ドゥラメンテは近年屈指の「名馬であり名種牡馬」だ。ファンに「最も印象的なレースは?」と聞けば、15年の皐月賞か日本ダ…

 ドゥラメンテは近年屈指の「名馬であり名種牡馬」だ。ファンに「最も印象的なレースは?」と聞けば、15年の皐月賞か日本ダービーが挙がるだろう。ただし、今回はあえて結果的に最後の勝利となった16年の中山記念を振り返りたい。

 ドゥラメンテは父が名種牡馬のキングカメハメハ、母が03年と04年のエリザベス女王杯を連覇したアドマイヤグルーヴ、祖母が歴史的名牝のエアグルーヴという超良血馬だった。15年の皐月賞では4角で大きく外に逸走するロスがありながら、驚異的な末脚を繰り出してGI初制覇。続く日本ダービーでは単勝1.9倍の圧倒的支持に応える横綱相撲を演じ、当時のレースレコードで二冠を達成した。その後は凱旋門賞への参戦も期待されたが、両前脚の剥離骨折で長期休養へ。ようやく迎えた待望の復帰戦が16年の中山記念だった。

 約9カ月ぶりの一戦、ドゥラメンテはプラス18kgの502kgで競馬場に姿を見せた。スタートはひと息だったが、無理することなく中団を確保。直後にリアルスティール、後方にイスラボニータやアンビシャスが控え、マークされる形となった。レースが動いたのは4角手前だ。ドゥラメンテが外から進出を開始。追ってきた各馬を圧巻の加速力で突き放すと、残り200mで早くも先頭に立つ。休み明けの分だろうか、坂を上がってからやや脚が鈍ったものの、大外から猛追したアンビシャス、それを追ってきたリアルスティールをクビ差凌いでゴール。休み明けも大幅馬体増も何のその、ダービー馬の威厳を見せつける走りで勝利をつかみ取ったのだった。

 しかしながらドゥラメンテは続くドバイSC、宝塚記念でともに2着に敗れる。そしてレース後、複数の靭帯、腱の損傷によって競走能力喪失の診断が下され、電撃引退となった。中山記念の快勝劇を目の当たりにした時、これが最後の勝利になると予想したファンは一人もいなかったはずだ。その圧倒的な輝きが4歳夏で終わってしまったことが、残念でならない。