグ6位)ではなくアマチュアの中華台北(リーグ4位)だった。チャイニーズ・タイペイでは有力なアマ選手がプロに行かないことも多く、プロとアマの実力が拮抗している。中華台北は2015年の優勝チームでもある。
28日は台中市の対中洲際棒球場で、KBOとCPBLの試合が行われた。
11月も終わろうと言うのに、気温は23度まで上がる汗ばむ陽気。この大会は興行目的ではないので入場無料だ。バックネット裏には、近くの小学校の生徒が校外学習として先生に引率され、多数詰めかけていた。校長先生らしき人の始球式もあり、場内は歓声に包まれた。
KBOは各選手が所属球団のユニフォームを着ているが、圧倒的に多いのが黒地に黄色のロゴを配したユニフォーム。胸にはPOLICEと書かれている。これは「警察野球団」。KBOの2軍リーグ「フューチャーズリーグ」に参加している。
日本では考えられないが、現役警察官がプロ野球選手として試合をしているのだ。
KBOのロースター27人うち16人が警察野球団
これには、韓国ならではの事情がある。韓国には兵役の義務があるため、野球のキャリアを続けながら兵役を務める方策として、韓国警察庁が野球部を結成し、2軍リーグに参加するようになった。ここには若手の有望選手が揃っている。
今年のウインターリーグに参加するKBOのロースター27人うち16人が警察野球団で、他のKBOチームは1~2人を派遣しているだけ。これに対し、CPBLは所属する4球団がそれぞれ5~10人を派遣し、連合軍を結成した。
この日、KBOの先発は朴峻杓(パク・チュンピョ)。小柄な右のサイドスローだがスライダーの切れが良く、CPBLの打者は手も足も出ない。7回途中まで無失点に抑えてマウンドを下りた。
CPBLの先発は、左腕の江辰晏(統一ライオンズ)。1軍では4季で通算9勝14敗、防御率5.54という投手だ。こちらも1回にタイムリーを浴びた後に好投したが、5回途中で降板した。
KBOが1-0と最少得点差でリードする形で最終回を迎えたが、CPBLの救援投手が崩れ、結局3-0でKBOが勝利した。
教育リーグとはいえ、両チームは真剣そのもの。KBOの監督がCPBLの投手のフォームにクレームをつける一幕があったり、けん制死を巡るビデオ判定も行われた。
好守備もたびたび見られたが、両チームともに鋭い打球は少なく、打線は迫力に欠けた。若手中心とはいえ、強打者の少なさが、アジア野球全体の課題と言えるのかもしれない。(広尾晃 / Koh Hiroo)