NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26ディビジョン3 第7節2026…
NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン3 第7節
2026年2月22日(日)12:00 群馬県立敷島公園サッカー・ラグビー場 (群馬県)
ヤクルトレビンズ戸田 10-25 中国電力レッドレグリオンズ
揺るがぬ覚悟を携えて。限られた時間を、勝利のために
今シーズン、全試合に出場を続けているヤクルトレビンズ戸田の白井吾士矛(しらいあとむ)選手。この試合では今シーズン初トライも挙げた
「最後になんとかトライは取れましたが、序盤でゲームを作れなかった。そこは今後に向けて修正が必要です」
後半40分経過を告げるホーンが鳴り敗戦が確定した中でも、ラストの攻撃で意地のトライを奪ったヤクルトレビンズ戸田(以下、L戸田)の白井吾士矛は試合後、そう振り返った。この日は前半から相手の強力なディフェンスに苦しみ、ここ数試合で改善が見られていたペナルティ数が再び増加。白井も「自滅した感じ」と悔しさをにじませた。
小学4年生でラグビーを始め、高校時代には高校日本代表候補にも名を連ねた。大学卒業後はヤマハ発動機ジュビロ(現・静岡ブルーレヴズ、以下、静岡BR)に加入し、ディビジョン1の舞台も経験。しかし、出場機会を多くつかむことはできず、環境の変化を求めて2023年にL戸田へ移籍した。
「静岡にいたころは、試合に出ることだけにフォーカスしてラグビーに取り組んでいました。自分だけに目を向けていた時期だったと思います。でもいまは出場機会にも恵まれていますし、チームがいかにして勝てるかという点にフォーカスして練習に取り組めています」
静岡BR時代と比べ、ラグビーに割ける時間は大きく減少した。それでも、効率的な時間の使い方次第で、個としてはもちろん、チーム力も高められるという強い意志をもつ。
「フルタイムで仕事をしなければならない環境で、大変なことも多いです。ただ、置かれている環境の中で何に重点を置くか。限られた時間でいかに効果的な練習ができるか。僕の場合は、チームが勝つために何が必要なのか、自分が何をすべきか、そこだけを見ています」
次節は、狭山セコムラガッツとの“埼玉ダービー”。ファンの注目度も高い一戦となるが、今季最初の対戦では70得点を奪われ、自分たちはノートライに抑え込まれた相手だ。リベンジを懸けた一戦へ向け、「先に得点を重ね、ロースコアの展開に持ち込めれば勝機はある」と分析する。
激しいコンタクトこそがラグビー最大の魅力であり、自身を虜にした大きな要素だと語る白井。チームの勝利に誰よりも貪欲な男が、次なる戦いでどんな姿を見せるのか注目したい。
(松野友克)
ヤクルトレビンズ戸田
ヤクルトレビンズ戸田の河野嵩史ヘッドコーチ(左)、土井將聖 共同キャプテン
ヤクルトレビンズ戸田
河野嵩史ヘッドコーチ
「まず、試合開催にあたりご尽力いただいた関係者の皆さまに感謝申し上げます。試合内容については、自分たちがやりたかったこと、そしてやるべきことがほとんどできず、このような結果になってしまったと感じています。最後にトライを取ることはできましたが、前半から自陣での時間が長くなってしまい、苦しい展開を強いられました。その流れが最終的に大きく影響した試合だったと思います」
──相手ディフェンスに抑え込まれた印象でした。途中での修正は難しかったですか。また、次節の狭山セコムラガッツ(以下、狭山RG)戦に向けてどのように準備しますか。
「中国電力レッドレグリオンズさんが前に出るディフェンスを仕掛けてくることはスカウティングの段階から分かっていましたが、その圧力を受け過ぎてしまったと感じています。私たちはボールを動かしてアタックするスタイルを大切にしていますが、今日は"動かすこと"自体が目的のようになってしまい、相手にとって脅威となる攻撃を出せませんでした。次節の狭山RG戦に向けては、細部により一層こだわり、質の高いプレーを積み重ねることで、相手にプレッシャーを与えられるアタックを準備していきたいと考えています」
ヤクルトレビンズ戸田
土井將聖 共同キャプテン
