前回のWBC後に変化した近藤の打撃スタイル 天才的なバッティングセンスを誇るソフトバンクの近藤健介外野手。昨季は腰の故障…

前回のWBC後に変化した近藤の打撃スタイル

 天才的なバッティングセンスを誇るソフトバンクの近藤健介外野手。昨季は腰の故障に悩まされるも、限られた出場機会の中で存在感を示し、ソフトバンクの日本一に貢献した。3月に行われるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)でも、侍ジャパン打線をけん引する役割が期待される。データをもとに近藤の今大会での活躍を占った(数値は全て2025年シーズン終了時点のもの)。

 日本ハムに在籍していた2022年まで、近藤はバットコントロールが売りの「巧打者」として語られることが多かった。しかし、2023年のWBCを終え、ソフトバンクの選手として初めて臨んだシーズンでは、長打を狙うスタイルへと転換。26本塁打で自身初となる本塁打王に輝いた。特筆すべきは、スタイルを変えたにもかかわらず打撃の確実性を失っていない点だ。2023年こそコンタクト率が80.9%と前年から下がったものの、以降は再び数値が上昇。現在の近藤は、巧打と強打を両立する唯一無二のバッターとなっている。

 選球眼を生かした出塁能力も近藤の強みだ。前回のWBCでは2番打者として出塁率.500をマークし、3番・大谷翔平につなぐ重要な役割を果たした。2023年と2024年、2年連続で最高出塁率のタイトルを獲得。規定打席に到達できなかった昨季も、変わらずレベルの高さを示した。

強打者ぞろいの侍打線でトップレベルの対応力

 侍ジャパン打線が対戦する他国の投手を見ていく。優勝を争う強豪国は多数のメジャーリーガーを擁しており、彼らが投じる剛速球への対応が重要となる。2023年大会でベスト8入りしたチームの速球系球種は平均球速149.2キロと、昨季のNPBと比べて2キロ以上も速かった。球威のある速球は高めのゾーンで空振りを奪いやすく、実際に高めへの投球割合やスイング奪空振り率もNPBを上回っている。

 このデータには1次ラウンド敗退となったドミニカ共和国は含まれていないが、同国は速球系の平均球速が154.4キロと、全20チーム中トップの数値だった。今大会でも日本にとって警戒すべき相手となる。

 侍ジャパン野手陣の中で、近藤は速球系球種に対して打率.366と傑出した数字を残している。球速150キロに限っても打率.286と、今大会のメンバー中3位の好成績だ。高めのゾーンで限った成績でも、昨季は打率.400に加え、35打数で4本塁打をマークするなど、長打力に磨きがかかっている。

 年々すごみを増している32歳の近藤だが、春季キャンプでは「高めの速い球を捉える確率を上げたい」と打撃フォームの改良を始めており、その探究心はとどまるところを知らない。日本一の打撃職人は3年ぶりの大舞台でどんな姿を見せてくれるのか、注目したいところだ。(「パ・リーグ インサイト」データスタジアム編集部)

(記事提供:パ・リーグ インサイト)