広尾晃のBaseball Diversiy今や宮崎県を抜いて日本一の春季キャンプ集積地になっている沖縄県である。 沖縄県…

広尾晃のBaseball Diversiy

今や宮崎県を抜いて日本一の春季キャンプ集積地になっている沖縄県である。
沖縄県は亜熱帯地域にあり、冬季の気温は内地に比べて10度近く高い。厳冬期であっても内地の3月、4月の気候だ。選手のパフォーマンスも高まる。

沖縄で最初にプロ野球キャンプを実施したのは1957年の大映スターズ(現在の千葉ロッテマリーンズの前身の一つ)だったとされるが、当時の沖縄はアメリカの占領下であり、いろいろと大変だったようだ。
1972年に沖縄がアメリカから返還され、沖縄県になってからは1981年に日本ハムファイターズが春季キャンプを実施、以後、次々とNPB球団がキャンプを実施するようになった。 宮崎県の場合、宮崎市に巨人、ソフトバンク、オリックス、日南市に広島、西武と1つの自治体で複数のチームがキャンプを張っているが、沖縄県は1市町村で1球団。それだけに、自治体側の熱意も格別のものがある。各キャンプ地を紹介しよう。日程は今年のもの。

・那覇市

読売ジャイアンツ 2月14日(土)~3月1日(日)

那覇市営奥武山総合運動場「沖縄セルラースタジアム那覇」

沖縄セルラースタジアム那覇

巨人は1959年以来、宮崎県で春季キャンプを行ってきた。宮崎を「プロ野球キャンプの名所」にした最大の功労者だといえるが、2011年からキャンプ後半を那覇市営奥武山野球場で行うようになった。温暖な気候の中で、シーズンへ向けた「仕上げ」をするためだ。

奥武山総合運動場は、那覇空港からモノレールで約10分「奥武山公園」下車すぐ、とアクセスも抜群。2010年に球場も全面改修し、沖縄県最大の3万人を収容する大球場になった。

・浦添市

東京ヤクルトスワローズ 2月1日(日)~2月26日(木) 浦添運動公園「ANA BALL PARK 浦添」

ANA BALL PARK 浦添

ヤクルトは1999年まで宮崎県西都市や米・アリゾナ州ユマでキャンプを行っていたが、2000年からは浦添市の「ANA BALL PARK 浦添」でキャンプを行っている。モノレールの延伸によって「浦添前田」駅から約1㎞、歩いていけない距離ではなくなった。

キャンプ地には「つば九郎神社」もまつられ、ヤクルトファンには聖地のようになっている。

・宜野湾市

横浜DeNAベイスターズ 2月1日(日)~2月23日(祝月)
宜野湾市立野球場 ユニオンですからスタジアム宜野湾

ユニオンですからスタジアム宜野湾

DeNAは、1987年から沖縄県宜野湾市で春季キャンプを行っている。浦添市に隣接する宜野湾市だが、公共交通のアクセスはバス以外にはない。沖縄コンベンションセンターに隣接し、周辺は市民の憩いの場になっている。近年、ブルペンや室内練習場などが整備され、充実した環境になっている。
なお、二軍は嘉手納町の嘉手納町野球場でキャンプを張っている。昨年、大改修を終え人工芝を敷き詰めた美しい球場になった。一軍キャンプとは車で十数分の距離であり、連絡は良い。

・北谷町

中日ドラゴンズ  2月1日(日)~2月24日(火)

北谷運動公園野球場「Agreスタジアム北谷」

Agreスタジアム北谷

中日は1987年から沖縄県中部の石川市営球場(現うるま市石川野球場)でキャンプを行ってきたが、1995年から北谷運動公園野球場で春季キャンプを行っている。DeNAの宜野湾市立球場と同様、沖縄本島の西海岸に面し、周辺にはリゾートホテルなども建ち並んでいる。

