大相撲の初場所後に旧常盤山部屋を継承し、湊川部屋を興した元大関・貴景勝の湊川親方が26日、大阪市西淀川区の部屋宿舎での…

 大相撲の初場所後に旧常盤山部屋を継承し、湊川部屋を興した元大関・貴景勝の湊川親方が26日、大阪市西淀川区の部屋宿舎での稽古後に報道陣の取材に応じた。「きれい事は言ってられない。(弟子たちを)強くするのが自分の今の仕事」。師匠となって迎える春場所(3月8日初日・エディオンアリーナ大阪)へ、熱のこもった指導を行った。

 約2時間の稽古は随所に独自色を感じさせた。以前との変化の一つが稽古開始時間。午前8時から2時間遅らせ、稽古時間は約1時間短くなった。湊川親方は「いろいろ試行錯誤しながらですけど。しっかり寝ることも大事。僕の場合は稽古時間も長くないので、集中してやりきれるように」と狙いを説明。土俵周りでの四股から質を求め、2組同時のぶつかり稽古や相撲を取る稽古、スクワットなどハードな基礎運動まで、力士たちはほぼ体を休めることなく動き続けた。

 相撲を取る稽古では一番一番、欠かさず声をかけ続けた。「友達でも何でもないんだからたたきのめせ」「優しさは捨てろ」「勝たなきゃ始まらない。カッコイイ勝ち方は横綱だけでいい」「堂々と仕切れ」「きつくなったら親のために頑張れ」「まわしを締めてる時だけが努力じゃない」。精神面を鍛える厳しい言葉だけでなく「強く当たるというより走り抜けるイメージで」「取りにいくんじゃない。出て当たった先に上手が見えてる。そのマインドでいった方がいい」「当たるだけじゃない。当たって押し込まないと」など技術面も的確に伝え、背中を押す言葉も投げかけた。

 湊川親方は「できるだけ具体的に言った方がいいと思っている。一人一人、性格も力の出し方も違う」と力士のコンディションや性格を考え、かける言葉を使い分けていることを明かした。また、幕内・隆の勝、十両・若ノ勝から若い衆まで、同じメニューに取り組むことも特徴的だ。「関取衆が若い衆と同じぐらいの稽古量をこなしたら間違いなく強くなる。さらに伸びる」と期待を込めた。

 力士たちも緊張感漂う稽古場で、充実の表情を浮かべた。隆の勝は「短期集中で集中力が切れることなくできている。終わった直後はきついけど、体の張りも良くなってきて、実になっている。これだけやったら自信になる」。稽古開始時間の変更により、睡眠時間が1時間半ほど増え「朝早くやるよりは脳が起きているので、すっきりして稽古を始められる。体の疲労も次の日に持ち越さない」と効果を実感していた。