日本時間23日未明に閉幕したミラノ・コルティナ五輪の日本選手団が24日、開催地イタリアから成田空港着の航空機で帰国した。…
日本時間23日未明に閉幕したミラノ・コルティナ五輪の日本選手団が24日、開催地イタリアから成田空港着の航空機で帰国した。フィギュアスケート女子で銅メダルを獲得した初出場の17歳、中井亜美(TOKIOインカラミ)は、都内ホテルで行われた帰国会見に出席。夢舞台への感謝とともに、フィギュア日本勢最年少メダリストとなった喜びを語った。
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帰るまでが五輪だった。約400人のファンが待ち受けた成田空港。中井は氷上と変わらない愛嬌(あいきょう)を振りまいた。12時間超のフライトの疲れも見せず、祝福の声と盛大な拍手に会釈と笑顔でファン対応。カメラ1台1台に目線を配るサービスも欠かさなかった。「出られると思っていなかったシーズン序盤から始まり、今メダルをかけられていることが本当にうれしい。皆さんの応援のおかげ」。場所を移した会見でも、最初に口にしたのは周囲への感謝だった。
17歳は一躍「国民的ヒロイン」となった。大技トリプルアクセル(3回転半)を計2本決め、最年少表彰台記録を更新。フリー直後の人さし指をほおに当てて首をかしげる愛らしいポーズや、エキシビションでのうつぶせで足をばたつかせる振り付けなどでも「かわいすぎる」と見る人をとりこにした。「楽しむ気持ちを忘れないようにしようと」。ミラノでの日々は、かけがえのない時間になった。
「緊張はない」と言い続けた五輪だったが、人知れず押しつぶされそうな時期もあった。「試合に出るのが怖くなった」。代表争いの重圧の中、前哨戦だった昨年12月のGPファイナルでは「周囲からの期待を実感してしまった」と逃げ出したい恐怖も覚えた。窮地を救ったのは「スケートが好き」という揺るぎない原点だった。オフシーズンから週に1度中庭コーチとの面談を設定。中1から支えられる恩師と「私はこうしたい」と本音を交わす対話の中で「勝ち負けを気にしなくなった」。緊張にのまれそうな時は「これはいつもの自分じゃない」と唱えウィッシュミーメルのティッシュケースをたたくルーティンで気持ちを整えた。
30年フランス・アルプス地域の五輪では立場も期待も変わる。「今回学んだように、楽しさを忘れないようにしたい」。手にしたのは、メダルや人気だけではない。初めての夢舞台が授けてくれた経験は、貴重な財産になる。【勝部晃多】