ミラノ・コルティナ五輪でフィギュアスケートペアで日本勢初の金メダルに輝いた三浦璃来、木原龍一組(木下グループ)に所属先…

 ミラノ・コルティナ五輪でフィギュアスケートペアで日本勢初の金メダルに輝いた三浦璃来、木原龍一組(木下グループ)に所属先の木下グループ・木下直哉代表からポケットマネーで1人2000万円、計4000万円の報奨金が贈られた。

 「りくりゅう」は主要国際大会の五輪、世界選手権、四大陸選手権、GPファイナルをキャリアを通じて制覇。ゴールデンスラム達成したことを喜ぶ木下代表は「2人はこの金額に値する。本来ならもっともっとだと思う。カップル競技はゼロスタート、もしかしたらマイナスからのスタートだった。大事に使ってください」と説明した。

 木下グループは、国内のカップル競技育成のため、選手の支援、そして環境作りを最前線に立ち引っ張ってきた。同社広報担当は「木下(代表)が競技をサポートするポリシーとして『陽の当たらないところにこそ、支援を』という思いがあります。支援を決める前、木下は08年の全日本選手権を会場で観戦し、シングルと比べると盛り上がりに欠けていたカップル競技の現状を目の当たりにして、支援を決意したそうです」と話す。

 アイスダンスのキャシー・リード、クリス・リード組のサポートから始まり、ペアでは高橋成美さんらが所属選手の先駆けに。現役では、木原龍一が13年から木下グループの名を背負う。2人で活動するため、シングルと比較しても練習環境や時間の確保が難しいカップル競技。支援も手探りから始まった。

 京都・宇治市にある通年リンクの命名権を取得し、20年に「木下アカデミー」を設立。浜田美栄コーチをGMとし、包括的なトレーニング環境づくりを目指す。一般で使えば、1枠90分で3万6000円かかるリンクの貸し切りを、1日最大7枠分確保。アカデミー事務局担当者は、シングルだけでなくペアやアイスダンスも十分な練習時間を確保できると説明する。

 カナダで強化を行い支援を受ける「りくりゅう」は、22年北京五輪で日本勢初の7位入賞を果たすと、23年には世界選手権で優勝。アカデミー生の長岡柚奈、森口澄士組が今大会に出場し、日本で初めて複数ペアが五輪に出た。木下グループ、アカデミーだけでも6組のペア、カップルが活動し、実り始めた支援。同社は驚きを持って受け止める。

 「支援を始めた当初は、他の役員から『なぜ、カップル競技を』という声もあったそうですが、木下は信じ続けて支援してきた。ペア競技は、実績が出るまでに8年ほどかかると言われているようですが、ゆなすみはその半分以下の3季目で五輪出場枠を取りました。りくりゅうの存在、背中があってこそだと思いますが、木下はずっと信じて支援してきました」

 ミラノ五輪では、日本が2大会連続で団体銀メダルを獲得。「りくりゅう」はSP、フリーともに1位を獲得し、男女シングルと共にペアがチームの得点源となった。アイスダンスで強化の余地を残すが、カップル競技の強豪国として世界の仲間入りをしようとしている日本。同社は永続的なサポートを誓い、日本フィギュアの発展を願う。

 「ペアやアイスダンスをしたいということで、アカデミー入りを希望する選手も出てきました。これからも、カップル競技を国内で強化できる体制を整えていきたいです。そして日本の課題の一つとして、ペアやアイスダンスの指導者が少ないという点があります。今活躍している選手たちが、いずれ木下アカデミーに帰ってきて、指導者として次の選手を育てるような環境も整えていきたい。大きな枠組みの中でフィギュアスケートと関わりたいという思いは木下の中にもありますので、長い目線で続けていくことができるかどうかは、我々に課せられた大きなミッションであると思います」

 報奨金を授与されたりくりゅう。お互いへのご褒美を聞かれ、三浦は「シーズン中は2人とも禁酒しているが、木原選手はウイスキーが好きなのでウイスキーを贈りたい」と明かし、木原は「璃来ちゃんは化粧品が好き。璃来ちゃんが好きな化粧品をプレゼントしたいと思っているが、上限はある」と笑わせていた。