日本代表がパリ郊外のナンテールでフランス代表相手に奮闘して引き分けた11月25日(現地時間)、ヨーロッパ各地でも、一部を除いて今年最後のテストマッチがおこなわれた。

 2019年ワールドカップで日本代表と同組に入るスコットランド代表は、3週間前に横浜で“ジョセフ・ジャパン”を圧倒したオーストラリア代表をエディンバラに迎え、53-24の大差で下した。オーストラリアはハーフタイム前にレッドカードを提示され、14人での戦いを強いられたのが響いた。
 PGで先制したスコットランドは前半15分、オーストラリアのパスが乱れたところ、WTBバイロン・マグウィガンが足にかけてさらにドリブルし、インゴールで押さえ勢いづいた。
 その後、オーストラリアのSOバーナード・フォーリーがCTBテヴィタ・クリンドラニの2トライを演出して逆転したが、38分、PRセコペ・ケプが危険なタックルで一発退場となり流れが変わった。
 数的有利のスコットランドはハーフタイム前、ゴール前のモールから持ち出したSHアリ・プライスがトライを挙げ、17-12とゲームをひっくり返して折り返す。
 オーストラリアは後半早々、FBカートリー・ビールがファイブポインターとなり同点に追いついたが、スコットランドはその3分後、ターンオーバーからのカウンターでFBショーン・マイトランドが約60メートル走り切り、勝ち越し。48分(後半8分)にはPRジェイミー・バティーの中央突破からチャンスとなってLOジョニー・グレイがフィニッシュし、55分には敵陣22メートルライン内でペナルティをもらうとSOフィン・ラッセルがタッチと見せかけてタップから仕掛けCTBヒュー・ジョーンズがゴールラインを割った。
 スコットランドはその後3トライを追加し、快勝で2017年を締めくくった。

 2019年の大舞台で同じく日本代表のライバルとなるアイルランド代表は、地元ダブリンでアルゼンチン代表に28-19で勝利。今年3月のシックスネーションズ(欧州6か国対抗戦)で名将エディー・ジョーンズが率いるイングランド代表に黒星をつけて以来、7連勝となった。
 アイルランドは序盤にPGで得点を重ね、20分、CTBクリス・ファレルが巧みなハンドリングでSOジョニー・セクストンの中央突破を演出し、WTBジェイコブ・ストックデイルのトライが生まれた。後半早々にもストックデイルが好走し、20-0とリードを拡大。
 対するアルゼンチンは54分にゴールに迫ると、SOニコラス・サンチェスが絶妙のキックでインゴールにボールを転がし、FBホアキン・トゥクレットが押さえた。
 しかしアイルランドは62分、ゴール前のドライビングモールは崩れたが、NO8のCJ・スタンダーが突っ込んで貴重な追加点を獲得。ラスト10分間でアルゼンチンに2トライを許したものの、勝って、2015年ワールドカップ準々決勝の雪辱を果たした。

 2019年ワールドカップの出場権はまだ獲得していないものの、来年6月に予定されている欧州予選2位チームとのプレーオフを制せば、本大会で日本、アイルランド、スコットランドと一緒のプールAに入るサモア代表は、ロンドン郊外のトゥイッケナムで世界ランキング2位のイングランド代表に挑んだが、7トライを奪われ14-48で敗れた。
 それでも、堅守を武器とする欧州王者から2トライを挙げたのは自信となったか。前半12分にゴール前スクラムからの攻撃でFLピウラ・ファアサレレがゴールラインを割り、72分にはラインアウトからモールで押さずにショートサイドを攻め、こぼれ球を拾ったLOクリス・ヴイがゴール左隅に押さえた。

 世界ランキング1位のニュージーランド代表“オールブラックス”は、64年ぶりの金星を狙った熱きウェールズ代表“レッドドラゴンズ”にカーディフで苦しめられたが、33-18で制し、ウェールズ戦30連勝となった。
 主将のNO8キアラン・リードを怪我で欠いたオールブラックスは、最初の40分間は12-11と接戦。
 しかし56分、ディフェンスで激しくプレッシャーをかけてくる相手に対し辛抱強くフェイズを重ね、WTBリーコ・イオアネがゴール前左に迫り、3人に囲まれたがオフロードでCTBアントン・レイナートブラウンにつないでトライが生まれた。
 その後も白熱の展開が続いたが、61分にはWTBイオアネがインターセプトして約45メートル走り切り、貴重な追加点を獲得する。
 しかし67分、ウェールズの怒涛の攻撃にオールブラックスは反則を繰り返し、ゲームキャプテンのLOサム・ホワイトロックにイエローカード。7人になった黒衣のFWは直後のスクラムに耐えたが、ウェールズはボールを手にしたSHガレス・デーヴィスがゴールに持ち込み、コンバージョン成功でオールブラックスのリードは8点に縮まった。
 流れが変わったと思われたが、オールブラックスは72分、相手ボールのスクラムでターンオーバー。敵陣22メートルライン手前左でFKを得ると、スクラムを選択してバックスに展開し、SHのTJ・ペレナラとSOリマ・ソポアンガが連係プレーでWTBイオアネのブレイクスルーを演出し、大きなトライを獲得してチームの底力を示した。

 今月のヨーロッパ遠征テストマッチ初戦でアイルランド代表に完敗し、外野から監督交代を求める声も上がっている南アフリカ代表だが、イタリアのパドヴァで同国代表に35-6で快勝した。
 序盤はイタリアが敵陣で攻め続けたが、PGのみに抑えた南アは前半13分、FLフランソワ・ロウがゴール前のピックアップからレッグドライブでインゴールに突っ込み、逆転した。23分にはラインアウトからモールで押し込み、33分にはキックパスから5点を追加。その後、2トライを重ね、今回の欧州遠征を白星先行とした。
 南アは12月2日にカーディフでおこなうウェールズ戦が今年最後の試合となる。

 2019年ワールドカップ出場が決定しているジョージア代表とアメリカ代表の対決は、地元トビリシで戦ったジョージアが21-20で競り勝っている。
 ジョージアは前半16分にスクラムでペナルティトライを獲得。その後、2枚のイエローカードをもらい苦しい時間帯が続いたが、FWのパワープレーやラインアウトからのサインプレーも決まって21-12で前半を終えた。
 アメリカは58分にPGで加点し、6点を追う76分に左への展開からCTBブライス・キャンベルが抜けてゴール左隅に飛び込み、1点差となったが、コンバージョンキックは外れ、ジョージアが熱戦を制した。

<11月25日 テストマッチ結果>
■日本代表 フランス遠征(第2戦)
・フランス 23-23 日本

■テストマッチ
・ウェールズ 18-33 ニュージーランド
・イングランド 48-14 サモア
・スコットランド 53-24 オーストラリア
・アイルランド 28-19 アルゼンチン
・イタリア 6-35 南アフリカ
・フィジー 57-17 カナダ
・ジョージア 21-20 アメリカ
・ルーマニア 20-25 トンガ
・ナミビア 34-39 ウルグアイ
・スペイン 67-28 ブラジル
・ドイツ 10-32 チリ
・モルドバ 20-22 スイス
・スロバキア 6-38 キプロス