ミラノ・コルティナ冬季五輪で出場種目すべてでメダルを手にしたグー(C)Getty Images 一躍時の人になった雪上の…

ミラノ・コルティナ冬季五輪で出場種目すべてでメダルを手にしたグー(C)Getty Images
一躍時の人になった雪上のヒロインに対する“逆風”は強まっている。
今冬に開催されたミラノ・コルティナ冬季五輪では、多くのスターが活躍。世界中に話題を提供された中で、異彩を放ったのは、女子フリースタイルスキーに中国代表として参加したアイリーン・グー(谷愛凌)だ。
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怒涛のメダルラッシュとなった。ハーフパイプ決勝で2大会連続となる金メダルを獲得したグーは、出場した3種目でメダルを獲得(金1、銀2)。期間中には「ありえない」と過密日程に不満を漏らすこともあったが、最後まで怪我をせずに滑りきった。
そんな22歳のヒロインには、賛辞の一方で批判も集中した。米国生まれで、現在も名門スタンフォード大学に通う彼女は、2019年に母のススメを受けて中国国籍に変更。二国間で揺れたバックボーンが、とりわけ米国内で疑問視されているのだ。
存在感を誇示したがゆえに、大会後もグーに対するバッシングは収まる気配がない。かつてアメリカン・フットボール・リーグ(NFL)のベンガルズなどでクォーターバック(QB)として活躍したブーマー・アサイアソン氏は、自身がホストを務めるポッドキャスト番組『Boomer&Gio』において、「いいかい? 彼女の母親は中国人なんだ」と切り出し、こう続けた。
「中国政府は彼女に大金を払っている。共産主義国家が資本主義の象徴のような彼女をプロパガンダとして“買う”というのは、ちょっと馬鹿げている」
中国では二重国籍は認められていない。そのため、グーも帰化したかどうかに関する問いには口を閉ざしている。だが、一部メディアでは特例で認められた可能性があるとも報じられている。
いまだ正式な報道はない。それでもグーの生い立ちに対する皮肉を展開したアサイアソンは、年間2300万ドル(約36億3400万円)を稼ぐスーパーモデル業にも精を出す彼女の現況をバッサリと切り捨てている。
「彼女はとても魅力的で、非常に聡明な女性だよ。スタンフォード大学に通っているだけのことはある。でもさ、競技後のインタビューを聞くと、本当に耐えがたいものがある。本当に……聞いていてしんどいよ。まぁあくまで個人競技だから、一人の人間が自分自身について語るものではある。だけど、彼女のコメントを聞くと、『えっ? ちょっと待てよ』って思うんだ」
米副大統領に反発したグーに疑問
アサイアソン氏が、「耐え難い」とした問答がどれなのかは明確にはされていない。ただ、グーは五輪期間中に幾度かSNSなどを騒然とさせるコメントを残していた。
ある時は、J.D.バンス副大統領から「この国の教育制度や自由と権利の恩恵を受けてきた人間が、この国を偉大な場所にしている要素を享受してきたのであるなら、アメリカの代表として競争するべきと願う」と批判され、それに米全国紙『USA Today』で呼応。「私がやることなすことに問題を感じる人がいるのは、彼らが『中国』を一つの巨大な塊として捉え、ただただ嫌っているから。あとは私が勝つからだと思う」と強調していた。
そうした勝気な姿勢もアサイアソン氏にとっては辛いのかもしれない。「彼女は中国政府については質問されていない」と続ける同氏は、さらなる不満をこぼした。
「彼女が一度でも中国の共産党政権について答えたことがあるか? ないだろ? 彼女の特徴は並外れて賢いってことだ。会見やインタビューで何を答えるかは決まっているし、どう対応すべきかも分かっている。ただ、記者やメディアは誰一人として本当に厳しい質問をしていない」
大会前から続いていたグーの活動に対する賛否は、収まるどころか、より広まっている。そうした波が個人への誹謗中傷に繋がらないことを願うばかりだが……。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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