広尾晃のBaseball Diversiy 今年もプロ野球春季キャンプが終盤を迎えている。メディアは連日、キャンプ地から…
広尾晃のBaseball Diversiy
今年もプロ野球春季キャンプが終盤を迎えている。メディアは連日、キャンプ地から新チーム、新体制になって始動した選手たちの動向を伝えている。
20年ほど前は、プロ野球春季キャンプ地は、沖縄県、宮崎県、鹿児島県、高知県と4つの県で行われてきた。しかし、春季キャンプ地は次第に集約され、一軍キャンプ地に関しては今では沖縄県と宮崎県の2県になっている。
なぜ春季キャンプ地の集約が進むのか?
いろいろな理由があるが、一番大きいのは「対戦相手」だ。プロ野球キャンプは、たんに練習をするだけでなく、中盤以降は実戦形式の練習が中心になる。
対戦相手のチームが近隣にあることは、非常に重要なのだ。
宮崎県は、今、巨人、ソフトバンク、オリックス、広島、西武、ロッテの6球団が春季キャンプを行っている。日程は今年のもの。
・宮崎市
読売ジャイアンツ 2月1日(日)~2月12日(木)

宮崎市・ひなた宮崎県総合運動公園「ひなたサンマリンスタジアム宮崎」
巨人は、1959年に初めて宮崎市で春季キャンプを実施。以後、アメリカ(ベロビーチ、グアムなど)でもキャンプをすることがあったが、宮崎市でずっとキャンプを続けてきた。
宮崎県営総合運動公園は1964年に開場、一軍だけでなく、二軍などファームも宮崎県総合運動公園第二硬式野球場で春季キャンプを行っている。
「ひなたサンマリンスタジアム宮崎」は観客動員3万人を誇り、一軍の公式戦も行われる。
ただ2011年から一軍は、キャンプ中盤から那覇市営奥武山野球場に移動している。
キャンプ地は非常に広大で、キャンプ地をシャトルバスが走っている。
JR日南線木花駅から歩いてキャンプ地に行けるアクセスの良さもメリットだ。キャンプ地には飲食、お土産などの大規模な売店が出店。キッチンカーも出店する。
WBCのある年は、巨人が沖縄に移動した後、WBCのキャンプにも使われている。
地元関係者は「巨人が、宮崎で長年キャンプをしてくれたことで、宮崎は『キャンプの本場』というイメージが定着した。ずっと続けてほしい」と語る。
福岡ソフトバンクホークス A組2月1日(日)~3月1日(日) B組は3月3日(火)まで

宮崎市生目の杜運動公園
ソフトバンク(旧ダイエー)は、2003年まで高知東部球場や高知市営球場で春季キャンプを行ってきたが、2004年に宮崎市に移転。12球団で最も長く春季キャンプを行うことで知られる。またソフトバンクは1軍中心のA組と2軍中心のB組も同じ場所で春季キャンプを行う。メインスタジアムは宮崎市生目の杜運動公園アイビースタジアム。毎年のように改装され、最新の設備になっている。第二野球場、室内練習場「はんぴドーム」、2か所のブルペン、多目的広場と設備も充実している。
ソフトバンクホークスの本拠地、福岡市とは地続きであり、福岡市から毎年多くのファンが自動車で訪れる。ただ、メインスタジアムは地元のファンが先に席を占拠しがちなため、前売り券を販売し、遠方からのファンにも席を確保している。
こちらもグルメ、特産品、お土産などの大規模な店舗が出ている。
キャンプ担当者は
「温暖な沖縄でやれば、練習ははかどるが、内地に戻ってから、温度差があるために体調を崩す選手が出ている。福岡県と宮崎県では、それほど温度差はないが、この地でじっくりと調整するほうが、結果につながる」
と話していた。
オリックス・バファローズ 2月1日(日)~2月27日(金)