周囲はキッチンカーが出るなど賑わいを作っている。

二軍は、沖縄本島内陸部の読谷平和の森球場でキャンプを行っている。両翼95mとやや小ぶりな球場だが、広い多目的広場もある。DeNA同様、一軍キャンプとは20分程度の距離であり、アクセス良好だ。

・沖縄市

広島東洋カープ 2月14日(土)~2月25日(水)

沖縄市野球場「コザしんきんスタジアム」

コザしんきんスタジアム

宮崎県日南市の「日南市営天福球場」は、広島カープにとって「第2の本拠地」と言っても良い球場だが、広島は1980年代から沖縄市営球場も併用している。
沖縄に入ってからは、実戦練習が中心で、紅白戦、NPBやKBO(韓国プロ野球)チームとの練習試合が行われる。

沖縄市野球場は2013年に全面改修されたが、巨人の奥武山総合運動場に次ぐ規模となっている。

・金武町

東北楽天ゴールデンイーグルス 2月1日(日)~2月22日(日)

金武町体育施設 野球場「金武町ベースボールスタジアム」

金武町ベースボールスタジアム

楽天は球団創設の2005年から、沖縄県の離島久米島の久米島野球場で春季キャンプを行ってきた。田中将大のプロ野球デビューも久米島だった。しかし2018年にはキャンプ後半を金武町で行うようになり、2021年からは金武町に完全に移転した。しかし今も二軍は久米島で春季キャンプを行っている。 金武町はスポーツ振興での町おこしを進めており、Jリーグの浦和レッズは1月7日から24日まで、北海道コンサドーレ札幌も1月11日から25日まで金武町でキャンプを張っている。

・宜野座村

阪神タイガース 2月1日(日)~2月23日(月) 宜野座村営球場

「バイトするならエントリー宜野座スタジアム」

バイトするならエントリー宜野座スタジアム

阪神と言えば「高知安芸キャンプ」と言われるほどに親しまれていたが、星野仙一監督が就任時に「もっと温暖な地でキャンプを」と、沖縄で春季キャンプ地を探すこととなり、2003年、宜野座村営球場での実施が決定した。

宜野座村は以後、室内練習場「宜野座ドーム」を建設したり、観客席を芝生席から椅子席にするなど積極的な投資を行っている。

おそらく、沖縄で最も観客を動員するキャンプ地であり、キャンプ期間中は「関西弁」の比率が異常に高いことでも知られている。

・名護市

北海道日本ハムファイターズ 2月1日(日)~2月25日(水)

名護市営球場「エナジックスタジアム名護」

エナジックスタジアム名護

・糸満市

千葉ロッテマリーンズ 2月13日(金)~2月23日(月・祝)
糸満市西崎運動公園

糸満市西崎運動公園

千葉ロッテの一軍は今年から宮崎県都城市で春季キャンプを行っているが、一軍は中旬から沖縄本島南部の糸満市の球場でキャンプを行っている。

・離島での春季キャンプ

オリックス・バファローズは、1993年から2014年まで宮古島・平良市民球場で春季キャンプを行っていた。

また千葉ロッテマリーンズは、2008年から昨年まで、石垣島・石垣市中央運動公園野球場で春季キャンプを行っていた。

前述したように東北楽天ゴールデンイーグルスも2005年から2020年まで久米島・久米島野球場で春季キャンプを行っていた。

離島部のキャンプは、制約が少なく選手がのびのびと練習できるなど、メリットもあったが、この稿で何度も述べたようにキャンプ終盤からの「練習試合の相手」が少ない。移動が飛行機になるのも大変だ。
これもあって、今、離島部では一軍キャンプは行われていない。
ただ楽天二軍は2月1日~12日まで久米島で、ロッテ二軍も2月1日~12日石垣市中央運動公園野球場で春季キャンプを行っている。

地元の市町村はプロ野球チームのために、税金を投じてスタジアムや周辺整備を行っている。球団としても、そこに配慮する必要があるようだ。

2025年の石垣市ロッテキャンプ