5月9日からイタリア・ローマで開幕の「BNLイタリア国際」(ATP1000/クレーコート)。 日曜日に行なわれた決勝。アンディ・マレー(イギリス)が、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)を倒して29歳の誕生日を優勝で飾った。マレーは今大会で…

 5月9日からイタリア・ローマで開幕の「BNLイタリア国際」(ATP1000/クレーコート)。

 日曜日に行なわれた決勝。アンディ・マレー(イギリス)が、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)を倒して29歳の誕生日を優勝で飾った。マレーは今大会では初の決勝進出で初優勝だった。ジョコビッチは試合中に降っていた雨のため、試合を止めるべきだと主張していた。

 マレーは前週のマドリッドの決勝でジョコビッチに敗れたばかり。今回はマレーが6-3 6-3での勝利だった。

「クレーでは最後のマスターズ大会の決勝で、新しい経験ができた」とマレー。「自分のキャリアのこの段階に来て、まだ新しいことや、新しい目標を持てるというのはいいものだよ」。

 表彰式でのマレーはトロフィーとともにバースデーケーキをプレゼントされていた。マレーはこのタイトルを3ヶ月の娘のソフィア オリビアちゃん捧げたいと話した。

「あと数年もすれば、娘にも僕が成し遂げたことを誇りに思えるようになると、今は思いながらプレーしているんだ」とマレーは話している。

 全仏オープン開幕を1週間後に控えたこの大会で、マレーが初優勝を果たしたことになる。今大会を制したイギリス人選手は1931年のパット・ヒューゲス以来だ。

 ジョコビッチは過去4試合のクレーコートでの対戦でマレーに全勝していたが、この試合ではラファエル・ナダル(スペイン)、錦織圭(日清食品)との激戦の疲れとの戦いも強いられていた。

 ジョコビッチは前の試合で自分のラケットで足首をラケットで殴ってしまってできたアザを包帯で巻いていた。

 マレーは全仏オープンの開幕を1週後に控えての今大会での初優勝。「この2年はたぶん、僕が一番成功しているサーフェスがクレーだと思うんだ。全然予想していなかったことだけどね」とマレー。

「この大会で優勝しているほとんどの選手たちが偉大な選手たちだ。トロフィーに自分の名前も加わるというのは誇らしいね」とマレーは話している。

 試合中は雨が降っており、観客たちもポンチョや傘などをさしていた。

 ジョコビッチはコートのコンディションが悪化し、滑りやすくなっているため、試合を止めるべきだと主審のダミアン・スタイナーに何度も抗議していた。「もうプレーしたくない」とジョコビッチは第2セットの終わりに主審に訴えていた。

「僕は試合を中断してほしいと頼んだわけではない」とジョコビッチは試合後に説明した。「僕は少し間を取りたいと頼んだんだ。たぶん、5分程度の時間があれば、コートの整備ができるだろうと思ってね」。

 だが、マレーは降雨に苦しんでいる様子はなく、サービスゲームもすべてキープした。3本あったブレークビンチもすべてしのいだマレーは、今大会ではセットを落とさないままで優勝した。

「たくさんのことがあった1週間だったし、コートにも長い時間立っていた」とジョコビッチ。「今日は、アンディと戦うための強さを持ったフレッシュな状態でいることが難しかった。今日の彼はよすぎたし、勝者にふさわしかった」。(C)AP