ランニングとジョギングの違いは、主に「運動強度」と「走るペース」にあります。会話ができる余裕のあるペースがジョギング、息…
ランニングとジョギングの違いは、主に「運動強度」と「走るペース」にあります。会話ができる余裕のあるペースがジョギング、息が弾む強度で走るのがランニングです。
では、痩せやすいのはどちらか。初心者はどちらから始めるべきか。体への負担に差はあるのか。
スポーツ整形外科医・樋口 直彦先生監修のもと、ペースや消費カロリー、体への負担の違いを医学的な視点から整理します。
ランニングとジョギングの違いを5つで解説
ペースや消費カロリーだけでなく、代謝や膝への負担まで含めて整理すると違いが明確になります。
1 運動強度の違い強度とは、どれだけ体に負荷がかかっているかを示す指標です。ジョギングは会話ができるペース、ランニングは息が弾むペースと考えるとわかりやすくなります。
数値で整理すると、違いは次の通りです。
項目ジョギングランニングペース目安7~9分/km5~6分/km心拍数※1最大の60~70%最大の70~85%METs※2約7.08.3以上数値上も体感上も、ランニングのほうが強度は高くなります。強度が上がるほど呼吸は荒くなり、持続できる時間は短くなります。
※1 心拍数は「220-年齢」で求められる最大心拍数を基準にした目安
※2 METsは安静時を1としたときのエネルギー消費の倍率
同じ30分で比較すると、強度が高いランニングのほうが消費カロリーは増えます。
体重ジョギング30分ランニング30分50kg約185kcal約220kcal60kg約220kcal約260kcal70kg約255kcal約305kcal※2026年1月厚生労働省のMETs表より、ジョギングは約7.0METs、ランニングは約8.3METsを目安に計算しています。
一方で同じ5kmを走った場合、ジョギングとランニングの消費エネルギー量の差は大きくありません。消費カロリーはスピードよりも、体重と距離の影響を強く受けるためです。
ダイエットでは1回の消費量よりも、週単位でどれだけ運動量を積み上げられるかが重要です。強度が高すぎると頻度が下がるため、痩せやすさは継続とのバランスで決まります。
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次:3 脂肪の使われ方の違いは?
3 脂肪の使われ方の違いジョギングは脂肪をエネルギーとして使う割合が高い強度です。一方でランニングは糖質の利用割合が高まり、短時間で消費量を増やせます。
運動習慣がない人はジョギングのほうが継続しやすく、結果につながりやすい傾向があります。短時間で効率を求めるならランニングが有効です。
強度を上げれば必ず痩せるという単純な話ではありません。
4 膝・関節への負担の違い走行時、膝には体重の2~3倍の衝撃がかかるといわれています。ジョギングよりもスピードが上がるランニングのほうが、着地時の衝撃や関節への負荷は大きくなります。
特にスピードを出して走る場合、地面を蹴る力が強くなるため、膝や足首にかかる負担も増えます。強度の違いが、そのまま関節への負担の差につながります。
5 体重や運動歴によるリスクの違いBMIが高い場合や運動習慣がない場合、高強度のランニングから始めると負担が大きくなります。
会話ができる程度、心拍数でいえば最大心拍数の60〜70%前後の強度から始める方法が安全です。この強度は、多くの場合ジョギングや速歩にあたります。
目的で選ぶなら、次のような傾向があります。
目的選びやすい傾向健康維持・運動習慣づくりジョギング短時間で効率よく消費ランニング心肺機能・持久力向上ランニング関節への負担を抑えたいジョギング強度の設定によって得られる効果は変わるため、どちらか一方に固定する必要はありません。体調や目的に合わせて強度を選ぶことが重要です。
ここまでの違いを踏まえると、初心者がどちらを選ぶべきかも見えてきます。
初心者はどちらから始めるべきか
目的や体力によって選択は変わりますが、運動習慣がない場合はジョギングから始める方法が現実的です。
20〜30分を目安に週2〜3回行い、余裕が出てきたら一部にペースアップを取り入れると負担を抑えながら刺激を加えられます。
ランニングに移行する目安は、同じ距離を楽に走れるようになったタイミングです。
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次:体への負担を減らす走り方とは?
体への負担を減らす走り方
膝への負担を減らすには、正しいフォームを意識することが重要です。また、速さよりも重要視したいポイントも解説します。
負担をかけない正しいフォーム
・歩幅を広げすぎず、体の真下に近い位置で着地する
・足音を立てない意識で、静かに接地する
・目線はまっすぐ前に向け、あごを引きすぎない
・背筋を伸ばし、上半身の力を抜く
・肩の力を抜き、一定のリズムで走る
ジョギングでもランニングでも、重要なのは時速ではなく自分の最大能力に対する強度です。少し息が弾むが止まりたくならないペースが、脂肪をエネルギーとして使い続けやすい強度です。
心拍数でいえば最大心拍数の60〜70%前後が目安です。速さを追いかけるよりも、継続できる強度を選ぶことが体への負担軽減につながります。
10〜30分、無理なく続けられるペースを選ぶ20分以上でなければ脂肪は燃えないという考えがありましたが、正確ではありません。脂質は運動開始直後から使われており、時間が延びるほど利用割合が高まります。
しかし大切なのは翌日も無理なく動ける余力を残すことです。継続できる時間設定にすることが、結果的に体脂肪の減少につながります。
翌日に痛みを残さないフォーム走行時には体重の2〜3倍の衝撃が膝にかかるとされています。スピードが上がるほど接地衝撃は増え、関節や筋肉への負荷も高まります。
足裏全体で着地する意識や、歩幅を広げすぎないフォームが負担軽減につながります。痛みが残る場合は時間を減らしたり、スピードを落としたりと強度を調整しましょう。
ランニングとジョギングに関するよくある質問(Q&A)
ランニングはジョギングより老けやすいですか?強度が高い運動では一時的に活性酸素が増えます。ただし、適度なトレーニングであれば体内の抗酸化機能も高まり、老化を早めるとは言えません。
急激な体脂肪減少や紫外線対策不足のほうが、見た目の変化に影響しやすい要因です。
毎日走っても大丈夫ですか?高強度のランニングを毎日行うと疲労が蓄積しやすくなります。週2〜3回から始め、休養日を設けるほうが安全です。
膝が痛くなりやすいのはどちらですか?スピードが上がるほど衝撃は強くなるため、ランニングのほうが負担は大きくなります。痛みが出た場合は強度を下げ、フォームやシューズを見直します。
ランニングとジョギングどっちが痩せますか?同じ時間ならランニングのほうが消費カロリーは増えますが、継続しやすいのはジョギングです。体脂肪の減少は総運動量に左右されるため、続けられる強度を選ぶことが重要です。
ジョギングとランニング、痩せるのはどっち?脂肪燃焼と消費カロリーで結論
監修者プロフィール
なか整形外科京都西院リハビリテーションクリニック院長 樋口 直彦 先生
帝京大学医学部卒業後、いくつかの病院で勤務し、院長を経験後、2021年1月に医療法人藍整会 なか整形外科の理事長に就任。バレーボールVリーグ「サントリーサンバーズ」のチームドクターも務める。骨折治療をはじめ関節外科、スポーツ整形外科を専門に治療。
<Edit:編集部>