「はじめに、グラウンドを整備してくださった皆さま、スタッフの皆さまに感謝申し上げます。試合をとおしてペナルティが多く、自分たちで自分たちを苦しめてしまった内容だったと感じています。次に向けては、自分たちがやるべきことを徹底し、ペナルティを減らしながら敵陣に入り、アタックを継続できる形を作れるよう修正していきたいです」
──相手ディフェンスに抑え込まれた印象でした。途中での修正は難しかったですか。また、次節の狭山RG戦に向けてどう準備しますか。
「相手のディフェンスに対して試合中にうまく修正できなかったことが、いまの自分たちの実力だと受け止めています。次節へ向けては、アタックの中での細かなミスをなくすことやセットピースの精度を高めることが必要です。また、前回できていたように、ディフェンスでは我慢強く戦い、ターンオーバーからアタックにつなげる形を、1週間しっかり準備していきたいと思います」
中国電力レッドレグリオンズ
中国電力レッドレグリオンズの岩戸博和監督(右)、西川太郎主将
中国電力レッドレグリオンズ
岩戸博和監督
「まず、ヤクルトレビンズ戸田(以下、L戸田)の皆さま、そして運営関係者の皆さまに感謝申し上げます。
試合前には『ディフェンスで前に出よう』と話していました。L戸田は勢いのあるバックスやキープレーヤーが多いチームですが、そうした選手をしっかりマークし、自分たちのやりたいディフェンスを最後まで体現できた点は非常に評価しています。前半は得点できそうでできない時間帯もありましたが、限られたチャンスの中で確実にスコアして戻ってきてくれた選手たちを誇りに思います。
前節のルリーロ福岡(以下、LR福岡)戦は延期となってしまいましたが、第1クールで勝利がなかった中、第2クールの初戦でしっかり勝ち切れたことには大きな意味があります。前回ホストゲームで敗れたL戸田さんには、必ず勝ちたいという思いがありましたので、良いスタートを切れて、非常に良かったと感じています」
──今季初勝利となりましたが、この勝利を今後にどう生かしていきたいと考えていますか。
「今日の試合では、最後にスコアを許してしまいました。あの場面を防げていればボーナスポイントも見えていたので、細部の甘さは私たちの課題として残っています。特にディシプリン(規律)の部分をさらに突き詰めていかなければ、勢いのあるマツダスカイアクティブズ広島(以下、SA広島)には勝てないと感じています。選手たちもその点は理解していると思います。練習内容を大きく変えるつもりはありませんが、細部への意識を高め、気持ちの面でも現在首位を走るSA広島さんに思い切ってチャレンジしていきたいと考えています」
中国電力レッドレグリオンズ
西川太郎主将
「本日はありがとうございました。前節のLR福岡戦が雪で延期となり、イレギュラーな状況の中での準備となりましたが、まずはL戸田さんに対して『ディフェンスでしっかりプレッシャーを掛けよう』と話してきました。それを試合で体現できたことが、結果につながったのだと思います。
一方でアタック面では、監督も話していたとおり、敵陣深くに入った場面で取り切れなかったところが課題です。あそこで確実にスコアできていれば、もっと優位に試合を進められたと思います。ただ、まずは1勝できたことが何よりうれしいですし、一つ勝つことでチームの雰囲気も確実に良くなります。この勢いを次につなげ、来週のSA広島戦ではしっかりチャレンジして接戦に持ち込み、1点差でも勝ち切れるよう、また準備していきたいと思います」
──前節は雪で延期となり、準備面での難しさがあったとのことですが、具体的にはどのような点でしたか。
「難しかったというよりも、『試合をしたかった』という気持ちが強かったというのが正直なところです。延期となったLR福岡戦は第2クールの初戦で、チーム全体で『必ず勝つ』という強い思いをもって準備していました。
その一方で、試合がなくなったことで気持ちの整理ができ、選手たちはある意味でリフレッシュできた部分もありました。今節からは遠征先のホテルで選手だけの短いミーティングを行うことを決め、実行しました。そこで話したことをすべて出し切れたわけではありませんが、『少しずつ変えていこう』という意識が、結果的に勝利につながったのではないかと思います」