プロボクシングWBC世界バンタム級2位那須川天心(27=帝拳)が危険な再起戦を突破して、格闘家人生初の“リベンジ”を果た…

プロボクシングWBC世界バンタム級2位那須川天心(27=帝拳)が危険な再起戦を突破して、格闘家人生初の“リベンジ”を果たす。4月11日、東京・両国国技館で元世界2階級制覇王者フアンフランシスコ・エストラダ(35=メキシコ)との同級挑戦者決定戦が25日、都内で発表された。昨年11月に王座決定戦で初黒星を喫した同級王者の井上拓真(大橋)との再戦へ向け「蹴っても勝つ」と独特の表現で覚悟を口にした。

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“打倒拓真”。復帰戦に臨む那須川の頭にはそれしかなかった。「前回の試合で預けたものが大きいので、しっかり返してもらう。その覚悟を見てほしい」。目指す標的は5月に東京ドームで初防衛戦を計画しているが「勝っても拓真、負けても拓真」。もはやベルトは眼中になかった。

昨年11月にボクシング8戦目の世界初挑戦で井上拓に判定負け。格闘家時代を含めてプロ初の黒星を喫した。味わったことのない敗者の感情と時間に葛藤した。「悔しさが沸いてきて、そこから“なめんじゃねえよ”という怒りの感情が芽生えてきた。自分にも“お前こんなんじゃねえだろう”と」。

キックから転向して以来、ボクシングをしっかり学び、完璧に消化することに精力を注いできた。そして負けた。「ボクシングをいろんな角度で外から見なければ」と気づいた。ボクシングの手ほどきを受けた葛西裕一氏にミットを持ってもらい、キック時代の父親のジムでも練習をするなど原点回帰した。

現在の状況を「崖っぷち」と表現する。その土俵際で迎える復帰戦の相手が、3階級制覇を狙う名王者エストラダ。ハードルはとてつもなく高いが「ここで逃げては自分がやってきたことを否定することになる。目指しているのはこんなところじゃない。蹴ってでも勝ちにいく(笑い)」と覚悟を口にした。

井上拓戦後「経験の差を感じた」と語った。エストラダははるかに上回る49戦のキャリアを誇る。それでも「前回はレコードでは1戦ですが、それ以上のものを得られた。経験だけでは語れないものを今回の試合では出せる。厳しい試合になる。相手に勝って、自分にも勝って、強さを見せしめたい」。敗北を血肉にして、神童の第2章リベンジ編が始まる。【首藤正徳】