宮崎市清武総合運動公園
2014年まで宮古島・宮古島市民球場、高知東部球場などで春季キャンプを行っていた。イチローのプロデビューも宮古島で、デニー友利から「ランニング満塁ホームラン」を打っている。
しかし2015年から宮崎市に移転。
宮崎市清武総合運動公園は、2009年まで清武町営運動公園だったが、翌年に清武町が宮崎市に併合され、宮崎市営となった、
2015年にメインスタジアムの「SOKKENスタジアム」に加えて第2球場が開場した。
オリックスも一軍中心のA組と二軍中心のB組が、同じ場所でキャンプを行っている。
一軍監督にとって、調子を落として二軍調整になっている選手もチェックすることができるなど、一二軍が同じ場所でキャンプを行うメリットは大きい。
グルメ、特産品、お土産の店舗が並ぶのも同様だ。
実は、宮崎市の3つのキャンプ地の店舗出店は宮崎市観光協会が一括で公募している。 ソフトバンク、巨人に比べてオリックスは宮崎市でのキャンプの歴史が浅い。
この3つのキャンプ地にはJR宮崎駅からシャトルバスが出ているが、乗降客はオリックスが一番少なかった。しかし、近年はオリックスのお客も増えている。
・日南市
宮崎県の南部、日南市では2つの球団が一軍キャンプを行っている。
広島東洋カープ 2月1日(日)~12日(木)

日南市営天福球場
広島は、1962年に開場した天福球場を63年から使用している。
まさに日南市は、広島東洋カープにとって「第2のフランチャイズ」であり、市民は熱狂的にカープを歓迎している。球場最寄り駅のJR油津駅は、真っ赤にペインティングされている。また駅から球場までの道路には、赤い舗装が敷かれ「カープロード」と呼ばれている。熱心なファンが全国から押し寄せている。
二軍は油津の隣のJR日南駅が最寄りの日南市営東光寺球場でキャンプを行っている。
球場は築60年を過ぎて、老朽化が目立っているが、カープファンにとっては「聖地」のようになっている。日南市の業者が出店をしている。
広島は、2022年から春季キャンプの後半日程を、沖縄県沖縄市の「コザ信金スタジアム」で行っている。一軍が去った後には、二軍が日南市営天福球場でキャンプを実施している。
埼玉西武ライオンズ 2月1日(日)~2月23日(月)

日南市南郷中央公園
西武は2003年まで高知県立春野球場でキャンプを行っていた。松坂大輔のプロ入りもこの地であり観客が押し寄せて大きな話題となったが、2004年から宮崎県南郷中央公園野球場で春季キャンプを実施している。
油津駅の隣のJR南郷駅下車、キャンプ地は丘の上にあり、ファンは急な坂道を登ってキャンプ地へと向かう。この「山登り」も、西武キャンプの名物になっている。
メインスタジアム、室内練習場、サブグラウンドなども充実している。
西武の二軍は高知県立春野総合運動公園野球場でキャンプを行っている。西武は、日南のキャンプを終えると、高知県で練習試合やオープン戦をすることが多い。
小規模だが、キャンプ限定グッズやグルメなどの出店もある。
都城市
千葉ロッテマリーンズ 2月1日(日)~2月11日(水)

コアラのマーチスタジアム(都城運動公園野球場)
昨年までロッテは沖縄県の石垣市中央運動公園野球場と糸満市西崎球場で春季キャンプを行っていたが、今年から宮崎県都城市に移転。球場のネーミングライツも行い「コアラのマーチスタジアム」となった。
石垣市のキャンプは2008年から行ってきたが、練習試合のために飛行機で移動するなどアクセスの問題があった。ただ二軍は12日まで石垣市でキャンプを行っている。一軍は12日から糸満市西崎球場に移動する。そのあとに二軍が都城に入る。
プロ野球キャンプは地元にとって、重要な観光資源であり、簡単に移転できない事情がある。
宮崎県では東京ヤクルトスワローズが西都原運動公園野球場で二軍キャンプを行っている。また、楽天が日向市のメディキットスタジアム(お倉ヶ浜総合運動公園野球場)で二軍キャンプを行っている。