ドルトムントのチャンピオンズリーグ(CL)敗退が決まった。11月21日のグループリーグ第5節、ホームにトッテナムを…

 ドルトムントのチャンピオンズリーグ(CL)敗退が決まった。11月21日のグループリーグ第5節、ホームにトッテナムを迎えたドルトムントは、オーバメヤンのゴールで先制したものの、粘ることができずにあっさりと逆転を許し、1-2で敗れた。すでに自力での1次リーグ突破は可能性がなかったとはいえ、トーマス・トゥヘル前監督をクビにした昨季でさえ8強には進出していたのだから、「いただけない」では済ませられない結果だ。



トッテナム戦に先発したものの66分に交代。ドルトムントを勝利に導けなかった香川真司

 CLではこれで2分3敗。それだけでなく、ブンデスのリーグ戦とCLを合わせてここ8戦、勝ちがない。ドイツ杯で3部マクデブルクに勝った試合を除くと、最後に勝利したのは9月30日のアウクブスルク戦となる。序盤は首位を快走したブンデスでも、現在は5位に沈んでいる。

 ピッチ外でも不穏なムードが流れている。先週の金曜日に行なわれたシュツットガルト戦では、今季のリーグ戦、CLの全試合に先発しているエース、オーバメヤンがベンチ外となった。理由は練習に遅刻したことだという。本人は「練習開始時間を間違って伝えられていた」と主張したが、クラブは”常習犯”だとしてペナルティーを科した。どちらが正しいのかはわからないが、昨季のリーグ得点王を欠いたチームはこの試合に敗れた。

 トッテナム戦の前日には、スカウト部門のトップであるスヴェン・ミスリンタート氏のアーセナル入りが、両クラブから発表された。ドルトムントのミヒャエル・ツォルクSD(スポーツディレクター)はこう声明を発表している。

「彼はこの10年間、もっとも近い関係の同僚であり、信頼の絆が生まれていた。彼はドルトムントのために素晴らしい仕事をしてきた。だからこそ、彼が数週間前に『アーセナルからのオファーを了承してくれ』と言ってきたとき、拒むことなんてできなかった」

 ミスリンタート氏への高い評価は香川真司の発掘から始まっている。極東からわずかな移籍金で買い取った選手は予想外の活躍をした。香川が加入したそのシーズンから2シーズン連続でリーグ優勝。さらに香川がマンチェスター・ユナイテッドへ羽ばたいていったことで今度は莫大な移籍金をクラブにもたらした。

「金の卵」を発掘したスゴ腕スカウトとして評価を確立すると、その後は、オーバメヤン、ウスマン・デンベレ(現バルセロナ)らを次々と発掘している。いわばドルトムントの強さの源泉とも言える敏腕スカウトが、シーズン真っ只中に他のクラブへ移るというのは、どう考えてもプラスなことではあるまい。

 そして、ここまでチームを苦境に陥れたピーター・ボス監督の去就問題が浮上する。20日付けのビルト紙は「あと2試合」と報じている。つまり、この日のトッテナム戦と、4日後に迫るシャルケ戦、レヴィアダービーをさす。この2戦での成績次第では指揮官の交代があるだろうというのだ。

 ここまでマルコ・ロイスやウカシュ・ピシュチュクが負傷で不在だったという不運もある。デンベレが去った後の攻撃陣のなかで、ロイスはなくてはならない存在だった。不動の右SBピシュチェクの長期離脱も、チームから安定を奪った。期待の若手、クリスティアン・プリシッチも故障中。さらに先週末のシュツットガルト戦ではCBのソクラティス・パパスタソプーロスが骨折。この日のトッテナム戦ではレギュラーGKのロマン・ビュルキが負傷で交代、試合後には救急車で運ばれた。

 香川真司はトッテナム戦に先発したが、1-1で迎えた66分に交代した。特に目立った活躍はなかったが、香川のプレーが精彩を欠いたというより、香川を含むチーム全体が冴えなかった。特に後半は、49分に同点ゴールを奪われると、そのままなすすべなく崩れていった感がある。

 ボス監督はチームの現状を次のように言う。

「我々にはただ自信が欠けていた。しばらくの間、勝てていなかったら、それはとても自然なことだ」

 ドルトムントはどのようにして立て直しを図るのか。大きな変化の必要性に迫られるCL敗退決定だった。