日本相撲協会は24日、大相撲春場所(3月8日初日・エディオンアリーナ大阪)の番付を発表し、熱海富士(23)=伊勢ケ浜=…
日本相撲協会は24日、大相撲春場所(3月8日初日・エディオンアリーナ大阪)の番付を発表し、熱海富士(23)=伊勢ケ浜=が新小結に昇進した。静岡県出身の新三役は1930年夏場所の天竜以来。96年ぶりの快挙となり、次の目標に静岡県勢初賜杯と初の大関昇進を掲げた。大関・安青錦(21)=安治川=は初めて東の正位に就き、綱取りに挑む。同じ藤島部屋の藤青雲(28)、藤凌駕(22)が新入幕を果たした。
熱海富士は番付表で一回り大きくなった自身のしこ名と出身地を確認すると、表情を緩めた。「静岡、熱海の字も大きくなってうれしい」。伊勢ケ浜部屋の宿舎がある大阪市東成区で行われた会見。郷土愛を感じさせる言葉で新小結昇進の喜びを表現し「新入幕した頃から三役に上がるという目標を言ってきた。少し遅くなってしまったけど、それが達成できたことが良かった」と感慨に浸った。
20年11月場所で初土俵を踏み、2年で新入幕を果たした。24年初場所で西前頭筆頭まで番付を上げて三役は目前となったが、そこから苦しんだ。「自分の中でいろいろ相撲や気持ちを変えたりして、停滞した時期だった」と振り返った。再浮上のきっかけとなったのは昨年11月の九州場所前。師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱・照ノ富士)がスマホで幕下や十両時代の映像を流しながら「昔はこんなに足が出ている。昔の方がいい相撲だぞ」と諭された。
幕内に上がり、体が大きくなるにつれ、受ける相撲が多くなっていた。「このままじゃダメだ」。原点に立ち返って前に出る相撲を磨くと、187センチ、197キロの恵まれた体格の強みが生かされた。西前頭4枚目の先場所は2日連続で金星を獲得するなど12勝3敗。優勝決定戦で安青錦に敗れて静岡県勢初賜杯は逃したが、敢闘賞を受賞した。
静岡県出身の三役は天竜以来で96年ぶり。戦後初の役力士となった。「僕が生まれる前のことなので。正直あまり実感は湧かないけど、静岡の皆さん、熱海の皆さんの応援のおかげ」と感謝した。2月は節分の豆まきや激励会などで地元に帰る機会も多く、期待の大きさを肌で感じた。「ここからが大事。誰が相手でも自分の相撲を取り切って優勝だったり、さらに上の番付を目標に頑張っていきたい」。さらなる活躍で期待に応え、静岡の歴史を塗り替えにいく。(林 直史)
◇静岡県出身の三役 過去2人。和田ケ原甚四郎は静岡市出身で寛政3年(1791年)に新入幕。最高位は小結で、1799年に引退した。天竜三郎は浜松市出身で、1928年夏場所に新入幕。30年夏場所から関脇を務め、1932年初場所が最後の場所だった。