“らしさ”全開の船出だった。大相撲で元大関貴景勝の湊川親方(29)が師匠の湊川部屋が26日、大阪市の部屋で稽古を公開した…
“らしさ”全開の船出だった。大相撲で元大関貴景勝の湊川親方(29)が師匠の湊川部屋が26日、大阪市の部屋で稽古を公開した。1月の初場所限りで定年退職した常盤山親方(元小結隆三杉)に替わり同場所後から指導。部屋名を変更してから初披露となった。全45部屋で最年少の師匠は、改革を伴いながら厳しくも細かく指導。現役時代と変わらない情熱で、師匠として最初の本場所となる春場所(3月8日初日、エディオンアリーナ大阪)へ準備を進めている。
◇ ◇ ◇
師匠の怒声が響く。近年は減っていた光景が、鮮やかに現代によみがえった。湊川親方が発する助言は、厳しさの中にも力士の本分を言い当てたものばかり。「友だちじゃないんだ。たたきのめせ!」「いいんだよ、手を差し伸べなくて」「優しさを捨てろ」。一歩間違えれば、人でなしのようにも聞こえるが、部屋頭の前頭隆の勝が補足。「部屋の仲間だけど、稽古場では仲間じゃない。若い衆には『こいつよりも先に上がってやる』という気持ちが必要。親方の言葉は、それを思い出させてくれる」。
部屋で団体生活を送りながらも、相撲は個人競技。だからこそ「親孝行するんだろ、頑張れ!」などと、胸に刺さる言葉で各自に心からの奮起を促す。湊川親方は「できるだけ具体的な言葉で」と、声掛けは内容も重視。また「まわしを締めている時だけが『努力』じゃない」と、食事や睡眠への意識改革も積極的だ。
事実、稽古開始は先代時代の午前8時から、同10時へと遅らせた。19日の大阪での初稽古から、本格的に湊川部屋が船出。稽古時間は約半分の2時間程度に凝縮した。「睡眠も大事。頭をスッキリさせ、体も回復させて力を十分発揮できるように」。事実、各力士は軒並み睡眠時間が約2時間増。経験、知識を全て注ぎ込む「貴景勝物語」第2章が始まった。【高田文太】