東京ヴェルディが好調だ。明治安田J1百年構想リーグEASTグループで3試合を終え、勝ち点8(2勝PK勝ち1)で首位に立っ…
東京ヴェルディが好調だ。明治安田J1百年構想リーグEASTグループで3試合を終え、勝ち点8(2勝PK勝ち1)で首位に立っている。
昨季は残留圏内の最後尾の17位で終えた。38試合で総得点23(1試合平均0・60点)はワーストだったが、今季は3試合すべてマルチゴールの総得点7(1試合平均2・30得点)。メンバーが変わらない中、ベースとなる走力を上げるトレーニングを重点的に実施し、より攻守に幅広く走れることが大きな要因となっている。そこでアタッカー陣にフォーカスすれば、FW染野唯月(24)が最前線で起点となり、幅広くボールを引き出す姿が目立っている。
城福浩監督(64)は26日、次節の横浜F・マリノス戦(28日・日産)に向けた東京・多摩市内で非公開のトレーニング後、メディア取材に対応。攻撃を活性化している染野の献身的かつ幅広い動きについて指揮官に問うと、こう回答した。
「染野も含めて、はっきり言えるのは走力が上がっていることはあると思います。彼には去年も行ったんですけども、例えば右も左も両方打てる、ヘディングもある選手がそこにいなければ、何もないんですよ。その場所にいられるっていうことが大事で、その場所にいられるってことは我々の要求する守備からの攻撃に関してやりきった中で、90分の時間の中で、その場所に何回いられるかっていうところは、彼は去年からずっとチャレンジしてて。朝も早く来て、ひょっとしたら一番早く来て朝も走ってました。今シーズンのチーム全体のメニューだけじゃなくて、個別に取り組んでるものもあると思います」
チームとしての取り組みがあり、そこへ個々の課題への強い姿勢が見て取れる。一番早く来て走っているという染野の行動を知るとともに、スタッフ陣の的確な導きがあってのものだろう。指揮官はこう続けた。
「後は得点力不足っていうのは僕らは認識してましたけども、だから攻撃的なコーチングを特別多くするとか、そんな簡単じゃないと思っていたんで。じゃあ攻撃的な選手をピッチに多く立たせればいいのかとかということではなくて、トータルとして1つ1つ何のレベルを上げていけるのかと。それがひいては僕らがゴールゾーンと呼んでる一番ゴールが生まれるゾーンにボールを高い頻度で運べるし、多くの人数を割けるというふうに思っていたので、もう走力を上げるなんていうのはいくつかあるうちの1つの要素でしかないですけども。1つ1つのクオリティーを上げていくってことを地道にやるのみだと思ってました。その得点力不足ということの課題を否定するつもりはないですけども、単に攻撃だけを見て、それが得点力が上がるかと、そういうふうには去年から見ていなかったです」
PK勝ちを含むとはいえ開幕から3連勝。誰がこのスタートダッシュを予想しただろうか。妥協なきトレーニングの日常があり、競争がある。その当たり前を愚直なまでに問い続ける熱血漢の姿が、色濃くにじむ。
「前も言ったかもしれないんですけども、このチームはもうとにかく成長あるのみなんですよ。(移籍の)ウィンドーが開くたびにチャンスじゃなくてピンチなのがこのチームなので、もうこれは現実なんです。この夏なんていうのは多くのチームがものすごく動くと思ってます。なので何があっても動じないチームになるにはもう成長しかない。もうこれ現実なんで。っていうことは、一番の成長の助けは勝利なんですよね。彼らに対しての自信、それは言葉じゃなくて勝ち点が一番彼らに対して成長を促せるものだと思う。それを保障されるものではないですけども、彼らの自信というのを植え付けるこの(半期の)リーグでありたいなというふうに思っています」
揺るぎないチーム作りのコンセプトが、今の結果へとつながっていることは間違いない。まだシーズン序盤にすぎないが、反骨のヴェルディがどこまで突っ走るのか。興味は尽きない。【佐藤隆志】