今週は春の中距離戦線を占う伝統の一戦、第100回中山記念(GII、芝1800m)が中山競馬場で行われる。
一昨年の牝馬二冠チェルヴィニアをはじめ、重賞4勝のレーベンスティール、中山金杯を制したカラマティアノスや、昨年のエプソムCでレコードVのセイウンハーデスなど、粒ぞろいのメンバーが集結する。
そんな中、実績最上位のチェルヴィニアが、今回の「危険な人気馬」の標的となる。
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■36年間未勝利の5歳牝馬
3歳時はオークス、秋華賞と二冠を制したチェルヴィニア。さらなる飛躍を期した昨年だったが、しらさぎSの2着が最高成績でまさかの未勝利、ドバイ遠征など強豪が相手だったとはいえ不満の残る一年だった。
それでも、実績はメンバーで最上位。鞍上も乗り慣れたルメール騎手に戻り、復活を期待する声は大きい。
近年はGIでも牝馬が牡馬を蹴散らすシーンは多くなったが、伝統の中山記念では、まだまだ牡馬が優勢の傾向。過去10年で牝馬の成績は【0.3.1.7】であり、馬券に絡む確率はまずまずだが、勝ち切るまでには至っていない。
過去40年遡っても牝馬はわずか3勝のみであり、5歳牝馬に限ると1989年コーセイ以来36年間も未勝利。ヴィブロス、ディアドラ、アエロリット、ラッキーライラック、スタニングローズなど、GI馬がことごとく跳ね返されている舞台であり、牡馬の壁は想像以上に高い。
■小回り適性にも疑問符がつく
臨戦過程で見てみると、過去10年で前走GIは【4.3.4.24】の成績だが、マイルCS組に限ると【1.0.2.9】となり、それほど相性は良くない。また、前走4角10番手以下の馬は【0.1.0.27】でさっぱり。
開幕週の中山で先行有利の馬場が想定され、極端な後方待機策からの馬券内突入は難しいということか。チェルヴィニアは中団からでも運べるタイプだが、前走のような位置取りだと、今回も厳しいレースを強いられる。
加えて、過去10年の勝ち馬10頭中8頭は、札幌・福島・中山といった直線の短い競馬場で芝1800~2000mの重賞勝ちの実績を持った馬たち。チェルヴィニアは今回が初の中山となり、コース適性の面でも疑問符がつく。
先週のフェブラリーSは木村厩舎×ルメール騎手のコンビで制し勢いに乗る状況ではあるが、秋華賞以来勝ち星に見放されており、一度調子を崩すとなかなか復調することが難しい牝馬。加えて、牡馬優勢のレース特性、臨戦過程や初コースなど、マイナス要素が多く存在し、人気ほどの信頼度はない。妙味を考慮すると、少なくとも「頭」勝負は避けたい。
著者プロフィール
石川豊●いしかわゆたか 20代から競馬メディアに寄稿。「ユタカ人気」と言われた時代、武豊が騎乗する過剰人気馬をバッサリと切り捨てる馬券術を駆使し、年間回収率100%超に成功。以来、「1番人気の勝率は3割」を念頭に、残り7割の可能性を模索し、「危険な人気馬」理論を唱え続ける。
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